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VRゲームで酔わないためのコツ

VRゲームで酔わないためのコツ

仮想現実(VR)はゲーム界の次なる目玉です。しかし、VRヘッドセットを装着していると、「VR酔い」を起こす人がいます。原文筆者も乗り物酔いの経験がないにもかかわらず、プレイしていて軽いVR酔いになりました(嘔吐するほどではありませんが)。酔ってしまったらどうしようと心配している人のために、VR体験をもっと楽しいものにするヒントをご紹介しましょう。

なぜVR酔いになるのか

乗り物酔い(動揺病)の科学的なメカニズムが知りたい人にはこちらの記事(英文)をおすすめしますが、要するに、ほとんどの乗り物酔いは感覚の不一致が原因です。筋肉の収縮といった動作の兆候がみられないため、体は自らを静止状態にあると判断しているのに、目と前庭系はそれと異なる情報を伝えるわけです。走っている車内で本を読もうとして気分が悪くなった経験のある人は、VR酔いがどういうものか想像できるでしょう。

このように混乱したシグナルが送られると、ほかにも頭痛や、ほてりと発汗といった症状が起きますが、体がこのような反応を示す理由はまだ完全に解明されていません。説得力のある説は、体がその混乱状態を何らかの毒物を摂取したサイン(カクテルを飲み過ぎたときのめまいのような)と勘違いするというものです。そこで、身の安全を守るために嘔吐するのです。また、理由はわかっていませんが、こうした反応は男性より女性に多く(4倍近く)みられます。VRを初めて試す女性の皆さんは特に注意しましょう。

1. 休憩を取る、座る、頭を動かさない

VRヘッドセットのマニュアルは、どれも定期的に休憩を取ることを強く推奨しています。実際、ほとんどのVRゲームでは、スタート時に免責事項が表示されたり、ロード画面に警告メッセージが出たりします。これらは任天堂のゲームの「そろそろ休憩しませんか?」という控えめな提案とは違うもので、特に乗り物酔いしやすいとわかっている人は、より真剣に受け止めてください。タイマーを設定して定期的に休憩するか、ゲーム内のチェックポイントやセーブポイントに到達するたびにヘッドセットを外すとよいでしょう。少なくとも1時間につき15分は休憩するようにしてください。

座ってゲームをし、できるだけ頭を動かさないことも効果的です。座ったほうが安定感が得られ、目まいを起こして倒れる可能性が低くなります。自然に頭を振り動かして、VRの素晴らしい景色を眺めたいでしょうが、そうすると嘔吐の可能性が高まります。なるべく頭を動かさず、新しいVR環境に少しずつ慣れていきましょう。

もし気分が悪くなったら、すぐにゲームをやめてください! いったんVR酔いになってしまうと、無理にゲームを続けても治ることはありません。体が異変を感じたら、それが休憩のタイミングです。気分が完全に回復するまでゲームは控えましょう。

2. フレームレートの低さも原因に

原文筆者のように、ゲームの調子がおかしくなっても、そのうち元に戻るだろうとプレイし続ける人はいませんか。VRゲームでは、それは絶対にやめましょう。「Oculus Rift」の開発チームが行った研究によれば、フレームレートの低下といったパフォーマンス上の問題が発生すると、VR酔いの生じる時間がはるかに早まる可能性があるそうです。ゲームのフリーズや誤作動といった技術的問題が発生したら、すぐにプレイをやめて問題を解決してください。ゲームを終了してセーブファイルをリロードする、アプリケーションを閉じて再起動するといった、正常な動作を回復するための対応を取りましょう。

3. 神経系をハックする

VR酔いは神経系と関係しているため、神経系の混乱を防ぐためにできることがあります。必要なのは、ツボ押しの簡単な知識だけ。腕の内側に内関(P6)という吐き気を和らげるツボがあります。ゲーム中にムカムカして飲み物の缶に唾を吐いたりするよりも、大きな効果が証明されていて、化学療法を受けているがん患者にもよく指導されるこのテクニックを使ってみましょう。やり方は次のとおりです。

  1. 指を伸ばし、手のひらが見えるように腕を持ち上げます。
  2. 反対側の手の人差し指、中指、薬指を、手のひらのすぐ下の手首に当ててください。
  3. 3本指のすぐ下に親指を置き、3本指を離します。親指の下に2本の太い腱があるのが感じられるはずです。
  4. 親指でしっかりと押し、そのポイントを2~3分間、円を描くようにマッサージしてください。
  5. 反対の腕も同じようにします。

効果はあるけれど、しょっちゅう繰り返す必要がある人には、ツボ押しの道具をおすすめします。たとえば、「Sea-Band」というリストバンドは、巻くだけで常にP6のツボを押してくれます。これを装着すれば、何度もゲームを中断する必要がなくなるでしょう。

4. 食べ物に気を付ける

食事を抜いてもVR酔いを防ぐことはできません。それどころか、悪化させる可能性さえあります。しかし、問題のある食べ物を避ければ、少なくともひどい嘔吐に見舞われる確率を下げることができます。後でVRゲームをするとわかっているときは、辛い食事や脂っこい食事、脂肪の多い料理をとらないようにしましょう。また、一度にたくさん食べるより、軽い食事を小刻みにとることをおすすめします。たっぷり水を飲んで水分を補給し、消化器官の調子を整えることも忘れずに。

ゲーム中は、ガムを噛んだり、飴をなめたり、ジンジャーティーを飲んだりすることで、胃のむかつきを抑えましょう。ショウガは消化不良や吐き気に効果があることで知られます。ジンジャーティーを飲みたくない場合は、ショウガのサプリメントやジンジャーエールで代用してもよいでしょう。ゲーム前の飲酒に効果があったという人もいますが、この方法は注意が必要です。おそらくすべての人に効くわけではありませんし、もし試すとしても、筆者はモスコミュールのようなショウガの成分が入ったお酒をおすすめします。

5. 文字通り頭を冷やす

VR酔いの症状のひとつである体のほてりは、不快なだけではありません。吐き気が悪化し、頭がクラクラして嘔吐に至る可能性が高まるのです。こんなときは冷たい空気に当たりましょう。冷たい空気に触れると、ほてりが和らいで頭もしゃきっとします。ゲーミングチェアの前に扇風機を置いたり、エアコンの設定温度を下げたりするのもいいですが、いっそのこと2カ所以上の窓を開け、部屋の中を新鮮な空気が吹き抜けるようにしてください。

6. ゲームの設定を変更し、プレイを工夫する

設定のせいで気分が悪くなるのを避けましょう。まず、メーカーの指示に従い、VRヘッドセットの設定を調整します。この作業を省略してはいけません! ゲーム内やその他の設定を通じてヘッドセットの視野角を変更できるのであれば、できるだけ小さくしましょう。「VR Heads」のCale Hunt氏によれば、視野角を小さくするとVRのリアリティはいくらか損なわれますが、VR酔いを起こす可能性は低くなるようです。ゲームをして嘔吐するよりはいいでしょう。

可能なら、ゲーム内のキャラクターの動きを変更することも非常に効果的です。たとえば、筆者は『バイオハザード7 レジデント イービル』をVRモードでプレイしましたが、キャラクターが動く速さを自分の頭が動く速さと一致させる必要がありました。この調整を行った後は、自然な感覚でプレイできるようになり、ほかに何の問題も起きませんでした。なかには動作の仕方を完全に変更できるゲームもあります。歩く代わりに瞬間移動したり、ボタン1つで180度方向転換したりといった変更です。このようなオプションがある場合、VRに慣れるまでは利用するといいでしょう。

プレイ中に工夫できることもいくつかあります。動き回ったり、くるくる回転したりするときは、視線を1点にすえて動かさないようにしましょう。これは、目が回るのを防ぐためにダンサーが昔から実践している方法です。また、カットシーンや自動再生に切り替わったときは、目を閉じるようにしましょう。すでに体は混乱状態にあるので、このような場面は混乱を助長するだけです。基本的に目を閉じることは、手早く小休止をとるのに効果があります。せめてロード画面では目を閉じ、脳をひと休みさせてあげましょう。

7. 根気強く慣らす

VRゲームとVR酔いに関しては、良いニュースと悪いニュースがあります。悪いニュースは、最初はまったくといっていいほど楽しめない可能性があること。良いニュースは、時間と努力を惜しまなければ、おそらくいつかは慣れるということです。VR環境でより多くの時間を過ごした人は最終的にVR酔いを克服できるという研究結果もあります。時間が経つにつれて、VR環境で見ているもの、経験しているものを脳が正しく解釈し、体もVRが引き起こす不快感に対処できるようになるのです。

とはいえ、VRに慣れるまでは不快な思いをするでしょうし、どれくらい時間がかかるかもわかりません。まずは、今回ご紹介したヒントを実践しながらVRゲームをプレイし、気分が悪くなったらやめるようにしましょう。そして体調が回復したら、また試してみるのです。できればあまり疲れておらず、簡単に嘔吐しそうでないときに挑戦してください。そのようにして、VRゲームは毒物ではないと脳が理解し、混乱したシグナルを送らなくなるまで、根気強くトレーニングを続けてみてください。

Patrick Allan(原文/訳:米井香織/ガリレオ)

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