特集
カテゴリー
タグ
メディア

プライドはモチベーションの源泉だから大事にしよう

プライドはモチベーションの源泉だから大事にしよう

99u:自分の能力にうぬぼれる「高慢なプライド」は有害であり、思い上がりを意味します。でも、努力の末に得られた結果による「本物のプライド」は、粘り強さを促す重要な感情です。厳しい世界を生き抜かなければならないクリエイターにとって、プライドが欠落した感覚は、誤ったアプローチをしていることを意味する指標にもなります。極端な場合、戦略を変えるか、まったく異なる方向性を取る必要があることを意味するかもしれません。

ドラマチックな例が、ウルトラマラソン選手のディーン・カーナーシス氏です。彼は、1回で350マイル(約560キロ)を走ったり、50日間で50回マラソンを走ったりしたことがある、世界でも有名な走者です。彼はなぜ、このようなモチベーションを得るようになったのでしょうか?きっかけは、30歳の誕生日でした。彼は、自分の人生とキャリアについて考えていました。当時の彼は営業マンとして将来を約束されていたものの、プライドの感覚を持てずにいました。ブリティッシュコロンビア大学の心理学者Jessica Tracyさんが著書『Take Pride, Why The Deadliest Sin Holds The Secret To Human Success』で書いているように、カーナーシス氏を駆り立てたのは、プライドの欠落だったのです。そうして彼は、世界でもっとも成功を収め、人々に感動を与える長距離ランナーになりました。Tracyさんはこう書いています。

カーナーシス氏は、それで人生を変えられると思って走り始めたわけではありません。ただ、何かを感じたかったのです。

最近何かに失望し、プライドの著しい欠落を感じているなら、その感情の戸惑いを埋もれさせないようにしてください。隠してしまうのではなく、それを利用して、変化のためのモチベーションにするのです。

あなたのしていることや達成していることに本物のプライドという温もりを感じないのであれば、仕事の優先順位や戦略を変えるときかもしれません。実際、このような感情にもっと寄り添うことで、誰もがその恩恵を得られます。Tracyさんはこう書いています。

物事が順調に進んでいて、何もかもうまくいっているように感じても、この達成感が欠けていることが多いのです。自分自身へのプライドの感覚、そしてそれを自覚することで、行動を変えるきっかけになるでしょう。

Tracyさんは、ブリティッシュコロンビア大学の同僚やロチェスター大学の研究者とともに、このようなモチベーション向上効果に関する一連の論文を発表しています。たとえば、試験後の大学生が抱く本物のプライドの感覚についての研究では、試験ができずに低いプライドを感じた(達成感や満足度が低い)学生は勉強のやり方を変えようと思う傾向が高まり、数週間後の試験では成績が向上していました。一方で、試験の成績が悪いのに低いプライドを経験しなかった学生は、このような成績向上は見られませんでした。

ランニングクラブのメンバーを対象にした調査でも同様の結果が得られています。大会後、結果が振るわず、低いプライドを感じたメンバーは、トレーニング体制を変えようと思う傾向があり、次の大会では成績が向上していたのです。

これらの結果から、低いプライドの感覚は「達成のバロメーター」として機能し、変化のモチベーションになることが示唆されます。でも、このような感情またはその欠落について振り返る時間と努力を投じない限り、モチベーションアップの恩恵を受けることはできません。

ここで、注意すべきことがあります。失望によってプライドだけでなく自信も喪失してしまうと、プライドの欠落が恥になってしまう危険があります。Tracyさんによると、恥とは「自分は何もできない。これが苦手だ。どうせ失敗するから一生懸命やるつもりはない」という感覚で、まったくモチベーションが得られない状況です。一方で、本物のプライドが低いという状態は、「能力や達成の感覚が足りないことを意味し、それらの感覚を取り戻すために挑戦しようとしている」ことを指すそうです。

自分が感じているのは、プライドの低さなのか、それとも恥なのか。その区別をはっきりすることが重要です。つまり、失望を感じたときに、それは自分の努力不足や戦略ミスといった「変えられる問題」と解釈できるか、それとも自分はそういう人間だと諦めてしまうか。たとえば、最近提案したデザインへの評価があまりよくないとき、自分はデザイナーとしての才能がないと思ってしまえば、明らかに自信を喪失します。一方で、失望よりもプライドを得たいという強い気持ちを抱くことができれば、次に成功を収めるために何をすべきかが認識できるでしょう。

ですから、プライドを大切にしてください。自分に誇りを持つことは無駄でも不適切でもなく、あなた自身の熱意と献身につながるのですから。

Why Pride is Good | 99u

Christian Jarrett(訳:堀込泰三)

Photo by gettyimages.
swiper-button-prev
swiper-button-next