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HOW I WORK

運命には逆らえない。だからこそ自分でコントロールできる領域に目を向けよう。習慣化コンサルタント・古川武士さんの仕事術

運命には逆らえない。だからこそ自分でコントロールできる領域に目を向けよう。習慣化コンサルタント・古川武士さんの仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに仕事術を学ぶ「HOW I WORK」シリーズ。今回は、ライフハッカー[日本版]の連載でもおなじみの、習慣化コンサルタント・古川武士さん(ふるかわ・たけし)さんの仕事術を伺いました。

古川武士さん(ふるかわ・たけし)

習慣化コンサルタント。日立製作所を経て、日本で唯一の習慣化をテーマにしたコンサルティング会社を設立。オリジナルの習慣化理論・技術をもとに、個人向けコンサルティング、習慣化講座、企業への行動定着支援を手がける。主な著書に『30日で人生を変える「続ける」習慣』『新しい自分に生まれ変わる「やめる」習慣』『7つの心のブレーキを外せばうまくいく「すぐやる習慣」』『マイナス思考からすぐに抜け出す9つの習慣』などがある。

1. 「これがないと生きられない」アプリ/ソフト/道具は何ですか?

WindowsよりはMac派です。ITツールにはあまりこだわりはないんですが、「Googleカレンダー」は共有用として欠かせません。

もう1つは「リマインダー」という行動リストをつくれるアプリを使っています。Macを2台、iPad、iPhoneを1台ずつ持っているのですが、リマインダーはアイデアメモやToDoリストを作る上でよく活用をしています。

アイデアは、散歩してるときや本を読んでるときなどに、突如としてポコッと湧いてくるもの。その湧いてきたものを、iPhoneやiPadにメモして、各デバイスで見られるように同期します。習慣化のブログや各媒体での連載、メルマガやセミナーなどの「アイデアメモ」として、リマインダーを使っています。

2. 仕事場はどのような環境ですか?

主には2つあって、1つは自宅兼オフィス。もう1つは顧客先でコンサルティングをするケース。自宅をオフィスにしている最大の理由は「移動時間」。移動時間をなくすことで生産性を高めるというのが、1番のポイントです。

3. お気に入りの時間節約術は何ですか?

「高密度化」という手法を提唱しています。「時間」を最大活用するために、重要なタスクから順にやるようにしています。

朝の1時間はルーティンワークとして、必ずその日の目標とフォーカスしたいことを15分間で紙に書く、ということをやっています。そして次に瞑想を15分やり、ブログの執筆と「習慣化の知恵」という音声コンテンツの録音を行います。

4. 愛用している、仕事をうまく進行させるためのツール(ToDoリスト、アプリ、道具など)はありますか?

普段のメモにはリマインダーを使用していますが、3カ月後、1年後の長期的な目標などを書く際にはモレスキンのノートを使っています。

B5サイズのノートをいつも持っていて、「手で書く」ことを大事にしています。なぜかというと、手で書けば書くほど思考が明確化し、曖昧な目標も行動リストになっていき、前に進めることができるようになるからです。

5. 携帯電話とPC以外で「これは必須」のガジェットはありますか?

情報ダイエットをするために、最近iPadを解約をしました。メールやSNSというものからなるべく距離を置いて、1日に30分程度しかアクセスしないと決めています。そういう意味では、「これは必須」というのは先ほどのリマインダーぐらいです。

6. 仕事中、どんな音楽を聴いていますか?

ほとんどの場合は聴いていないです。読書をするときにブラームスやモーツァルトなどのクラシックを聴くことがありますが、集中したいのでほとんど音楽は聴きません。

7. 仕事において役に立った本、効果的だった本は何ですか?

年間だいたい300冊ぐらい本を読みます。ですので、役にたった本というのはいくつもあります。その中でも自分の心の糧になっている本は、『奇跡のリンゴ―「絶対不可能」を覆した農家 木村秋則の記録』 (幻冬舎文庫) という本です。リンゴ農家の木村秋則さんという方が8年間かかって、ようやく無農薬のリンゴを作ったという話なんですけど、この人のエピソードは私の中でものすごく響いて、いつも心の糧として、何か諦めそうになったときには思い出しています。

また、村上春樹の『職業としての小説家』(スイッチパブリッシング)という本も印象に残っています。こうした異分野の方々の本というのが、意外と役に立ちます。スキルとか知識というレベルではなくて、例えば本を書くときのマインドであるとか、不安感であるとか、外からの批判というものを、どうやって乗り越えていくのか。いい作品を生み出すために、どんな生活習慣を送っているのか。この本には、村上春樹自身のリアルな小説家としての生き方がよく現れています。

8. 睡眠習慣はどのようなものですか?

私は『人生の主導権を取り戻す「早起き」の技術』という本を書いていまして、2つ重視していることがあります。1つは寝る時間を決めるということです。22時半を目安にして寝ています。その手前で何を重視してるかというと、子どもを風呂に入れる時間です。まだ子どもは2歳、1歳4カ月と小さいのですが、お風呂に入れる時間=19時半という時間を守れるか、守れないかによって生活習慣がすべて変わってきます。

寝る時間は起きる時間に依存してきますので、19時半にお風呂に入れる。そして22時半には布団に入って寝るようにしています。

もう1つは起床にについて。なるべく目覚ましで起きるよりも体内時計で起きるようにしています。寝入りの時間と起き抜けの時間を合わせて、スケジュールの中には8時間、睡眠時間を取っています。実質、「睡眠7時間」+「寝入りと寝起きの時間」となるようにしています。

9. 仕事をよりよく進めるために「習慣」にしていることはありますか?

なるべくパターン化することです。先ほど紹介した『職業としての小説家』の中で、村上春樹さんは朝5時から起きて10時まで小説を書いて、それ以降はスポーツなどいろいろなことをして過ごして、夜寝ると。で、それをもう判で押したように365日同じ生活するという。

まさにそのように、なるべく日々変動するよりも重要なものに安定的に集中できるように、パターン化するということをやっています。ですから、毎朝60分のルーティンをやって、その後90分単位でタスクを区切り、集中できるようにしています。それをなるべく体に染み込ませる、というのが習慣ということになるでしょうか。

10. いまお答えいただいている質問を、あなたがしてみたい相手はいますか?(なぜ、その人ですか?)

忙しい経営者の方々にはぜひ聞いてみたいですが、これといって誰というのは特別ありません。あえて言うならば作家の本田健(ほんだ・けん)さん。同じような分野なので、どんなことをやられてるかというのは、聞いてみたいところはあります。

11. これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください。

新社会人のころ、入社前に就職先が業績不振になり、いきなり出向になったという経験があります。20名いる新人のうち、数名が出向になりました。法人営業のつもりで入社したのに、コンシューマー向けのパソコンショップに出向をする羽目になったのです。

私は大阪出身なのですが、大阪支社で法人営業をやるはずだったのが、入社の2カ月前になって東京の秋葉原でパソコンを売ることになったのです。話が違うとそのときは抗議をしたんですが、会社の方針だからということで、従わざるを得なかったのでした。

そのときに読んだ本の中で、自分を変えてくれたものがありました。『グラッサー博士の選択理論』という本で印象的だった一節が、「この世の中で、とにかく自分がコントロールできるものと、できないものを明確に区別しなさい」という言葉でした。さらに、「コントロールできるものに集中しなさい」ということが書いてありました。

コントロールできない会社の意思決定、人事や社長が決める領域、もしくは景気や業績の良しあしによって変わる状況など、自分の運命そのものに目を向けるのではなく、今このパソコンショップの中で何が学べるのか、ということを考えて働くことができるようになりました。

12. そのほかに読者に伝えたいことがあれば教えてください。

私は29歳のときに雇われない生き方をしようと思い、独立をしました。それから10年が経ちます。今の私のミッションは、習慣化を通じて「人生が変わった」という感動をたくさん生み出すこと。そのミッションを持ったときからちょうど6年になりますが、今では15冊の本が出て、中国で6000人に向けて講演するという機会をいただいたり、雑誌の連載も月に1、2本ぐらい持てるようになりました。

平均寿命が80年程度と言われる世代の中で、われわれはものすごく長い間働かなくてはなりません。スキルや知識というのはどんどん古くなっていきますが、自分が大好きなことをやるということがものすごく重要だと思います。自分の使命と思えるような、わくわく感を生かせるような仕事に就くということです。

それがなんなのか。なんのために働くのか。何がやりたいのか。そして誰の役に立ちたいのか、ということを問い続けること。そしてそれに沿った生き方をするということがとても大切です。平均寿命が延びてきて、労働時間、労働人生が長くなるほど、自分の天職を見つけることがものすごく重要になってくると思います。自分の豊かさと心の平安をつくりだすにはなにが必要なのか、ということをよく考えるべきだと、強調したいです。

(ライフハッカー[日本版]編集部)

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