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Yelpがサンフランシスコでロボットによるフードデリバリーを開始

Yelpがサンフランシスコでロボットによるフードデリバリーを開始

Inc.:これからは、サンフランシスコでYelpの「Eat24」アプリを使ってフードデリバリーを頼むと、「ご注文の商品はロボットが配達しますが、よろしいでしょうか?」というテキストメッセージが送られてくることになります。

4月12日、ロボット開発を手がけるスタートアップ「Marble」社が、フードデリバリーサービス「Yelp Eat24」と提携し、人間が行っていた配達サービスの一部を、ショッピングカートほどの大きさの自動走行ロボットで置き換える予定であることを発表しました。

このロボットたちは、ミッション地区およびポトレロヒル地区のレストランから、近隣の顧客へとフードを配達することになります。

AppleやGoogleの元社員を擁するMarble社は、サンフランシコの街にフードデリバリー・ロボットを送り出す最初の企業となります。競合としては、3月にシリコンバレーでフードデリバリーを開始した小型ロボットを持つStarship Technologies社や、2月にサンフランシスコの歩道を学習しているのを目撃されたデリバリーロボットを開発するDispatch社などがあります。

人々にラーメンをより早く届けるという課題に取り組む前に、Marble社の共同創設者たちは、少し高いところを見上げていました。宇宙です。

自動運転車と同じLIDAR技術が搭載されたデリバリーロボット

Matt Delaney氏、Jason Calaiaro氏、Kevin Peterson氏の3人は、カーネギーメロン大学のロボット工学研究所で出会い、米国防総省の国防高等研究計画局(DARPA)が主催する無人ロボット車レース「グランド・チャレンジ」に挑戦するために、自動走行宇宙ロボットの開発に共同で取り組みました。

大学を卒業した後、3人はそれぞれの道を歩みます。Calaiaro氏とPeterson氏は、NASAと、月探査用の宇宙船を設計、建造する契約を交わし、Delaney氏はAppleのエンジニアとして働きました。2015年、フードデリバリー・ロボットを開発するため、3人は再びタッグを組むことになります。

さらに、『Google 』等の立ち上げと管理に関わっていた元Google社員のHarrison Shih氏が加わります。Shih氏は現在、Marble社でプロダクトとオペレーションの責任者をしています。

Appleの元社員であったDelaney氏によると、Marble社のロボットはシリコンバレーを練り歩くStarship社のロボットとは異なるアプローチを取っているのだそうです。Marble社のロボットはセンサーを「完全装備」している、とDelaney氏は話します。

「都市は、とても騒がしい環境だ。知覚すべきものが無数にある。センサーごとに、それぞれ得意分野が異なる」と、Delaney氏は話します。Marble社のロボットは、カメラやLIDAR(レーザーで距離を測定する装置)、超音波センサーを駆使して、周りの世界を知覚します。

Dispatch社のロボットがどのような仕組みで動いているのかはわかっていませんが、Business Insiderが、3月にシリコンバレーで行われた、Starship Technologies社のロボットのデモについて報告していました。このロボットは9台のカメラと超音波センサーを使いますが、LIDAR技術はまだ搭載されていないようです。

Marbleチームは、ミッション地区とポトレロヒル地区でロボットを走らせ、エリアの地図を作成しました。ロボットは、移動のたびに新しく道路情報を収拾し、地図を更新する仕組みになっています。

ロボットは4ケタの暗証コードで開閉

この4月、Marble社は最初のデリバリー・パートナーとして「Yelp Eat24」と提携しました。サンフランシスコにある、DOSA、Truly Mediterranean、Aslam's Rasoi、Alhamraの4つのレストランに対してサービスの提供を開始する予定です。

Harrison氏は、Business Insiderに対して、路上に出るMarble社のロボットの数は、常に変動すると話しています。Yelp Eat24デリバリーサービスに使われるロボットの数は、当初はごく少数に限られるでしょう。

Marble社がサービスを提供しているレストランに、顧客がフードを注文すると、Yelp Eat24から、「ご注文の商品はロボットが配達し、受け渡しは屋外となりますが、よろしいでしょうか? 数分以内にYESかNOでご回答ください」と訪ねるテキストメッセージが送られてきます。

ロボットは、ポトレロヒル地区にあるMarbleの本社を出発し、レストランの前に到着すると、テキストメッセージの通知が送られます。レストランの従業員は4桁のコードでロボットのロックを解除できます。

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MarbleとYelp Eat24は平均配送時間についてはノーコメントとしていますが、Marbleチームは将来的には、このロボットが人間の配達と同程度のパフォーマンスを実現すると考えています。

ロボットが顧客のもとに到着すると、ロックを解除してフードを取り出すための4桁のコードが送信されます。フードは断熱袋に入れて保温されています。

Marble社は、ロボットをまだ洗練させている最中です。たとえば、カリフォルニア州レッドウッドシティーにあるDoorDashのフードデリバリーを達成したStarship Technologies社のロボットに比べて、明らかに大きなサイズです。

とはいえ、Marble社のロボットも毎日少しずつ改良されています。最近の試験走行では、飲み物を含んだ注文を配達しました。結果、ロボットにカップホルダーを備える必要があることがわかったそうです。

チームはレーザーカッターを使ってカップホルダーを製作しました。これからは、飲み物をこぼさずに配達することができます。

いたずらや盗難の懸念あり

4月12日、Marble社は、400万ドルのシードラウンドを獲得したことを発表しました。この資金により、ロボット開発を継続し、サンフランシスコ中に配達サービスを拡大することができます。

今のところ、ロボットにはMarble社の社員がつきそって歩いています。車や人が忙しく行き交う街で、自動走行ロボットがどれくらいうまく機能するのかは、まだわかっていないからです。

いたずらや盗難も懸念されます。ハイテク業界で働く人々と、ハイテク産業によって立ち退きを余儀なくされた人々が分離して居住するサンフランシスコでは、自動運転ロボットが抗議者たちの標的になることは、想像に難くありません。

Delaney氏によると、Marble社は、デリバリーを効率化し、レストランにとって低コストで手が届くものにすることで、(人々から職を奪うのではなく)地域経済を活性化することを目指しているそうです。

「私たちは、人々の生産性を高めるシステムを創造している」とDelaney氏。「私は、人間がいなくなる世界を信じてはいない。わたしたち人間が常にシステムの中心にいて、システムをコントロールすることになる」

Yelp Is Using Robots to Deliver Food in San Francisco | Inc.

Melia Robinson(訳:伊藤貴之)

Photo by Marble
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