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ストレスを一時的に抑えられる「アンカー効果」を使った応用術

ストレスを一時的に抑えられる「アンカー効果」を使った応用術
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Inc.:ストレスとは、ストレスフルな状況に直面したときに、反射的に感じるものではありません。状況そのものへの反応ではなく、その状況を脳が解釈した結果なのです。

本質的にストレスフルな状況などないと言っているわけではありません。騒音、視覚的なカオス、オープンオフィスの環境がストレスフルなのは間違いありません。

それでも、どんなにカオスの中にいてもリラックスして集中力を高められる人がいます。彼らを見ていると、そのようなメンタルを得るには、どうやら毎日の瞑想を日課にしなければならないようです。

でも、たいていの人は、1日に30分から60分もの瞑想の時間を取れないでしょう。それでもご安心を。もっと手っ取り早く、ストレスを緩和できる方法があるのです。効果は永久ではありませんが、一時的に気持ちを高めるには便利な方法です。

科学的根拠

その方法の説明に移る前に、背景にある科学を見てみましょう。

ラトガース大学の研究グループは、被験者を2グループに分け、冷たい水に手を入れるというストレスフルな状況で過去の記憶を思い出してもらいました。その際、一方のグループは喜ばしい記憶を、他方はニュートラルな記憶を思い出し、fMRIで脳の様子を観察しました。

ポジティブな回想を強化または維持して生理的なストレス反応を抑制するためには、かつて感情調節機能とつながっていた皮質の部位が関与することが重要なのかもしれません。そのため、楽しい記憶を思い出すと、ポジティブな感情が引き出され、幸福が強化されるのです。つまり、この戦略をストレス対策として使うことで、適応できる可能性があると言えます。

言い換えると、ストレスを感じないようにするには、リラックスした幸せな時間を思い出すと良いようです。

アンカリングとは

そうは言っても、すでに「逃走・闘争反応」の状態に陥っているときにポジティブな記憶を手繰り寄せるのはかなり無理があります。そこで役立つのが、「アンカリング」という方法。

心理学で「アンカリング」とは、「意思決定の際、最初に提案された情報(アンカー)に依存しすぎてしまう傾向を示す認知バイアス」を指します。

あなたが激しい感情を抱いているときは、あなたが見ているもの、聞いていること、感じていることに対して、脳が勝手に「アンカ―」を作っている状態です。感情が激しいほど、このアンカーは強力になります。

たとえば、ある曲を聞いているときに、愛する人の死を突然知らされたとします。すると、どんなに楽しげな曲であろうと、それを耳にするたびに悲しい気持ちがこみ上げるようになるでしょう。あなたの心が、勝手にその歌に感情をアンカーしているのです。

アンカ―は脳が勝手に作っているものなので、これを逆手に取って、強い感情を抱いているときに何かを見たり、聞いたり、したりすることで、アンカーを意図的に作っておくことができます。

そのアンカーが、ストレスに負けない幸せな記憶を呼び戻してくれます。すでにストレスに襲われているときでも、ゼロから楽しい記憶を呼び戻さなくとも、意図的に作っておいたアンカーを使えば済むのです。

具体的な方法

具体的には、このようにしてみてください。

毎日数分、寝る前などの1人でいる時間を使って、楽しい記憶を思い出してください。できるだけ鮮明に、その時に抱いていた感情、その時に聞こえていた音、その時に見えていた景色を思い出します。

感情が最大限に高まったところで、普段やらないような手のジェスチャーをします。たとえば、右手で左の耳たぶを引っ張るなどがいいでしょう。それを何度も繰り返すうちに、脳がそのジェスチャーにポジティブな感情をアンカーしてくれます。

その状態になれば、もう怖いものはありません。ストレスを感じたら、逆の耳たぶを引っ張ればいいのです。すぐに、アンカーされた記憶に関係するエンドルフィンが放出され、リラクゼーションと喜びを感じることができるでしょう。そして、回復する時間を得られるはず。

騙されたと思って、ぜひお試しを!

How to Instantly Reduce Stress, According to Brain Scans | Inc.
Geoffrey James(訳:堀込泰三)

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