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眠っているときに最高の体験ができる?「明晰夢」を実際に見てみよう

眠っているときに最高の体験ができる?「明晰夢」を実際に見てみよう

普通の夢は、乗ろうと思っていたわけではない遊園地のアトラクションのようなものが多いです。レールに沿って進み、周りには本物のように見える変な物があり、自分の身に起こることはすべて経験しなければなりません。反応することはできるかもしれませんが、好むと好まざるとにかかわらず、そのアトラクションから降りることはできません。

一方、明晰夢というのは、自分でつくった遊園地で遊び回るようなものです。行きたいところに行けるだけでなく、好きなことをすることができます。明晰夢は自分の世界なのです。基本的に、完全な明晰夢というのは、完璧に自分でコントロールできる夢です。スーパーヒーローみたいに空を飛びたければ、飛ぶことができます。私は飛んだことがあります。いじめっ子と対峙しても怖い思いはしたくなければ、まったく怖くありません。夢みたいに美しい人とロマンチックな関係になりたかったら、間違いなくそうなれます。毎晩寝床につく時に、一番途方もない幻想の世界を生きることを想像してください。そうすると、目が覚めても十分休めてリフレッシュできた感じがします。これが明晰夢です。

明晰夢を見てみたいとちょっと思っったのでは? しかし、素晴らしいものがそうであるように、明晰夢を見るには、ある程度の忍耐と努力が必要です。長い時間をかけて、徐々に夢のステージを見極め、レム睡眠のステージを自分の意志に沿わせられるようになります。まず最初は、今の自分がいる、異なる意識の状態に注意を向けなければなりません。

今回から「ライフハッカー・明晰夢ワークショップ」を何回かに分けてお届けしたいと思います。

そもそも夢とは何か?

夢とは何なのか、専門家同士でも正確に一致する意見はありません。夢は脳が問題を解決しているとか、起きている時の感情を処理していると言う人もいれば、脳が取り込もうとしている記憶データの集積にすぎないと言う人もいます。しかし、おそらくもっとも簡単な定義は、夢は脳が存在していることを知る方法だということです。

覚醒状態の脳は、情報を処理している間も絶え間なく外部からの刺激を受け、やるべきことがたくさんあります。しかし、眠っている時は、取捨選択するような刺激はとても少ないです。知覚するものがない時、脳は通常機能をメンテナンスし、明晰さを保つために調整をします。

私たちは、夢を見る理由はわからないかもしれませんが、夢を見ていることは知っています。夜、適切に休息ができている時、人間は睡眠の4つのステージを体験します。

  • ノンレム睡眠1(N1):「非REM眼球運動1」や「浅い眠り」とも言われているものです。体温、心拍数、呼吸数、エネルギー使用、すべてが全体的に減少します。筋肉はまだ活動しており、周囲の刺激に対して反応することもできます。基本的には眠りに落ちつつある状態です。
  • ノンレム睡眠2(N2):深い睡眠に向かっている状態です。目が覚めにくく、周囲のことに気付く意識がなくなります。このステージが睡眠時間の約半分を占めています。
  • ノンレム睡眠3(N3):深い睡眠、もしくは「徐波睡眠」と言われています。周囲の刺激に対してほとんど何の反応もしません。睡眠の最も休息できている状態で、睡眠時間の約4分の1を占めています。このステージが4番目のステージにつながっており、4番目のステージの一部とし考えられていることもあります。
  • レム睡眠(急速眼球運動):「夢を見ている状態」だと言われています。筋肉は麻痺し、呼吸や心拍数は不規則になります。レム睡眠の本来の機能はわかっていませんが、レム睡眠がないと、複雑なタスクを学習する能力が損なわれます。このステージは睡眠時間の約4分の1を占めています。

毎晩、N1→N2→N3→N2→レムの順番で、このサイクルを3〜4回繰り返しています。レム睡眠のステージでは、夢をもっとも鮮明に記憶しており、約90分間このステージを体験します。

明晰夢を見るために「現在の意識の状態をもっと意識」してみよう

夢の中の世界を意識するのは、夢の世界は一貫性がないということを除いて、今この文章を読んでいる時に感じていることを意識するのとは違います。例えば、今この瞬間にブラウザの戻るボタンをクリックしたとして、それからまた次へボタンをクリックすると、結局またこのページに戻ります。夢を見ている状態では、戻るボタンをクリックして、次へボタンをクリックすると、違うページに行ったり、ヨットの上に行ったりします。夢には一貫性がありません。一貫性がないことに気付くことが、夢を見ていることに気付く一番簡単な方法のひとつであり、明晰夢を見るための最初の一歩です。

しかし、夢の中で明晰な状態がどのような感じかを本当に理解するには、現実世界で明晰な状態がどのような感じかを、より理解していなければなりません。この練習は、Stephen LaBerge博士とHoward Rheingoldの著書「Exploring the World of Lucid Dreaming」に載っていたもので、明晰夢を見るための最初の課題です。1日1回は以下の練習をすべてやってください。

  • 見る:自分が見ているものに意識的になります。形、色、動き、次元、目に見える世界全体の、豊かな変化や鮮明な印象に気付いてください。
  • 聞く:自分の聞いているものに意識的になります。耳に聞こえてきた様々な音に気付いてください。色々な強弱、ピッチ、音質、ありふれた会話にある奇跡や、音楽の素晴らしさなども含みます。
  • 感じる:自分が触れたものに意識的になります。質感(なめらか、粗い、乾燥している、ベタベタしている、湿っているなど)、重み(重い、軽い、固い、空っぽな感じなど)、温度などです。また、今自分の体はどのような感じがするか、疲れているのか、力がみなぎっているのか、硬いのか、柔軟なのか、痛いのか、快適なのかなど、他の時との感じ方の違いを比べてください。
  • 味わう:自分が味わったものに意識的になります。たくさんの種類の食べ物や物質を味わったり、その味を思い出したり、鮮やかに想像したりしましょう。
  • 匂う:自分が匂いを嗅いだものに意識的になります。温かい体、地球、お香、煙、香水、コーヒー、タマネギ、アルコール、海などの香りを、できるだけたくさん思い出したり、想像したりしましょう。
  • 呼吸:自分の呼吸を意識します。この練習をしながら、50回息を吸ったり吐いたりしていたとしても、一瞬前の自分の呼吸は意識していなかったと思います。息を吸って、数秒間息を止めて、吐き出します。今度は深呼吸をします。呼吸を意識することで、意図的に変えられることに気付きます。
  • 感情:自分の感情を意識します。怒りと喜びの違い、穏やかな時と興奮している時の違い、感じたいと思う感情をできるだけたくさん思い出してみてください。どのくらいリアルに感じますか?
  • 思考:自分の思考を意識します。この練習をしている間は、どのようなことを考えていましたか? 今は何を考えていますか? どのくらいリアルに思考を感じますか?

立ち止まって、このようなことをじっくりと考えたり、書き留めたりしてみましょう。四六時中、このような感覚を使い、このような経験をしていますが、どれくらいそのことを本当に意識しているでしょうか? 自分の感覚や感性と同調できればできるほど、夢を見ている状態でも、そのような感覚や感性をツールとして楽に使えるようになります。結局のところ、潮風の香りや、砂浜の感触、水平線の光の色、そこでどれくらい幸せな気分でリラックスをしていたかを、ありありと思い出すことができなければ、心地よい夕暮れのビーチを呼び出すことはできません。

これが一度できるようになると、次は最後の2つのステップに移ります。

  • :自分の世界には常に自分がいるという事実に意識的になります。アメリカの心理学者ウィリアム・ジェームズは「自分が見て、自分が聞いて、自分が感じて、自分が考えている、それが経験の基本的な事実だ」と言っています。自分が見て、聞いて、感じて、思っていることは、自分自身ではなく、自分がそのような経験をしているのです。一番基本的なことですが、自分は知覚している者です。多次元の経験の宇宙の中心には常に自分がいますが、常に自分の存在を意識していません。次の違いを感じる練習を少し繰り返してください。自分の経験の様々な側面それぞれに同時に意識を向け、それを意識している自分というものを意識します。(「私が光を見ている…」)
  • 意識の意識:最後に、自分の意識に意識的になります。普通は、意識は自分の外にあるものを意識しますが、意識自体を意識することもできます。経験は言葉では適切に表現できないことがあります。

おめでとうございます。これで明晰夢を見るための最初のステップは終わりです。次回は、明晰夢のさまざまなメリットについて見ていきましょう。ちょっとした危険もあります。夢の記憶を構築することの重要性についても話します。新しい課題もあります。

Patrick Allan(原文/訳:的野裕子)

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