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ひらめきは即スケッチする:シボレー社のクリエイティブ・デザイナー、ヴェン・ライさんの仕事術

ひらめきは即スケッチする:シボレー社のクリエイティブ・デザイナー、ヴェン・ライさんの仕事術

敏腕クリエイターやビジネスパーソンに学ぶ仕事術「HOW I WORK」シリーズ。今回はシボレー社のクリエイティブ・デザイナー、ヴェン・ライ(Ven Lai)さんの登場です。

自動車のような複雑なものを作るときは、さまざまなバックグランドの人たちが広範囲に協力しあう必要があります。実質的なメカニックの部分をデザインするエンジニアはもちろんですが、車の乗り心地を決定する美観や感触に係る要素を1つ1つ厳選するデザイナーも欠かせない存在です。

シボレー・クルーズのカラー&トリムのデザインに参画したヴェン・ライさんはシボレーには欠かせない人物です。ファッション・デザイン界出身の彼女にとって、自動車業界の仕事でクリエイティブなスキルを発揮することになったのは想定外だったかもしれません。いつもの『HOW I Work』シリーズに一味違った彩を添えるユニークな立ち位置の彼女に仕事術を聞いてみました。

居住地: ミシガン州ウォーレンのデザインセンター 現在の職業:シボレー・クルーズのグローバル・シボレー・カラー&トリム主任クリエイティブ・デザイナー 仕事の仕方を一言で言うと: 1つ1つ丁寧に 現在の携帯端末:私生活ではサムソンのGalaxy S7 Edge、仕事ではiPhone 6を使っています。 現在のPC: Apple Mac ProとiMac

── まず、略歴と現在の仕事に至るまでの経緯を教えていただけますか?

私はファッション・デザインや応用テキスタイル・デザインの出身で、学校時代にGMデザイン社からリクルートされました。当時は、自動車のデザインや色や素材のことは何もわかりませんでしたが、結局その仕事をすることになりました。出社初日は、上司が私と一緒に車の中に座り、車の全パートを説明してくれました。その後、我が社が世界中で販売しているあらゆる小型車のカラー&トリムを担当させてくれました。私は何でも超高速で学習します。

私が最初に手掛けた車はシボレー・クルーズでした。このような世界に通用する製品のスケールと強大なインパクトをそのとき実感したことを鮮明に覚えています。

── 「これがないと生きられない」というアプリ・ソフト・ツールは?

仕事では、クリエイティブなアイデア、グラフィック・レイアウト、製品戦略を視覚的に伝えるためにAdobe製品を広範囲に使っています。

私の仕事には画像マイニングが必須なので、VSCOInstagramは空想を膨らませたり、インスピレーションを得たり情報をシェアするのに適したプラットフォームだと思います。

携帯電話にすっかり夢中な私は、Googleはどうして私の習慣や私が必要とするものがわかるんだろうと思います。

── 仕事場はどんな感じですか?

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私のデスクはガラスの壁に面していて、オープンエアのパティオが見えるようになっています。さまざまな素材や色を使って仕事をしていると自然光があるのは本当にありがたいですね。

Mac Pro、2台の大型スクリーン、Wacomタブレットがあります。それから、ファブリックの見本、ペイントのサンプル、クロム見本、ドアパーツ、計器パネル盤、フロアマット、レザー、糸巻き、シートバン、レーザーエッチサンプル...数え切れないほどの素材を貯め込んでいます。

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── お気に入りの時間節約術やライフハックは何ですか?

どう転んでも大過ない作業は締切ギリギリにやるようにして、途中で気持ちがブレたり気が変わったりしないようにしています。旅の荷造りは出発直前にしたい方なので、空港に向かう15-30分前になってから荷造りします。そのせいで周囲を心配させているようです。仕事が立て込んでいるときは、普段より早く出勤するようにスケジュールを切り替えて、独りの時間を邪魔されないようにしています。クリエイティブな仕事をするときは、会議で中断されないようにスケジュールを何時間かまとめて押さえることもあります。

── 愛用しているToDoリストマネージャーは何ですか?

紙とペン。

── 携帯電話やPC以外で、「これがないと生きていけない」というガジェットはありますか?

アイデアを書きとめるためにいつもスケッチブックを持っています。スケッチしたりメモを取ったりする昔ながらのやり方が好きです。質の良い繊細な線が書ける黒いインクのペンが好みで、何ダースもまとめ買いします。紙に書くとキレイですし、値段も高くなくて、旅に持っていくにも適しているからです。

── 日常のことで「これはほかの人よりうまい」ということは何ですか?

プレッシャーやストレスにさらされても常に平常心を保っていられることです。難題や揉め事、挫折を糧にできるタチです。解決策を見つけて物事をもっとうまくやるチャンスとしてとらえています。

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── 仕事中は何を聞いていますか?

音楽の趣味は良くないので、適当に音楽ステーションをクリックしたり、Spotifyのプレイリストや夫が作ったプレイリストを使っています。

── 今、何を読んでいますか?お勧めの本はありますか?

今年はモンゴルに旅行しそうなので、モンゴルに関するあらゆるお勧め旅情報を読んでいます。あとは、Paul Beatty著『The Sellout.』です。

── どのように充電していますか? 仕事のことを忘れたいときはどうしますか?

ちょっと休憩したいときは、新鮮な空気が必要です。爽やかな空気を吸えたら何よりですが、少し屋外に出るだけでも大丈夫です。

物を投げて犬にとって来させる遊びもかなり効果的です。犬がはしゃぐとこちらもすぐに愉快になれますし、自分が走り回らなくてもいいので。

台所で過ごすことも私には向いています。めんどくさくて手間のかかるレシピを作るのが好きです。

── 睡眠習慣はどのような感じですか? 夜型ですか、朝型ですか?

あまり健康的な睡眠スケジュールではありません。普段は午前0時から1時の間に就寝して、朝5時か6時に起きます。私にはこれで十分なんです。

── 今日あなたがされたのと同じ質問をしてみたい相手はいますか?

3つ星イタリアンレストランのオーナーシェフ、マッシモ・ボットゥーラ(Massimo Bottura)氏。

── これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください

謙虚さとハングリー精神を忘れるな。

── そのほかに読者やファンに伝えたいことがあればどうぞ

文化都市に旅することはとても大きな価値があると思います。慌ただしく人が溢れている都市に過剰なまでに感覚が刺激されるのが好きです。背後でざわざわ聞こえる日常の雑音、漂ってくる馴染みの無い匂い、キラキラした新しい建造物の隣に立つ対照的な古いビルの素材、市場で売られている地産品や工芸品の色彩、ストリートファッション。都市を実体験することに勝るものはありません。クリエイティブな仕事をしている人間としては、こういう細かいことをいつも記録しています。将来シボレーのデザインのヒントになるかもしれませんから。

Andy Orin(原文/訳:春野ユリ)

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