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旅行特集─2017年、夏

猛暑の夏は、ゆる〜く「ぬる湯温泉」で自然を満喫する

猛暑の夏は、ゆる〜く「ぬる湯温泉」で自然を満喫する
目の前に雲海が広がることもある「ランプの宿 高峰温泉」の野天風呂

忙しさや天候の変化に振りまわされて「最近、疲れがとれない」というあなた、この夏は「ぬる湯温泉」で心身ともにリフレッシュしませんか?

「ぬる湯温泉」とは、熱くもなく冷たくもない“不感温度”の湯が楽しめる温泉のこと。普段より長めに湯に浸かることができるので、自然の景観が広がる温泉をセレクトすれば、解放感と安らぎにじんわりと包まれて、至福の時間が過ごせるわけです。

そこで、この夏オススメの「ぬる湯温泉」を、年間200日以上も国内外の取材をしている旅ジャーナリストで、温泉ソムリエアンバサダーでもある、のかたあきこさんに選んでもらいました。

のかたあきこ/旅ジャーナリスト

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旅行読売出版社編集部を経て2002年独立。旅と温泉と地域活性をテーマに、全国各地を年間200日取材。これまでに、『大人の隠れ宿』『部屋つき露天』『日本の名宿』『和の隠れ宿』『日本の楽園旅館』などの本を制作。現在、旅美人SPECIAL編集長、温泉ソムリエアンバサダー、テレビ東京「厳選いい宿」推進メンバーなどを務めている。公式サイト

雲上の秘湯! ぬる湯とあつ湯の交互浴でストレスを一気に解消

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野天風呂だけでなく、2階にある展望檜風呂からも絶景を望むことができます

「ぬる湯」の魅力は自律神経の副交感神経を刺激して、リラックス効果を高めることが期待できることです。ここでは、自家源泉を掛け流している泉質が自慢で、成分が濃く、自然環境も抜群の「ぬる湯温泉」を選んでみました。

長野県小諸市にある「ランプの宿 高峰温泉」は、中央アルプスを見渡す標高約2000mにあり、“雲上の野天風呂”で知られる人気の旅館です。

「ぬる湯」は一般的に36℃前後が多く、こちらの温泉も湯温は約35℃で、泉質は白く濁った硫黄・カルシウム・ナトリウムを含んだ硫酸塩温泉。屋内外の温泉からは、眼下に高峯渓谷を見下ろし、目の前にはアルプスの山々を望むパノラマが広がるなど、自然と一体になった気分で、心身がリセットされるはずです。

「ぬるめの源泉にゆっくり浸かると、ストレスや胃腸、肥満などに効果が期待できます」と教えてくれたのは、4代目主人の後藤英男さん。ご主人のこだわりは、ぬる湯浴槽のすぐ隣に加温浴槽を設けていること。低温と高温の交互浴をすることで、自律神経やカラダのコリを整える作用に役立つからだと言います。

宿では野鳥教室や温泉療養講座、星の観望会を毎日無料で行っています。山の大自然にどっぷり身を委ねることで、五感も刺激され、元気になりますよ!

ケーブルカーで行く、谷底のぬる湯露天で、肌をツルツルに

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露天風呂「渓谷の湯」。2つある露天風呂は、1日交代で男女が入れ替わります

次は、徳島県三好市の祖谷(いや)渓谷にある「和(な)の宿 ホテル祖谷温泉」です。カエデやナラといった紅葉樹林の山肌に沿って本館と別館があり、谷底にある露天風呂へは、日本三大秘境の景観を楽しみながら専用ケーブルカーで向かいます。

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約170m下にある男女別の露天風呂までは約5分。豊富な湯量が自噴しています

湯温は約39度。渓谷のパノラマが広がる男女別の露天風呂と、貸し切り露天風呂は源泉掛け流し。泉質はナトリウム・炭酸水素・硫黄などを含むアルカリ性単純硫黄泉で、トロリとした肌心地を感じながら、炭酸の気泡に全身が包まれ湯が浸透することから“美肌の湯”として知られています。秘湯の一軒宿ですが、露天風呂近くには、流れる川のせせらぎを聞きながらくつろげるテラス席があり、展望風呂付きの客室やプライベートテラスがあるスイートルームなど、施設も充実しています。

渓流のほとりにある、天然洞窟風呂でゆるりと湯浴みを

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川のせせらぎと風を感じながら、ぬる湯温泉でたっぷりくつろぐ

3つめは、大分県九重町の「壁湯温泉 旅館 福元屋」です。温泉名にあるように、洞窟の壁から温泉が自噴しているのが特長の温泉宿。岩盤をそのまま湯船にした川沿いの洞窟露天風呂は混浴ですが、女性には無料の湯浴み着が用意され、ほかにも、女性専用の洞窟風呂や河原にある夏限定の湯などもあります。泉質は単純温泉で、湯温は39℃。肌に優しい湯で長湯を楽しみましょう。

宿は昔懐かしい日本家屋で、ほとんどが川に面している客室は全8室。川面を眺めながら、ご主人の岐部榮作さんが育てたお米と天然の温泉水、地元の幸を素材に、女将さんが手づくりした田舎料理を味わい、心が和む時間を過ごしてみたいですね。

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地元の旬の素材をふんだんに生かした田舎料理の数々

「ぬる湯温泉」は癒やしの女神!明日への活力を

以上、いかがでしたか。最後に、「ぬる湯」は温泉療法医のお墨付きというお話を。お仕事などでお世話になっている医学博士、早坂信哉先生の著書『たった1℃が体を変える』(KADOKAWA刊)によると、

「ぬるい湯は、副交感神経が刺激されて心身がリラックスし、血圧は下がり、汗もかかず、筋肉もゆるみます。反面、胃腸は活発に働き、消化がよくなります」とあります。

また、平成26年に改訂された「鉱泉分析法指針」では、温泉の適応症に「自立神経不安定症」「ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態)」が加わりました。温泉は心身に効果的と認められたと言えるのではないでしょうか。

忙しい人こそ、のんびりと「ぬる湯温泉」へ。リフレッシュしてストレスを軽減。明日へのパワーチャージに、健康増進に、ぜひお役立てください。

(文・写真/のかたあきこ)

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