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「あがり症」でも緊張せずに話すための超基本テクニック

「あがり症」でも緊張せずに話すための超基本テクニック

『明日から会社で使える説明力』(ひえだともあき著、秀和システム)の著者は、あがり症や緊張しやすい人のためのスピーチ練習会「キンスピ」代表を務める人物。かつては自分自身が、極度のあがり症だったのだそうです。しかも当時、心療内科で診察してもらったところ「社会不安障害」だといわれたのだとか。簡単にいえば、いろんなことが不安になってしまうという症状だといいます。

そこで克服のため、「会話の流れを紙に書きながら話す」など自分なりのトレーニングを編み出し、実践していったのだそうです。するとその結果、緊張しにくくなり、ゴチャゴチャしたモノを整理する能力が上がったのだとか。

つまり本書では、そのような経験をもとに「もっとも、手っ取り早く上手にさせる」ことをテーマとして、説明のテクニックを明かしているわけです。きょうはそのなかから、<初級編>と題された第1章「すぐに効果が出る5つのテクニック」に焦点を当ててみます。

テクニック1 紙に書く

上司に報告する前や、取引先に電話をする前、会議での発表前など、複雑になりそうなときに効果的なのが、いいたいことを事前に紙に書き、それを見ながら話すというテクニックだそうです。自分の力だけでスラスラ説明しようとは思わず、「紙」という補助輪を使うという考え方。

コツは「箇条書き」と「単語だけ」で、とにかくカンタンに書くこと。かなりシンプルに書いたとしても、「自分がシンプルにした」ものであれば、パッと見ただけで思い出せるというわけです。

使用例1. 売上の報告

例えば、頭の中では、こんなことを考えていたとします。

<課長に売り上げを報告しなきゃ...。えっと、4月は60万円で、5月は45万円に下がったんだよ>

<でも、販売の僕のせいじゃないんだよな。仕入れ担当の田中さんの責任なんだよな>

<そういえば田中さん、自分が仕入れ担当なのを忘れてて、有給休暇を取ったんだよな>

<あの人がいなかったから、5月は仕入れが遅れたんだよね...>

(30ページより)

このように報告しなければならないことが多すぎると、迷ってしまっても当然。そこで、次のように紙に書いてみるといいそうです。

売上報告

・4 60

・5 45

・原因 仕入れ 遅れ ← 田中さん 有給

(30ページより)

このメモを見ながら、「売上報告をします。4月は60万円。5月は45万円です。下がった原因は仕入れが遅れたからです。さらにその原因は、田中さんが有給休暇を取って不在だったからです」と伝えればいいということ。これには、「緊張しにくい」「沈黙しても変におもわれない」「内容を覚えなくてもよい」「紙に絵を描くと、わかってもらいやすい」「真面目だと評価される」などの効果があるそうです。(28ページより)

テクニック2 確認

説明の最中に「いまのは、わかりづらかったかな?」と思ったら、「ここまでは大丈夫ですか?」と、相手が理解できたかどうか確認するというテクニック。そして、その確認には、大きく次の4つの方法があるといいます。

1. ざっくり確認(「ここまでわからないところありませんでしたか?」と広く確認する方法)

2. 部分確認(わかりづらそうな部分が理解できているかを確認する方法)

3. 相手の発言の確認(こちらが聞き手になった場合に、話し手に確認する方法)

4. 戻って確認(会話にすれ違いを感じた際、少し戻って、ひとつひとつを確認する方法)

(40〜46ページより抜粋)

こうすれば、「説明のレベルを調整できる」「緊張を弱められる」「相手からの評価がアップする」などの効果があるのだとか。(38ページより)

テクニック3 ゆっくり話す

「複雑な話」「相手が理解しにくそいうな話」をする際には、ていねいに、ゆっくり話すというテクニックが効果的。緊張していると早口になりがちですが、常に「ゆっくり、ゆっくり」を心がけるべきだということ。そこには、「次の言葉を考える時間が稼げる」「緊張が弱まる」「落ち着いた人に見られる」「調子に乗れる」「噛まなくなる」「聞いてもらいやすい」「聞き手の理解の時間が増える」など、さまざまな効果が。(52ページより)

テクニック4 つまり

説明したあとで「グチャグチャになっちゃったな」「話がわかりにくかったかな?」と感じたら、「つまり〜」と話をまとめるというテクニック。なお大切なのは、「説明がゴチャゴチャしない方法」ではなく、「ゴチャゴチャしたときの対処法」なのだとか。泳ぎと同じで、「泳げるようにする」ことよりも、「溺れても大丈夫な状態にする」ことの方が手っ取り早く、目の前の問題を取り除き、安心感を与えられるわけです。

ちなみに「つまり〜」だけでなく、話をまとめるいいかたは他にも、

・つまり〜

・要は〜

・要するに〜

・まとめると〜

・ひと言でいうと〜

・結局のところ〜

・つまるところ〜

・カンタンにいうと〜

・シンプルにいうと〜

・端的にいうと〜

・いろいろ言ったけど、一番言いたかったことは〜

(63ページより)

などがあるそうです。これには「本題に載せる」「聞き手の負担が減る」などの効果が。(60ページより)

テクニック5 結論からいう

結論を先にいい、そのあとに細かいことを伝えるというテクニック。ただしこのテクニックが使えるのは、結論を考える準備時間があるときだけ。スピーディーな会話のやり取りにこの手法を使おうとすると、初めはなかなかできないものだというのです。そこで、まずは「準備ができるときだけ」でも結論から伝えるようにするといいそうです。表現方法としては、次のようなものが一般的。

・答えからいうと〜

・要件から先にいうと〜

・結果から先にいいますと〜

・ポイントからいいますと〜

(72ページより)

これをうまく使うことで、「話がそれにくい」「たくさん説明しなくてもよい」「話を聞くのがラク(聞き手への効果)」「はじめから理解できる(聞き手への効果)」などのメリットが得られるといいます。(70ページより)


ここからも推測できるとおり、書かれていることはベーシックかつ非常にシンプル。初歩的すぎるともいえるので、物足りなさが残る可能性も否定はできません。とはいえそこには、「忘れかけていたことを再確認する」という価値もあるはず。そういう意味では、初心に立ち返るために読んでみるのもいいかもしれません。

(印南敦史)

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