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配属された場所で咲くより、咲く場所を自分で変える理由

配属された場所で咲くより、咲く場所を自分で変える理由

会社に勤めていると、所属や役割を選べる自由がなかったりします。基本的にキャリアの領域の多くは会社の判断で左右されます。私たちのキャリアは自分で計画的に積み上げるというより、会社の意向により配属された部署で、与えられた役割や仕事を一生懸命に取り組んでいくことで道が開けます。

特に、会社で優秀な人を見ていると、会社から「配属された場所」に不平不満を言うより、それを運命だと思って必死にがんばっていくことで、自分の道が見つかり、同士とめぐり会い、仕事の使命を果たしています。そうすることで、人間としても、スキルでも、幅と奥行きが生み出され成長していくのです。

古川武士(ふるかわ たけし)/習慣化コンサルタント

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関西大学卒業後、日立製作所などを経て2006年に独立。約3万人のビジネスパーソンの育成と約500人の個人コンサルティングの現場から「続ける習慣」が最も重要なテーマと考え、オリジナルの習慣化理論・技術をもとに個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を行っている。主な著書に「続ける習慣」「やめる習慣」「早起きの技術」などがあり、全16冊、計70万部を超え、中国・韓国・台湾など海外でも広く翻訳され読まれている。公式サイト

しかし、「配属された場所で咲く」ことは一面的には真実でありながらも、次のようなときには、私なら「咲く場所を自分で選ぶ」ことをおすすめします。

「10年働いてきたけど、上司やその上を見ていくと、どうも自分の働き方の理想とは違う気がする」

「必死に苦手を克服するべく、努力して成果も残せたが、自分の能力や才能を生かす道はほかにある気がする」

この悩みに対して、私ならそれでも「配属された場所で咲きなさい」とアドバイスはしません。咲く場所を変えることも1つの観点としてコーチングします。

配属された場所で一生懸命がんばることで好循環が生まれますが、私のコンサルティング経験を振り返ると、咲く場所を変える、自分で選ぶことで、10倍速で、輝きを増し、キャリアストーリーを構築できるのも事実です。

できるビジネスパーソンは、咲く場所を見つけている?

私が知っている、好きなことを仕事にしている人の8割は、キャリアにおいて自分の咲く場所を見つけて、転職や独立をしています。自分の才能や能力、心が求めるやりがいのために、会社を変える、職種を変える、独立をすることは、自身の大きな飛躍のチャンスになります。もちろん、その見極めは、本人も他人から見ても非常に難しいものです。「もしかしたら逃げているだけではないか?」「ありもしない才能を探しているだけではないか?」という疑念も湧いてくるかもしれません。

ただ、3〜10年、自分で決めたわけではない場所で一生懸命に取り組み、咲いた後に、自らの咲く場所を変える選択は、長いビジネスキャリアを過ごす上で大切な決断ではないかと思います。咲く場所を変えることで道が開けた1つの参考として、いささか僭越ながら私の例を紹介したいと思います。

不安があっても向上心があれば、魂で喜びを感じることができる

私は営業職から社会人をスタートしました。確かに、営業職は私の能力や欲求に合っていた部分が多く、毎年求められる以上の目標達成ができました。達成したり競争に勝つことが、心を満たしてくれたのは間違いありません。しかし、「営業道を極めて、その道のプロとして生きていく」という選択は、私の根本にある魂の叫びとズレていることに気づきはじめました。営業をはじめて7年目のことです。

私は結果的に独立する生き方を選択。習慣化を通じて人生を変えるというミッションを基に、独自の習慣化メソッドで講演や作家、コンサルティング業を営む道を歩みました。当初は、悪戦苦闘の連続でしたが、魂が喜んでいる感覚を強く感じました。どんな時でも、新しい本やメソッドづくりを着想しているときは、喜びで生活・人生が満たされています。この魂レベルの充実は、私なりに「咲く場所を変えた」からだと思っています。

会社を辞めるときには、上司から「世の中、そんなに甘くない」「好きなことをやって生きていくほど若くない」と言われました。確かに大企業に残って生きていく道は世間的にはいいかもしれませんが、私がもっと輝いて咲ける場所は、「ここではない、違う場所がある」という確信がありました。29歳なら、まだ遅いなんてことはない。「向上心をむき出して、死ぬ気でやれば大丈夫」と自分を信じて、ほぼノープラン、ノーマネーで会社を飛び出し独立しました。

大企業という巨大戦艦から飛び降りて、必死に泳いで、なんとか10年やってきました。今の自分なりに見つけた最高の咲く場所で、次はどんな花を咲かせようかなとワクワクしています。

経営コンサルタントの 大前研一さんがテレビ番組で次のような趣旨の話をされていたのが印象的でした。

人生65歳まで好きではないことをやり続けるのは長すぎる。40歳まで一生懸命やっても、ふと気づくと残りの時間がまだ25年もある。この25年間は耐えられない長さだ。人生は自分で選ばなければ、時間が余るようになっている。

この意見は、私が多くの人のコーチングをしていても本当に同意するところです。40歳を超えて、自分の働き方を変えたいと相談に来る方が非常に多いのです。逆に、好きなことをやれば、90歳まで現役、生涯現役でいたいという気持ちになれます。この違いは、超高齢化社会で100歳まで寿命が伸びるかもしれない人生においては、人生の豊かさ、将来への希望・幸福に大きな違いをもたらします。

いずれにしても、目の前の仕事を好きなるという選択も含めて、やりたいこと、好きなことを仕事にしていることはとても重要なことだと思います。

(文/古川武士)

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