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歩きスマホが歩行者の事故を増加させている

歩きスマホが歩行者の事故を増加させている
Image: Quinn Dombrowski / Flickr

人通りの多い道を歩いていると、歩きスマホに夢中になり過ぎて歩道に落ちている犬の糞を踏みそうになっている人を見かけて、ハラハラすることがあります。

論文サイトPLOS Oneに掲載されている、イギリスのアングリア・ラスキン大学の研究チームが行った研究で、歩きながらスマホを使っている人は動きが鈍くなり、障害物を避けるのが遅くなることがわかっています。

この説を検証する目的で、2つの障害物が置いてある道を被験者に歩かせる実験が行われました。1つ目の障害物は発泡ボードで、被験者はこれをまたいで歩くことになり、もう1つの障害物は踏み台昇降台で、被験者は段差を上り下りすることになります。そして、被験者には目の動きをトラッキングする装置と運動センサーを装着してもらいました。このような設定で、「スマホ無しの状態で」、「電話で通話しながら」、「テキストメッセージを読みながら」、「スマホでメッセージに返信しながら」、と条件を変えて何度か歩いてもらいました。

スマホで文章を書きながら歩く被験者は、スマホを手にしていない被験者に比べて歩く距離が短いだけでなく、歩調もかなり遅くなりました。同じ距離でも、スマホを打ちながら歩いた被験者は、スマホ無しの被験者より68%も時間がかかったのです。さらに、歩きながら文章を書いている被験者は、障害物を避けようとして足を普通より高く上げてゆっくり歩くので、スマホ無しの被験者より歩く速度が38%も遅いことがわかりました。

つまづいたり転んだりしないように慎重に歩こうとしている歩行者は、地面の高低差に気を付けながら常に歩調を調整していることが観察された。

歩調を遅くすることで足元が安定して、周囲の状況を察知する時間が持てるのかもしれませんが、この根拠には具体性がありません。この研究の被験者は誰も転倒しておらず、スマホが歩行者の事故の増加に関与しているという直接的な証拠も提示できていないからです。

歩行者の事故は「歩行中に、より多くの注意力作業記憶を求める作業をすること」が原因ではないかと研究チームは推察しています。具体的に言うと、例えば、さまざまな速度で向かってくる歩行者や車に注意を払わなければならないとき、あるいは、電話の通話に夢中になっていたり、電話で大事な話をしながら道路を横断したりするときなど、スマホに気を取られる度合いが増す場合です。要するに、道路を横断するときは、スマホは使わない方が良いということです。

歩行者の事故が増加していることを考えると、これは理にかなっています。アメリカでは、2010年に1,500人以上の歩行者が道でつまずいたり、何かに落ちたり足を踏み入れたりしたことが原因で病院のお世話になっています。

スマホで大事なメッセージを書かなければならないときは、いったん道端に寄って立ち止まってメッセージを書き終えてから、ふたたび歩くようにしましょう。その方が、仕事も早く片付きますし、気づかずに車道の真ん中にふらふら出て行くことも避けられます。


Patrick LucasDon’t Walk and Text Unless You Want to Be in the Way Austin | Lifehacker US

Image: Quinn Dombrowski / Flickr

Source: PLOS One

Patrick Lucas Austin(原文/訳:春野ユリ)

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