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「思考力」を上げるために意識したい、5つのパワーワード

「思考力」を上げるために意識したい、5つのパワーワード

コピー1枚とれなかったぼくの評価を1年で激変させた 7つの仕事術』(Shin著、ダイヤモンド社)の著者は、外資系コンサルティングファームにマネジャーとして勤務するという20代の若手コンサルタント。さまざまな国籍の部下を率いつつ、リーダーとして多くのプロジェクトを牽引しているのだそうです。

しかし、ほんの数年前まではろくに英語も話せず、コピー取りすらまともにできない落ちこぼれだったのだとか。退職を考えたこともあったものの、最後の気力を振り絞ってオリジナルの仕事術を考案し、逆境を乗り越えたのだといいます。

どれだけ頑張ってもうまくいかず、罵倒される日々——。次第にぼくはうつ状態に陥り、会社を数週間休むことになりました。(中略)このままではダメだ。でもどうすればいいのか…。数週間、ぼくはアレコレと考え、葛藤を続けました。そんな中、ある考えが浮かんできました。

「できる人のやり方を真似ていたからダメだったんだ。できない自分にもできる方法が、必ずほかにあるはずだ。(「はじめに」より)

そして会社に復帰して、そのメソッドを実践した結果、一転して高評価を勝ち取ることができたというのです。つまり本書は、落ちこぼれだった著者の評価をたった1年で激変させた、オリジナルな仕事術を明かしたもの。きょうは「思考力」に焦点を当てた第4章「『思考力』を上げよう 自分の頭で考えるために5つの『パワーワード』」を見てみましょう。

できる人は使っている 思考が深まる「5つの言葉」

著者は、「自分の頭で考えられる人」には共通点があることに気づいたそうです。それは、質問力の高さ。さらに、そんな人たちはみな(プロジェクトや専門が違っていたとしても)次のような5つの「共通の言葉」を使っているのだともいいます。

1. 具体的には?

2. 理想は?

3. そもそも

4. 一言でいうと

5. なぜそういえるのか?

(102ページより)

事実、著者自身も人の話を聞く際、この5つの言葉を頭に浮かべるようにした結果、自分の思考がどんどん深まっていく感覚を得られるようになったそうです。単純な質問を重ねていくだけでは、「次から次へと関連する疑問が湧き出てきて、思考がどんどん深まっていく」ということにはならないもの。自分の考えをどんどん深めていくには、適切な疑問を持つ必要があるということです。(100ページより)

パワーワード1:思考を一歩前に進める「具体的には?」

思考が深まらない原因のひとつは、「抽象的であいまい」なことを、あいまいなまま考えていること。抽象的な考えが頭のなかでグルグル回っているだけなので、「どうすればいいんだろう?」という単純な思考から一歩も前に進めないわけです。

そこで、「悩んでいる」状態を「考えている」状態にするためには、具体化することが重要。物事に対して「具体的には?」と疑問を持つことによって、どんどん思考を深めていくことができるということ。

たとえば、「菓子メーカー△△の和菓子の売上を上げる」という課題があれば、「具体的に△△の和菓子とはどんなものだろう?」と疑問を持つだけで、「何種類くらいあって、価格帯はどれくらいなのだろう? ターゲットは誰で、主力商品は何だろうか?売上がよい地域や悪い地域はあるのか? 主力製品のシェアは何パーセントくらいあるのだろう?」と、次から次へと関連する疑問が湧き出てきて、思考がどんどん深まっていきます。(104ページより)

そのように思考の癖をつけるだけで、それ以前とはくらべものにならないほど、深く自分の頭で考えられるようになるということです。(103ページより)

パワーワード2:思考の方向性を定める「理想は?」

また、具体的なゴールを描けていないことも、思考が深まらない原因のひとつ。そのため最終的に目指すべきところを明確にすることによって、「そこに向かってどう走ればいいのか」と自動的に思考がクリアになっていくといいます。

たとえば、「売上を上げる」と「1年で10%の売上を上げる」では、圧倒的に後者のほうがその手段を考えやすいのです。(105ページより)

与えられた課題などで、ゴールが抽象的な場合は、「理想は? どれくらい? いつまでに?」などと考え、まずはゴールを描くようにすべき。初めにこの言葉を思い浮かべると、思考の展開がまったく変わってくるそうです。(105ページより)

パワーワード3:思考の瞑想を止める「そもそも」

思考を深められないときは、思考が迷走している状態。たとえば「黒字化する」という課題があったとします。そんなとき「新商品をつくるべきではないか」「既存商品のてこ入れをするべきではないか」「人件費を削るべきではないか」などと思考が散らばってしまうと、頭が混乱し、なにが正しいかがわからなくなるもの。

これは、物事の本質をつかめていないことが原因。「なぜ、売上が下がっているのか」という本質を見ずに進めているため、適切に思考を深められないのです。このときに有効なのが、「そもそも」と考えること。課題に対して「そもそも、なぜ〜なのか」と本質を問うことで、適切な方向で思考を深められるわけです。

たとえば、そもそも売上が低迷しているのは、人材が足りずに増産できていないことが原因だとわかれば、「人件費を削ろう」という誤った方向には行きません。どう人材を確保し、生産を増やしていくかという適切な方向で、思考を深掘りしていけるのです。(106ページより)

また、考えが枝葉末節にいってしまい、同じようなところをグルグルしてしまったときにも、「そもそも」と原点に戻って考えなおすことが有効。なぜなら考え続けると、どうしても本質からズレていくことがあるから。

「そもそも主力商品の売上を伸ばすという手法でいいのか」「そもそもクライアントの強みとはなにか?」「そもそもの目的はなんだったか」など、改めて本質から問いなおすことによって、考えを広げたり、適切な方向に考えを戻すことができるということです。(106ページより)

パワーワード4:思考を整理する「一言でいうと?」

多数の情報や考えが散在している場合、それをうまく頭のなかで整理できないと、当然ながら思考を深掘りすることは不可能です。

たとえば、ある大手スーパーのクライアントから次の要望を聞き出したとします。


・ 野菜の売上を増やしたい。なかでもキャベツの売上を伸ばしたい

・ 競合のA社はきゅうりが安い。きゅうりの仕入れ値ではA社に勝てない

・ 今後、ニンジンが安く仕入れられるようになる


これらの情報を整理せず、あなたは解決法を思考していけるでしょうか。きっと難しいと思います。

このとき、次の段階に思考を展開させていくには、散在した情報を一度まとめる必要があります。(108ページより)

こういうとき、次の段階に思考を展開していくためには、散在した情報を一度まとめることが必要。上記のケースでいえば、クライアントの要望は「キャベツ、ニンジンを軸として、野菜の売上を伸ばしていきたい」と整理することができます。このように一言でまとめると、「次にどうすべきか」を考えやすくなるということ。

会議や資料作成時など情報が散在しているときは、いったん主要なメッセージをつかむため、「一言でいうと?」と考え、情報を整理してみるといいそうです。

・ この提案書で伝えたいことを一言でいうとなんだろう?

・ クライアントの要件を一言でまとめるとなんになるだろう?

・ この本のメッセージを一言でまとめると?

というように主要なメッセージをつかむことで、頭が整理されて考えやすくなります。この考え方は、打ち合わせなどで参加者の意見を整理する際にも力を発揮するといいます。(107ページより)

パワーワード5. 思考の質を高める「なぜそういえるのか?」

「なぜそういえるのか?」と考えると、より高いレベルに思考を導くことが可能に。たとえば先の菓子メーカーの課題で、「和菓子Aの売上を伸ばすのが効率的だ」という仮説に行き着いたとしましょう。

「和菓子Aの売上を伸ばすのが効率的だ」

「なぜそう言えるのか?」

「和菓子Aが属するカテゴリの市場規模が最も大きく、かつ最近5年の成長率も高いから。また、自社が過去に開発してきた技術が即座に転用でき、競合他社に勝てる可能性も高いと考えられるから」

(110ページより)

このように問いかけ、その質問に答えることができれば、上司やクライアントを説得できるレベルにまで思考を深めることができるということです。(110ページより)


著者が考案した仕事術は、どれも実践的。決して難しいものではないので、多くの人のあらゆるシチュエーションに応用できそうです。

印南敦史

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