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猛吹雪の中で死なない方法

猛吹雪の中で死なない方法

Popular Science:深々と雪が降る日には、あたり一面が静けさに包まれます。その理由は、技術的には積もった雪に無数の小さな穴があり、音を吸収するから。でも、もっと文学的に言うと、人々がじっとしているから。学校は休みになり、職場に人影はなく、誰もが部屋にこもって、降る雪を窓越しに眺めているから。

いえ、「誰もが」ではないですね。だって、どうしたって家を出なければならない人はいますから。でも、猛吹雪の中では、それが命取りになることがあります。吹雪で死なないためには、とにかく外に出ないこと。米国では2015年、冬の気候が原因で20人が死亡しています。いえ、お風呂で453人も死んでいることを考えるとあまり多くないかもしれません。それでも、吹雪による死亡は完全に回避可能です。とにかく屋内にいればいいのです。以下に、猛吹雪の中に出かけて起こりうる死亡原因とその対策を紹介します。

雪かき中に心臓発作

最初はこちら。毎年、雪かき中に心臓発作を起こす人がいます。その多くが、運動不足の人たち。特に雪が湿っているときの雪かきは、驚くほどの重労働なのです。

対策

雪かきはカラダが頑丈な若人に任せましょう! お礼をあげると彼らも喜びます。あるいは、「もし自分がやったら心臓発作で死ぬかもしれない」と脅してもいいかも。とにかく、歳をとっている人や心臓に問題を抱えている人は、雪かきは厳禁です。

屋外で凍死

凍死寸前まで行って、奇跡的に回復した人もいます。1994年、カナダのサスカチュワン州に住む幼児が、氷点下の屋外で数時間を過ごした後、脈のない状態で発見されました。しかし彼女は回復し、片脚の一部を失っただけで済みました。1920年には、Hazel Minerという名の少女が、馬そりで2人の兄弟とともに下校中に迷子になりました。ついに身動きが取れなくなったとき、最年長だったHazelは、兄弟を毛布でくるみ、身体のまわりに固まった雪を粉砕し、自らの体温で彼らを暖めました。Hazelはその夜のうちに亡くなりましたが、弟と妹は命を取り留めました。

しかし、このような例は幸運中の幸運。彼らはルールの例外に過ぎません。それは、極寒時、特に動きを止めてしまうと、人は体温を保つことができずに凍死するというルールです。

それともう1つ。雪で身動きが取れなくなったときにお酒を飲んではいけません。身体が温まるような気がしてしまいますが、それは単なる血管拡張作用で、四肢の血管が開き、一時的に温かく感じているだけです。そうなると、皮膚に近いところに血液が多く集まり、急速に体温が失われます。つまり最終的には、お酒を飲まないよりも寒くなってしまうのです。

対策

寒いところには行かないこと。どうしても行かなければならないなら、相応の服装をすること。雪用のブーツ、風を通さない上着、帽子、手袋は必須です。スニーカーやスウェットシャツで身動きが取れなくなった人たちは皆、ほんの数分だけのつもりだったと言います。あるいは、車から出ないつもりだったと。でも実は、それも死につながるのです。

車中で凍死

吹雪でも、車の中にいれば安全と思うかもしれません。雪がちらつく高速道路をぶっ飛ばし、ラジオから流れる曲に合わせて歌っているうちは気持ちがいいかもしれません。でも、前が見えないほどの吹雪になり、タイヤが滑り始めてしまったら、車を停めて天気の回復を待つしかありません。まあ、アイドリングしておけば暖房もつけられるし、心配はないでしょう!

多くの人がこの罠にひっかかります。しかし、雪は想像を絶するスピードで降り積もります。さらに、巨大な雪かき車があなたの車に雪を飛ばし、追い打ちをかけます。あっという間に車から出られなくなり、ガソリンが切れ、暖房が効かなくなってしまいます。誰も通りかからないため、誰もあなたを発見してくれません。寒さが増し、眠くなってきます。そして、寝たら最後、あなたは死んでいるのです。

対策

運転しないこと! どうしても避けられない場合、立ち往生したときのために温かい格好をし、水を持って行くようにしましょう。脱水状態だと低体温になりやすく、雪を食べても喉の渇きは潤せません。やむを得ず道路の脇に車を停める場合、ガソリンをなるべく無駄にせずに車内の温度を保てるよう、戦略的に使いましょう。車はそれほど断熱がよくないので、熱はどんどん車外へ逃げてしまいます。車内でちょっとしたエクササイズをすることで、血流をよくすることもできます。緊急自動車が取り過ぎてしまわぬよう、ハザードは点けておきましょう。ハザードの点滅によって気づいてもらえる可能性が高まるし、少なくともぶつかられる可能性は下がるはずです。

それと、車を離れてはいけません。車内で数々の問題が発生しても、外よりはよっぽどマシですから。それに、吹雪の中ではすぐに迷ってしまいます。人は、太陽のガイドがないと、円を描いて歩く傾向があります。右なら右、左なら左といったように、一方向へのエラーが蓄積して、最終的には元の場所に戻ってきてしまうのです。いえ、正直なところ、それより前に凍死してしまうのがオチですが。

車内で窒息死

車内で足止めを食らうと、窒息の可能性もあるので要注意です。エンジンをかけたまま車内にいると、排気管が雪で埋まっても気づくことができません。そうなると、排気ガス中の一酸化炭素が車内に入り、あっという間に狭い車内に充満します。一酸化炭素は血液に入り込み、ヘモグロビンと結びつきます。しかもこの一酸化炭素分子は、酸素と違って放出されません。一酸化炭素を吸えば吸うほど、酸素がヘモグロビンと結びつくことができなくなり、ゆっくりと窒息していきます。唯一の救いは、窒息に気づく前に酸素不足で意識を失ってしまうこと。つまり、少なくとも苦しむことはありません。それに、一酸化炭素は無色無臭なので、何が起きているのかを理解するのは困難です。車中に閉じ込められているときに眠気を感じたら、一酸化炭素中毒の可能性を疑ったほうがいいでしょう。

対策

車中で足止めを食らっているときは、エンジンをかける前に必ず外に出て、排気管が埋まっていないかを確認してください。確認が終わったら、すぐに車内に戻りましょう。決して出歩かないように。

別の車に跳ねられる

少しの雪でも道路は滑りやすくなります。そのような時期がいちばん危険。それほどの雪ではないので多くの人が外出をはばからず、事故が多発するのです。急にブレーキがきかなくなり、曲がるのも難しくなります。自分がどんなに運転がうまくても、ほかの車が赤信号で止まり切れずにぶつかってくるかもしれません。理由は何であれ、道路の摩擦力が低下すると、事故の確率が高まります。軽い衝突ならいいですが、死に至ることもあるでしょう。

対策

雪の日には車に乗らない。それでも乗ると決めたなら、何もかもをゆっくりにする。ゆっくりブレーキを踏み、ゆっくり加速し、ゆっくり曲がります。雪道では、車が止まるまでに乾いた道の10倍の距離が必要です。ABS(アンチロックブレーキシステム)は、あまり期待しないほうがいいでしょう。大半の人は、ダニング=クルーガー効果によって、自分は平均的な人よりも運転がうまいと考えています。でも、実際はほとんどの人が平均程度。ですから、自分の運転スキルを過信しないでください。

運転中の制御不能

道路にほかの車がいなくても、あなたの運転する1台だけがスピンすることもあります。凍結した道路に出くわすと、車は進んでいた方向に勝手に滑り始めます。もはやタイヤは意味をなさず、運転手がパニックに陥っているうちに木や高速道路の壁に突っ込み、死に至るかもしれません。

対策

氷に乗り上げると、ほとんどの人がハンドルを大きく切るか、ブレーキを強く踏み込んで制御しようとします。実際に役立つのは、曲がっている方向にハンドルを切り、ペダルからは足を離すこと。車が減速し、まっすぐになったところで、再び運転できるようになります。坂道で立ち往生しないためには、止まらずにゆっくり登るようにしましょう。アクセルを踏み込んでしまうとタイヤが空転し、余計に牽引力が下がります。ですから基本的に、できるだけ合理的な一定速度でまっすぐ動くように心がけましょう。

滑って転倒

米国では2015年の間に、雪で転倒して111人が死亡しています。デート中のアイススケートでの転倒ならかわいいで済みますが、固い氷に頭を強打するのはあまり愉快とは言えません。脳に損傷を負うと大変なので、転んで頭を打ったら必ず病院で検査を受けてください。特に、意識を失った場合や打った側と反対が痛む場合は注意が必要です。固い場所に頭をぶつけると、頭蓋の反対側に脳が打ち付けられ、深刻な損傷や内出血を起こすことがあります。それが原因で、数時間後に急死に至ることもあるのです。

対策

ペンギンのように歩くことです。足をあまり高く上げずに小股で歩くようにしましょう。そうすることで、滑りにくくなります。それと、手をポケットに入れないこと。転んで顔を打つぐらいだったら、手や腕をついたほうがずっとマシです。

How to not die in a blizzard | Popular Science

Sara Chodosh(訳:堀込泰三)

Photo by Shutterstock.
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