フィジーで1年の海外育休生活。南の島で「育休」してみませんか?
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私は10年前(2007年)にフィジーへ移住し、現在、日本人の妻(専業主婦)と息子(2歳2カ月)と3人でフィジー暮らしを満喫しています。
フィジーで育児(出産もフィジー)をしていて、この国は非常に子育てに向いていると感じています。
フィジーでは助け合うのが当たり前です。
奥さんが息子と2人でカフェやレストランに行けば、接客スタッフたちが楽しそうに息子の面倒をみてくれます。息子を担ぎながら、他のお客さんのオーダーを取っていきます。
また、ご近所さんとも協力しあって子育てするのが普通なので、隣近所に息子を預けてお出かけすることもありますし、逆に預かってあげることもよくあります。世界一フレンドリーとも言われるフィジーでは、日本のように「公園デビュー」に神経をすり減らすこともありません。
加えて、フィジーは公用語が英語であり、フィジーの人たちは易しい単語でゆっくり話してくれるので、他の英語圏に比べてコミュニケーションも大きな問題にはなりません。
そんなフィジーで、日本の育休制度を活用し、1年間の「南国育休生活」を送ってみるのはいかがでしょう?
今回、1つのモデルケースでシミュレーションしてみました。
フィジー育休1年間の収支内訳
とある夫婦に「第二子」が生まれ、夫婦2人と子供2人(0歳と3歳)の家族4人でフィジーで1年間過ごすとして、ざっくりと収支はどうなるのかを見ていきましょう。
1. 収入
フィジー滞在中であっても、児童手当と育児休業給付金は受け取ることができます。
(1) 児童手当
0歳児は、1.5万円/月 × 12カ月 = 18万円
3歳児は、1.0万円/月 × 12カ月 = 12万円
合計:30万円
(2) 育児休業給付金
共働き家庭で、ともに月収が20万円だったと仮定して。
・育児休業開始から180日まで、
20万円/月 × 67% × 6カ月 × 2人 = 160.8万円
・育児休業開始から181日後以降は、
20万円/月 × 50% × 6カ月 × 2人 = 120万円
合計:280.8万円
(1)と(2)を足すと、310.8万円になります。
2. 支出
支出額は、渡航費用と現地生活費に分けて考えてみましょう。
現地生活費
(1) 家賃 [2LDK] 48万円(= 4万円/月 × 12カ月)
(2) 食費 36万円(= 3万円/月 × 12カ月)
(3) 光熱費 2.4万円(= 2千円/月 × 12カ月)
(4) 交際費 60万円(= 5万円/月 × 12カ月)
(5) インターネット・携帯代 3万円(2.5千円/月 × 12カ月)
(1)〜(5)までを合計すると、149.4万円になります。
渡航費用
(6) 航空券 [日本・フィジー往復] 42.5万円(1年オープン/4人分)
(7) 航空券 [フィジー・オークランド(ニュージーランド)往復] 12万円(4人分)
・観光ビザの関係上、一度、他国へ出国することが必要です。ニュージーランドを例にしていますが、他の周辺国(オーストラリア、ニューカレドニア、サモア、トンガ、ツバル、バヌアツ、ソロモン諸島、ナウル等)でも構いません。
(8) 観光ビザ延長費用 4.8万円(= 6千円/人 × 4人 × 2回)<注1>
(6)〜(8)までを合計すると、59.3万円になります。
(1)〜(8)までを足し算し、支出額の総額を出すと、208.7万円になります。
「収入総額」から「支出総額」を引き算すると、まだ102.1万円が貯金として残っています。<注2>

3. 家政婦・ベビーシッター
フィジーの最低賃金(時給)は約140円です。人件費は安いため、家政婦やベビーシッターを雇って、掃除・洗濯・料理などの家事をお願いすることも可能です。
フルタイムの週5日間で1年間、時給200円で家政婦を1人を雇うとすると、41.6万円(= 200円/時 × 8時間 × 5日/週 × 52週間)となります。
月に約3.5万円の出費で雇えてしまいます。日本だと20万はかかるでしょう。
102.1万円の貯金から家政婦費用(41.6万円)を差し引いたとしても、まだ60.5万円が残ります。

4. インターナショナル・スクールへの通学
残った60万の使い道として提案したいのは、3歳児への教育投資です。
日本だと、年間200万程度かかるインターナショナル・スクール(プリスクール)ですが、フィジー(3歳児の場合)では、約50万と格安です!
私が住む「ナンディ」という街にあるインターナショナル・スクールには、世界16カ国からの子供たち(約220人)が通っています。フィジー人は全生徒の25〜30%程度で、日本人は現在4人です。
フィジーのインターナショナル・スクールについては、Part2の記事で詳しく書きたいと思います。
5. 最後に
日本では、女性の育休取得率は「81.5%」ですが、男性の育休取得率はたった「2.65%」(厚労省2015年度)。2020年度までに「13%」に引き上げるという政府目標がありますが、非常に厳しい現状です。
男性が育休を取得したくなるような魅力的なプランがあれば、状況は好転していく可能性があります。「南国フィジー育休」がそのプランの1つになるかどうかは分かりませんが、もしフィジーで育児をする機会があれば、下写真のような「子供を何人も育ててきたオバちゃんたち」がきっといろいろとサポートしてくれることでしょう。
長い人生の中で半年や1年くらい、南の島でのんびりと、家族みんなで過ごすのもいいんじゃないかな、って私は思います。

永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)|Facebook

【参考】
↓拙著『世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論』(いろは出版)
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<注1> 入国後4カ月までは手続きなしで滞在可能です。その後2カ月間の滞在延長は手続きが必要(約6千円)。一度出国してからフィジーに再入国し、また4カ月までは手続きが必要なし。その後2カ月間の滞在延長は手続きが必要(約6千円)。
<注2> 海外旅行保険の費用は含まれていません。育休中は健康保険料の支払いが免除されますが、国内・国外ともに健康保険は有効です。また、厚生年金の支払いも免除されます(要申請)。
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