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求職者に平均給与を教えると、男女の給与要求額の差は逆に広がる

求職者に平均給与を教えると、男女の給与要求額の差は逆に広がる

Inc.:女性は、採用面接時に要求する給与額が男性よりも低い傾向にあります。ではもし、その仕事の平均給与情報を教えてあげれば、その問題は解決するのでしょうか? 解決しそうな気がしますよね。これまでずっと給与の透明性を求めてきた私はそう思っていました。その仕事の平均給与がわかれば、要求額の目安になることは間違いないでしょう。しかし、求人サイトHiredが行った実験では、その情報が逆に格差を広げるという結果が出たのです。

Hired の主任データサイエンティストJessica Kirkpatrick氏も、当初は私と同じく、正しい情報が与えられていれば、女性も男性も、同様の額を要求するだろうと思っていたそうです。そこでKirkpatrick氏は、求職者に平均給与情報を教えた場合と、教えない場合の比較実験を行いました。1つの集団には、同様の技能をもつ人々の給与額を教え、もう一方の対照群には教えず、彼らが要求した額を比べたのです。その結果をQuartz が以下のように伝えています。

数千人の求職者を対象にこの実験を行ったところ、情報をもっている場合のほうが、男女の要求額の差が広がったのです。他の人がどれだけもらっているかを知った女性は、自分をデータ分布の下半分に重ね合わせました。一方、同様の技能と経験をもつ男性は、同じデータの上半分に自分を位置づける傾向がありました。

この傾向のせいで、データをもらった人たちのほうが、もらっていない人たちよりも、給与希望額の男女差が大きくなったのです(データをもらった集団では、女性の要求額が男性よりも9.3%低かったのに対し、もらっていない集団では、女性の要求額が、男性より4%高いという結果でした)。

なんということでしょう。平均を知ると、女性は、自分が平均以下であると申告し、男性は平均以上だと申告するのです。

ただし、若い女性は、年配の女性よりも、要求額が高いという発見もありました。これは、以上のような意識傾向が変わりつつあることを示唆しています。

知識は力です。ただ、それを正しく使うようにしなければなりません。「私は平均並み」という考えが浮かんだら、本当にそうか? と自分を問いただしましょう。また「平均給与額が9万ドルなのに、9万5000ドル欲しいと言ってしまったら候補から脱落しそうだから、9万ドルと言うのが無難」などと考えてはいけません。優れた採用担当者は、希望給与額が自社の予算を少し上回るという理由で、応募者を候補から外すようなことはしません。たいていの場合、予算にある程度の弾力性をもたせているはずです。

女性の皆さん、そのようなわけで、今度、希望給与額を聞かれたら、まず自分にふさわしいと思う額を考え、それを一割増しにしましょう。そうすることが、長期的には功を奏するはずです。

採用責任者に向けて言うならば、最有力候補者には、その人がたとえ低い額を要求してきても、適切な額を提示すべきです。割安な人材を探しても、後で不満をもたれて辞められてしまうので、結局は節約にならないでしょう。

Women Ask for Lower Salaries. It's Hard to Fix.|Inc.com

Suzanne Lucas(訳:和田美樹)

Photo by Flickr
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