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行動科学者が設計した、Eメールのわずらわしさを激減させるアプリ2つ

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行動科学者が設計した、Eメールのわずらわしさを激減させるアプリ2つ

inc.:一流の行動経済学者が、Eメールにまつわる問題の解決に乗り出しました。ここで紹介するツールはその成果です。

予想どおりに不合理』(邦訳:早川書房)の著者、ダン・アリエリー氏は、とても人気の高いTED講演者であり、一流の行動経済学者でもあります。こうした人物には、さまざまな利点があることでしょう。しかしそうした利点に、きちんと整理されたメール受信箱は含まれていないようです。同氏は最近、The Atlantic誌に対して、毎日数百通のEメールを受け取っていると語り、次から次へとEメールが送られてくるせいで生産性ががた落ちになってしまうオフィスワーカーに共感できると述べました。

ただし、ほとんどの人は、メッセージが到着するたびに集中力を邪魔されるとただ嘆くだけですが、アリエリー氏は違います。いつもあふれかえっている受信箱に集中力を奪われてしまうのを実際に防いでくれるかもしれない、2つのアプリの開発に手を貸すことで、問題を自分で解決したのです。

すべてのメッセージの重要性は同じではない

最初のアプリは『Filtr』で、シンプルでわかりやすい前提を基礎に作られています。それは、すべてのメッセージの重要性は同じではないという前提です。上司からの緊急の依頼などのように、集中力を犠牲にしてでも対処する価値のあるメッセージもあれば、3番目に好きなお買い物サイトからの「靴の新しいバーゲン」の案内のように、後回しでいいものもあります。

重要なEメールは、実際には何通あるのでしょうか? アリエリー氏はそれを見つけ出すために、自分のブログの読者を対象に調査を行ったそうです。「最後に受け取った40通のEメールを調べて、各メールについてどのくらい後回しにできるか、教えてほしいと頼みました。具体的には、すぐに読むか? 2時間後にするか? 1週間後? 読まなくても良いか?です」と、The Atlantic誌は伝えています。その結果、すぐに注意を払わなければいけないEメールは「10通中1通」しかないことがわかりました。

このデータから生まれたのがFiltrです。このアプリの目的は、タイプによってEメールをより分け、受信を知らせる着信音が鳴ったときは必ず重要なメッセージがあるという状態にすることです。それ以外のメッセージは、あとで都合の良い時間にまとめて受け取れます。

Eメールのスキャンを簡単に

Eメールのもう1つの大きな問題は、メールの要点をすばやく見分けるのが難しい場合が多いという点です。送信者は単に情報を教えてくれているだけなのでしょうか? 返信を求めているのでしょうか? もし求めているのなら、いつまでに?

この点についてのデータが手元にあったら、Eメールをより速く処理できます。アリエリー氏が手がけたもう1つのアプリ『Shortwale』は、このデータを示すことを目的にしています。アトランティック誌の説明によると、「Shortwhaleを使っている人にメッセージを送ろうとすると、いくつかの質問が用意されているウェブページに導かれ、『このメッセージはどのくらい急を要しますか?』『返信を必要としていますか?』などと聞かれます」。送信者はまたEメールを、可能なかぎり複数の選択肢のある質問の形で書くように求められます。

こうしたアプリは気に入らない、と思う送信者がいるかもしれないのでは? その通りだと、アリエリー氏は認めています。そして、そのせいでこのアプリはあまり広まっていません。けれども、このアプリが広く使われるようになれば、「あなたにEメールを送った人が、そのメールに対して1週間以内に返信を必要としているのか、『返信不要』なのかをすばやく伝える方法が生まれるのです。それがどれほど理に適っているかを考えてみてください」と、アリエリー氏はアトランティック誌に語っています。

Jessica Stillman(原文/訳:松田貴美子/ガリレオ)

Photo by gettyimages.
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