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頭の中で考えるだけで実行しない「アイデア負債」をスッキリさせる方法

頭の中で考えるだけで実行しない「アイデア負債」をスッキリさせる方法

“アイデア負債”というのは、再考し続けて終わることのない、もしくは始めることのないアイデアの山のことです。頭のなかでは本や、アプリや、ビジネスや、プロジェクトに成長しても、実現はしません。実際にやっているプロジェクトよりもはるかに素晴らしいもののように思えて、現実に失望や妥協を感じます。脚本家のCraig Mazinは「世界で一番ワクワクする脚本は、これから自分が書く脚本だ。まったくワクワクしない脚本は、自分が80ページまで書いた脚本だ」と言っています。つまり、アイデア負債は転移し、現実のプロジェクトを続けたり、そこに留まるよう脅すので、時間が経ち過ぎてアイデア負債となるのです。

金銭的な負債のように、うまく管理できる小さなアイデア負債であれば健全です。アイデアをじっくり検討したり、後々のために資料をつくったり、よりクリエイティブな選択肢を自分に与えるのは良いです。しかし、負債は借金ですから、いつかは返さなければなりません。ありがたいことに債権者は自分なので、返すにしてもたくさんの選択肢があります。

1. 今すぐやる

大きなアイデアを1つ選びます。それをどれくらいまで小さくすることができますか? 実行可能な一番小さなプロジェクトはどんなものですか? 1日でできるようなものになるまでアイデアを小さくして、それをやってみます。完璧でなくても、うまくなくてもいいのです。ただやり終えましょう。今度は、現実的な実際にやり終えたバージョンではなく、そのアイデアの大きな美しい正式バージョンを夢見てください。大きな正式バージョンよりも、実現(実存)することの方がどれだけ勝っているかを考えます。

2016年のBrain Crackの動画の中で、Ze Frankは実現していない自分のアイデアを「キラキラしてバラの花びらと一緒に美しいお皿の上に載っている」と想像しました。おかしな妄想に夢中にならないようにするために、Frankは「どんなに良くないものでもアイデアが浮かんだら、できるだけ早く実際にやってみようとする」と言っています。

Brain Crackというのは、即興の歌やスピーチなどであふれているFrankの日々のビデオブログ「The Show」のエピソードのひとつです。アイデアを量産することでFrankは短時間動画で成功し、2012年に「BuzzFeed Motion Pictures」の社長となりました。

2. 現在のプロジェクトに入れる

漫画家のRyan Northはたくさんのアイデアを持っており、Web漫画サイト「Dinosaur Comics」で週に3つ漫画を描くような忙しさの合間に、それをすべてやる時間はありません。しかし、その問題自体がそれを解決したとNorthは言います。「大変そうなアイデアが浮かぶこともよくあるけど、そしたらかゆいところを掻くみたいに、漫画の中でT-Rexにアイデアを説明させるんだよ(うまくいけば大抵漫画のオチで)」。

Northは、突飛なアイデアをよく登場する架空のキャラクター小説家Kilgore Troutに言わせていた、小説家カート・ヴォネガットを引き合いに出しています。ヴォネガットはTroutを通して「今後小説を書かなくて済むように、今50の小説を要約したとして、それを人々に読んでもらったらどうなるだろうと考える」と言っていました。

このやり方の素晴らしいところは、いつでも後でアイデアを広げることができるというところです。あるDinosaur Comicsの漫画では、King MidasのうちのSFのエピソードが、漫画シリーズ「The Midas Flesh」になりました。人の死因を正確に予測する機械のことを描いた漫画は、「Machine of Death」と「This Is How You Die」という2つの話を生み出しました。

3. 手放す

アイデア負債の間違った魅力の長所は、アイデアがとても良く、とても価値があるように思えるので、自分でなくても誰かにやって欲しいと思うことです。したがって、自分のアイデアを仲の良い人にあげましょう。

一番簡単なのは、自分のアイデアをツイートしたり、ブログに書いたり、Instagramで紹介することです。本当に良いアイデアであれば、誰かがやろうとするでしょう。もしくは、自由にアイデア交換をする掲示板などに書き込みましょう。

この方法には大きな原則が1つだけあります。アイデアを“本当にあげなければならない”ということです。つまり、売ったり、貸したり、何らかのかたちで自分が関わったりしないということです。

誰もあなたにお金を払ってくれません。小説家のニール・ゲイマンは、(彼がいつも丁重にお断りしている)同じオファーを受けているすべての作家にこのように言っています。「アイデアを話し(少し大変そうに)、あなたがそれを書いて小説にして(少し簡単そうに)、2人でお金を半々に分けないかと言われるだろう」。

ビジネスアイデアも同じように売れないものです。投資家のTim Berryは「現実的なアイデアを持っている現実的な人たちがそのアイデアから価値を得る方法は、そのアイデアを実行するために会社を起こすことです」と言っています。特許庁が登録しない限り、そのアイデアは無価値です。つまり、大学の同級生相手につぶやくみたいに、専門家に自分のアイデアを渡さないようにしましょう。アイデアが外に出てしまえば、それを求めている専門家がいれば、見つけ出すはずです。

最近、私は古い物語のアイデアをツイッターに放出しました。豊かで発展しきった仕事のように、あまりにも早くそのアイデアがなくなったことに驚きました。また、その話を書く許可を私に求めるメールを送ってきた人が、実際にフィクションのポッドキャストを世に出した時も驚きました。(もちろん私はタダでそのアイデアをあげたので、もはや私のアイデアではありませんが)そのような反応がなくても、いいねやリプライがあるだけでも満足でした。

あなたのアイデア負債で誰かが負担に思うかもしれないという心配はしないでください。ゼロサム・ゲームのようなものではありません。誰かにアイデアを渡してしまったら、プレッシャーが少しずつ減るのを感じるはずです。しかし、新しいアイデア所有者が同じような負担を感じるわけではありません。自分が執着していたのと同じくらい、相手がそのアイデアに執着することはありません。

4. 捨てる

上記のどれもできず残ったアイデアも、まだ良く見えているかもしれません。しかし、ほとんどの場合、そのようなアイデアが実現することはありません。それでいいのです! ペットや子どものように感じているかもしれませんが、アイデアはそういうものではありません。捨ててしまうのが健全です。アイデア負債が巨大でない場合は、そのままにしておきましょう。しかし、巨大になってしまったり、頭の中から消してしまいたい場合は、漫画家であり作家でもあるJessica Abelのアドバイスを参考にして、すべて捨ててしまってください。

古いアイデアがすべて消されてしまうと思って怯えているかもしれませんが、そうではなく大きな意思表示をするだけです。すべてを一度に発表するのです。それぞれのアイデアについて少し話したり、生データを公開したりするのです。

作家でありコンサルタントのJohn Sextonは、未完のアイデアをすべて、巨大な投稿「The Pile of Old Ideas -- Volume 1」としてMediumに書き出しました。「脳は究極のVRデバイスだ」「コメディの敵」「美術の分類」など、魅力的なアイデアの数珠つなぎのようでした。残念ながらSextonはどれも実現できていませんが、さらなるアイデアがいつも浮かんでいます。

Sextonに刺激を受けて、「Boing Boing」の編集者のRob Beschizzaは「Killing my unfinished game dev projects」で実現できなかったゲームのアイデア24個を書き出しました。DNAを元にしたパズルゲームや、レーニンの晩年をシミュレーションするゲームなど、面白いアイデアもあります。Beschizzaは「アイデアは大したものじゃない。欲しいなら持っていってください。安全なところから応援しています!」と書いていました。

このやり方には感動と喜びがあります。これこそがあなたの最高傑作です! アイデアを捨てることが新しいアイデアなのです! それでも、これを1〜2日でやってしまわなければなりません。捨てたアイデアがすべてうまくいくことを想像して、それからそのアイデアを捨てるというようなことはしないでください。そんなこじらせ方をしていると、アイデア負債の利子が上がります。

5. 計画を立てる

すべてのアイデアを捨てるわけではありません。取っておいたり、実行したりする価値のあるアイデアもあります。しかし、すべてを捨ててしまった今は、また始めなければなりません。計画を立てる必要があります。

数年前、私はシリコンバレーのテレビ番組に専念し、終わらせると決めました。スケジュールを組み、毎日その仕事をして、最終的に2つのシリーズを書き上げました。それを取っておいて、1カ月後にその書き上げたものを見ると……悪くはないのですが、素晴らしくもなく、修正する価値もないと感じました。

何十年も、このアイデアが自分の最高の仕事になると夢見て、やっとそれを試してみました。たとえ、それが間違っていたことがわかったとしても、それは成功だったと思います。頭の中の一部がスッキリしました。私は、このシリーズとEvernoteの巨大ファイルを保管しました。そして次のプロジェクトへと進みました。

Nick Douglas(原文/訳:的野裕子)

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