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「優先順位付け」が日々のストレスを軽減する

「優先順位付け」が日々のストレスを軽減する

私の生活は昨年11月からちょっとストレスが多くなりました。続々とアップデートされるニュースを見たり読んだりしなくても、競うようにニュースに理屈をつけようとするTwitterのスレッドがさまざまあり、私は生活の中で管理したりバランスを取るべきことをたくさん抱えています。仕事のことだけ並べてみても、パートタイムでしている編集者の仕事があり、私の初めての小説がこの5月に上梓される予定であり、フリーランスで文章を提供しているお客の仕事をいくつも仕上げなければなりません。さらに、ボランティアで家庭教師もしています。

最近友人から、こんなにストレスが発生する可能性が高いのにどうやってエネルギーを維持しているのかと質問されました。私はまだちゃんと仕事の締切を守れていますし、個人的な目標は全て達成しています。さらに睡眠もしっかりとっています(睡眠の質は必ずしも良くありませんが)。

これは、まず楽観主義であることと自動化がある程度関係しています。この場合の自動化とはどのようなことか具体的に言うと、効率的なToDoリストを書くこと、習慣をルーティン化すること、タスクをアプリと連動させてスプレッドシート上で進捗をトラッキングすることなどがあります。

しかし、私がエネルギーを維持できている本当の理由は、優先順位付けと優先事項の実践という一生を通しての習慣と関係があります。自分が常にハッピーだとかストレスがないと言うつもりはありません。単に前進し続けているだけです。

習慣化すると仕事が片づくようになる

私の両親は共に伝統的な訓練を受けた音楽家なので、私もピアノ、フレンチホルン、声楽の伝統的な訓練を受けて育ちました。何よりも重要なことは、練習の仕方を学んだことです。

何かを練習するときは、同じ音階やアルページュを毎日繰り返すだけでなく、練習という行為も毎日繰り返すことになります。30分か1時間、あるいはそれ以上の時間、じっくり楽器の練習をすることを毎日繰り返すわけです。たいてい毎日同じ時間に練習することになります。毎日何時に練習するか考えるより「7時半に練習する」と決まっている方が楽だからです。

もちろん練習しない日もあります。たとえば、休暇のとき、遠方から友人が訪ねてくる日、宿題が普段より多い日、上司から残業を頼まれた日、子どもの行事がある日、編集者から土壇場で書き直しを命じられた日。そんなときは練習はしません。

しかし、ここで大切なのはごく普通の日に何をしているか、どのように自分の時間の使い方に優先順位をつけているかわかっていることです。私の場合は、普通の日は朝、20分間ヨガの練習をします。インスタントのオートミールを半カップ、レーズン1/4カップ、アーモンドスライス大さじ1、バナナ半本、オリーブオイル小さじ1、ハチミツ小さじ1で作る朝食を食べます。

自分の望み通りの生活の1日がどんなふうだか具体的に知っていると、何をすべきか考える時間が減り、やるべきことをする時間が増えます。また、「普段とは違う日」が多すぎると、それに気づきやすくなります。そんなときはストレスがたまり始めるので、自分の生活のどの側面がこのストレスの原因になっているのか、それをどう解決できるのか考えるべきときです。

ごく普通の日に自分が何をしたいか認識しているということは、たとえば、朝のヨガに十分な時間を充てるなど、優先すべきことを選択するということです。

自分にとっての優先事項を優先すべき

私の人生では、キャリアが最優先事項です。さまざまな仕事を体験した結果、キャリアの確立とそれによって得られる自由の価値がよくわかりました。テレマーケティング、レセプショニスト、封筒詰め、上司に頼まれたコピーをするために残業したこともあります。現在のキャリアははるかに気に入っているので、今後もこのキャリアに投資し続けます。

というわけで、私は「キャリア」を自分の最優先事項として選択したので、他のことは全てキャリアを発展させられるかどうかで優先度が決まります。最優先事項は人によって違うかもしれません。私の人生では、「人間関係」が最優先事項だったこともあります。多くの人が「家族」を大事にできるように生活を構成していることは言うまでもありません(現代の職場では、社員に仕事以外の優先事項があることが理解されないことが多いのも言うまでもありませんが、それはまた別の話です)。

私の場合は、身体の健康がもう1つの重要な優先事項です。フリーランスのライターには有給の病欠がないだけでなく、正しい食生活、十分な水分補給、日々のエクササイズ、毎晩8時間睡眠を取ることを実践してこそ、最高の仕事ができるからです。

そういうことを全てバランスさせるためには、かなりのエネルギーを注ぐ必要があるように聞こえるかもしれませんが、実はそうではありません。優先事項のことを考える時間は一番少ないのです、なぜなら、それは普通の日の一部になっているからです。

私はほとんど毎日同じ食事をして暮らしていますが、それは必要カロリーと主要栄養素を満たし、私の予算にも見合っているので、わざわざ選んでそうしているのです。それに、毎食ものの5分で作れてしまえます。この食事は以前から相当な回数食べているので、私の体にどのような影響を及ぼしているかよくわかっています。低血糖になったり、炭水化物過剰になったりしませんし、食べ物をどう組み合わせれば腹持ちが良いかわかっているので、間食を考える必要もありません。

その代わり、別のことに集中するエネルギーを持てます。たいていは仕事ですが、友人関係、ゲームをして遊ぶこと、読書中の本など、普通の日々を面白くするようなことにもエネルギーを注げます。

自分にとっての優先事項を日常の習慣にしてしまうと、生活上のストレスも減ります。ただし、定期的にエクササイズすることとストレスの軽減に相関関係があるにしても、誰もが同じように毎日1万歩(あるいは1万5000歩)歩かなければならないわけではありません。人によって優先すべきことは異なるからです。私の場合、何が起こるかわからないときや自分に起こることをコントロールできないと感じるときにストレスが発生します。優先すべきことを自分で選択できると、たとえ次に何が起こるかわからなくても、自分はどうしたいかに意識を集中できます。

選択の仕方を場合に応じて切り替える

Gretchen Rubin氏の『Happiness Project』には「満足者(satisficer)」と「追求者(maximizer)」という言葉が出てきます。これは優先順位付けと選択の方法に関する斬新な切り口だと思います。

「追求者」は、最大の利益を追求する、最適化された選択をし、できる限りベストな結果を得ることが目的です。私の場合を例にとると、毎年フリーランスとしての収入を増やすには何をすべきなのか、必要な量の睡眠を取るには就寝前の1時間は何をして過ごすべきなのか、考えて選択することです。

「満足者」は、条件が整えばそれで良しとします。インスタントのオートミールよりスティール・カット・オーツの方が栄養の観点から優れているにしても、私は気にしません。インスタント・オートミールは手早く作れて値段も安いので気に入っていますし、スティール・カット・オーツで摂取できたはずの栄養素が取れないのではと心配していません。

どんなオートミールを優先しようが、大手スーパーの自社ブランドでないオリーブオイルを気に入っていようが構わないのです。もう一度繰り返しますが、大切なのは何を優先するかではなくて、「優先順位を付ける」という行為であり、何に関して追求者になり、何に関して満足者になるのか、そして何を実行するのか、「選択する」という行為なのです。

冒頭からほのめかしていたように、現在の政治状況に話を戻します。多くの人と同様に私はこの先、どうなるのかとても心配です。毎晩ついついさまざまな意見の記事を山のように読んで、自分たちは安心して大丈夫なのだという手がかりを見つけようとしてしまいそうです。

現に暫くの間、私もそうしていましたが、その結果、あまりにも多くの不規則な日が増えました。ですから、何を変えるべきか自分自身に問いただし、事態を改善するためにどのような行動を取ることができるか模索することにしました。予算の範囲内でチャリティに寄付する、デモ行進する、子どもたちの家庭教師は続ける、など自分にできることを考えました。

それだけでうんざりでした。自分は何をすべきだろうと毎日自分に問いかけるなんて私ならしません。だってすでに自分がすべきことをわかっているからです。そして、きたる選挙の投票推進運動のように、私が手助けできそうなことが他に発生したら、TwitterやWall of Us5Calls.orgで私の耳に入りますから、特に情報をキャッチする努力をしなくても大丈夫です。それ以上は私にはコントロールできません(もう一度いいますが、優先順位を付けることはコントロールすることとは別のことです)。

そうです。ストレスが多い状況でも私がエネルギーを維持できているのはこのやり方のおかげです。身体のためには、睡眠、適度な散歩、十分な水分補給を心がけていますが、本当に大切なのは精神的に選択することだと私は思います。私が意識を集中させるのは、自分が望むこと、自分にできること、自分に許された選択肢、自分の境界線や優先事項、そして実践すべきこととその方法です。

今日はストレスフルな日になるかもしれないと記してこの文章を結びたいと思います。昨晩は良く眠れませんでした。寝る前にメールをチェックするという過ちを犯し、仕事のメールを見てしまい一晩中そのことを考えてしまったからです。他にも仕事のメールを受信していて、朝一番に返信しなければなりません。さらに、今晩は遅くまで仕事をしなければなりません。インタビューしたい相手が夕方しか空いていないからです。

それでも私はヨガをしてオートミールを食べ、気分は良好です。夜遅くまで仕事をすることもしゅっちゅうではないので、心配していません。それに、もしそんなことが毎日続くようなら、改善できる点を探します。自分の中にエネルギーを感じ、いつでも来い、という気分で満足感を感じています。今夜は自由な時間が普段より少なくなりますが、寝る前にメールのチェックはしません。そして、明日も早起きして、お気に入りの朝食を食べ、いつもの習慣を実践し続けるでしょう。

Nicole Dieker(原文/訳:春野ユリ)

Photo by Caiaimage/Sam Edwards/gettyimages.

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