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「ホメオパシー」とは? その有効性に疑問が残る理由

「ホメオパシー」とは? その有効性に疑問が残る理由
Image: Alim Yakubov/shutterstock

エッセンシャルオイルも、ネティ・ポット(訳注:ヨガ式の鼻洗浄器)も、カイロプラクティックに通うこともホメオパシーではありません。「ホメオパシーとは主流医学以外の療法全般のこと」というおぼろげな理解のまま、そのすべてを軽蔑するつもりはありませんが、ホメオパシーは実は多くの方々が思っているよりはるかに奇異な存在です。

ホメオパシーは、家庭療法や代替療法といった、定義のあいまいな用語ではなく、昔から存在する、治療薬の特殊な調合方法を指します。

ホメオパシーの考え方とはこのようなものです。ある症状を治そうと思ったら、ホメオパシーの古典(via Free Materia Medica books)をめくって、同じ症状を起こし得る物質を探します。たとえば、花粉症で目がかゆかったら、目を刺激する作用のあるタマネギのエキスを選ぶ、といった具合です。

次に(ここからは、私がホメオパシー療法士だと仮定して書きます)、目のかゆみを治すレメディ(治療薬)を買うか、作るかします。それにはまず、タマネギのエキスを1滴水にたらし、科学的に振ります。次に、その溶液をまた1滴水にたらし、それを繰り返します。何度も繰り返していくと、タマネギの癒やしの波動がしみ込んだ「薬」が出来上がるのです。ここではっきりさせておきますが、この癒やしの波動なるものに物理的作用はなく、あくまでも想像上の効用です。

希釈を繰り返して出来上がったレメディには、もはやタマネギ・エキスはまったく残っていない状態です。しかしホメオパシー療法士に言わせれば、だからこそきわめて安全で、安心なのだそうです。たしかに、これで涙が出ることはないでしょう。ホメオパシー治療薬の元の成分にはかなり毒性の強いものもあるので、それが含まれていないのは安心です。

ただし、それは通常の場合です。FDAによると、致死量のベラドンナという活性成分が含まれたホメオパシーの生歯錠剤(赤ちゃんの歯がため用)が広く流通したことがあり、それによって10人の赤ちゃんが死亡した疑いがCNNにて報じられました。ただし、因果関係は明確に証明されていないようです。

また、「ホメオパシー~」「ホメオパシック~」とラベル表示されているにもかかわらず、活性成分をあえて残してある薬もあります。たとえば、あざや関節痛に作用するというホメオパシック・アルニケア・ジェルには、アルニカ・モンタナ(ウサギギク)という植物のエキスが相当量含まれています。その一方、同じ棚に陳列されているアルニケアの錠剤にはその成分は残っていません。

これは作り話ではありません。

このような売られ方はすべて合法的であり、ホメオパシックな「薬」は販売されています。ヒップスターの集まる地域の魔術用ハーブショップではなく、アメリカでは風邪薬の隣に普通に並んでいるのです。なにしろ、FDA(米食品医薬品局)がホメオパシーのレメディを医薬品として管理対象にしているという事実があります。

ホメオパシーのレメディは、無法地帯であるサプリメント市場ではなく、薬として位置付けられているのです。したがって、疾病に対する治療効果をラベルに明示することが許されて(というか、むしろ義務付けられて)います。

Wikipediaによると、ホメオパシーというカルトが始まったのは1700年代です。当時の、瀉血だとか、真に有毒で無意味な療法に比べれば、かなり理にかなった代替療法と考えられたでしょう。しかし、The New England Journal of Medicineによると、FDA が1962年に、医薬品に対して安全性と有効性の証明を求めるようになった際、あまり人気のなかったホメオパシーのレメディに対しては規則を適用しなかったのです。

しかし、現在ホメオパシーのビジネスは好況に沸いています。なぜなら、メーカーが安全な「医薬品」であるとうたい、疾病に対する治療効果を公然と表示することが許されているからです。ホメオパシーのレメディで、子どもの具合が良くなることはないと言えますが、(理論上は)安全であることから、親は気休めについ買ってしまうのです。

効果のほどはわかりませんが、花粉アレルギー症状にネティポットを試してみるのはかまいません。しかし、それらをホメオパシーのレメディと混同しないでください。ホメオパシーのレメディの有効性は、そうした代替療法よりはるかに低いのです。


What “Homeopathy" Is, And Why it's Useless | Lifehacker Vitals

Image: Alim Yakubov/shutterstock

Source: Free Materia Medica books, FDA, CNN, Arnicare for Pain Relief and Bruising, Wikipedia, The New England Journal of Medicine

Beth Skwarecki (原文/訳:和田美樹)

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