特集
カテゴリー
タグ
メディア

テトリスで事故のトラウマが解消できるかもしれない

テトリスで事故のトラウマが解消できるかもしれない

交通事故の犠牲者は頭の中で嫌な記憶が繰り返しフラッシュバックしてしまうことがあります。これは心的外傷後ストレス障害(PTSD)の影響ですが、新たな予防策が誕生しそうです。それは「テトリスをプレイする」というなんともシンプルなもの。

スウェーデンのカロリンスカ研究所は、ボランティア被験者を対象にこのアイデアを実験してきました。その結果、スプラッター映画のような衝撃的なものを見た後でテトリスをすると悲惨な場面のフラッシュバックを止めるように脳がプログラムされることがわかりました。この結果を受けて、新しい研究では実際の交通事故にあった人たちにテトリスをしてもらう実験をすることで、このアイデアを現実的に使える形に近づけています。研究チームは事故に遭った人と目撃者に事故の記憶を呼び起こしてもらい、その後、ニンテンドーの『テトリス』を20分間プレイしてもらいました。一方、対照群には、救急処置室に到着したときからどのように過ごしていたかを20分間文章に書き出してもらいました。その結果、実験後1週間を観察するとゲームをした被験者は嫌な記憶がほとんどよみがえりませんでした。これを受けて、研究チームは学術誌『Molecular Psychiatry』に次のような報告をしています

事故のフラッシュバックが起こると、頭の中で事故が再現され、流血事故の詳細に意識が集中します。テトリスは、フラッシュバックを構成する視覚的要素に介入するので、効果があるのかもしれません。だからと言って、事故の犠牲者は事故の記憶自体に上書きしたいと思っているわけではありません。そんなことをしたら、セラピストや保険会社と事故のことを話せなくなるからです。

この研究より以前に同じ研究チームが行った研究で、クイズゲームをすると全然しないよりフラッシュバックがひどくなることがわかっています。この場合、ゲームは視覚的イメージを変化させずに記憶に介入するからだと研究チームは考えています。

テトリス以外にも『キャンディークラッシュ』のような視覚に訴えるゲームもテトリスと同じ効果が期待できるかもしれません。しかし、当面のところこの研究結果はテトリスに限ったものなのでそれ以上のことは言えません。それでも、ビデオゲームで苦痛が和らぐかもしれないので、交通事故のような辛い体験をした人はビデオゲームをインストールしてみるもの良いかもしれません。

Beth Skwarecki(原文/訳:春野ユリ)

Photo by mikecogh .
swiper-button-prev
swiper-button-next