オーダースーツの本当の価値はどこにある? そのパフォーマンスを、メンズファッションライター・丸山尚弓さんに聞いた

格好良くスーツを着こなす大人でありたいけれど、オーダーメイドのスーツはいかにも高そう。そう考えて二の足を踏んでいる人は、案外多いのではないでしょうか?
昨年オープンした「DIFFERENCE(ディファレンス)」は、オーダースーツが3万5000円~という低価格で購入できる画期的なサービスです。おまけに初回だけ店頭で採寸を済ませれば、2着目以降は手元のスマホからオーダー可能。佐藤可士和氏プロデュースというインパクトも手伝って、早くも大きな反響を呼んでいるようです。

まずはアプリをダウンロード。2着目以降はスマホでオーダー!
「DIFFERENCE」が革新的だったのは、とかく気後れしてしまいがちなオーダースーツを、専用アプリによってぐっと敷居の低いものにしてくれたことでしょう。

アプリをダウンロードしたら、まずは来店予約からスタート。この際、生年月日や身長、体重などのデータを入力します。そして初回は店舗で採寸し、その場で生地を見ながらデザインを打ち合わせ。確定してオーダーを済ませると、2週間程度で商品が仕上がるというスピード感も魅力です。なお、採寸データはアプリに記録されるので、2着目以降は来店不要。
ネット上から生地やデザインを指定するだけで、オーダーメイドのスーツが購入できるので、多忙なビジネスパーソンには大助かりです。
今年は新たに12店舗をオープンする「DIFFERENCE」。ますますオーダースーツが身近なものとなりそうです。
しかしその一方で、「既製品で十分」などと、まだ及び腰な人もいるかもしれません。そんな方へ向け今回は、ライフハッカーの連載でもおなじみのメンズファッションライター、丸山尚弓(まるやま・なおみ)さんと共に「DIFFERENCE」新宿南口店を訪ね、あらためてオーダースーツの魅力について探ってみました。
オーダースーツ=身体にフィットしたスーツがもたらすメリット

「それが自分の体型にフィットしたスーツであるかどうかは、ひと目見ただけでもわかってしまうものです。一見、高級そうだったり、いかにも上質な生地を使っていそうなスーツでも、サイズが合っていなければやっぱり違和感を覚えます。逆に、ちゃんとその人の身体に合ったスーツというのは、自然と"素敵だな"と思わせてくれるんですよ」
そう語る丸山さん。やはりサイズ感はファッションにおいて最重要項目です。スーツは高級であればいいというものではない、これは男として肝に銘じておきたいところです。

「たとえば、暖かくなるこれからの季節はジャケットを脱ぐシーンが増えると思いますが、その際にパンツのサイズが合っていなくてベルトで詰めたシワが寄っていたりすると、若い人でもおじさん臭く見えてしまいます。また、太めの体型の人ほど少しでもスリムに見せようと小さめのサイズを選びがちですが、これは完全に逆効果。パツパツでかえって見栄えが悪くなってしまいます」(丸山さん)

自分の体に合ったスーツはどのような動作でもボディラインに沿って動いてくれるので、見た目にもスタイリッシュ。世の女性はそういう部分をしっかり見ているものなのです。
身体にフィットしていないスーツは、仕事のパフォーマンスにも影響を与える?

この日のモデルをお願いしたDIFFERENCEゼネラルマネージャーの中嶋さんは、ジャストフィットのスーツで一分の隙も感じさせません。背中のラインを見ても、体に沿ったS字がキレイに表れ、既製品との差は歴然です。

「ハイブランドであるかどうかが問題ではなく、肩周りや腕、胸にかけて浮きが出ないサイズであることが大切です」(中嶋さん)

そんな言葉にも、大いに説得力を感じさせる着こなしです。また、仕事着としてのスーツについて、丸山さんから次のような指摘も。
「体に合っていないスーツは、パフォーマンスの面でも悪影響です。たとえば肩周りのサイズが合わないと、作業をしていて肩が凝ったり疲れやすかったりと、どうしても能率が悪くなります。いわば、スーツはビジネスパーソンの戦闘服ですから、決してないがしろにしないでほしいですね」
サイズがフィットしているかどうかで、動きやすさもかなり変わるということ。仕事においてフルにパフォーマンスを発揮したいなら、やはりオーダースーツは必需品かもしれません。

佐藤可士和プロデュースの高級感あふれる空間で、上質なおもてなしを

さて、オーダースーツのメリットがわかったところで、早速アプリから予約を済ませて「DIFFERENCE」の店頭を訪ねてみると、まずはそのオシャレな空間に驚かされるでしょう。オーダーメイドのスーツをつくる体験と合わせて、ラグジュアリーな体験を演出してくれます。

「『DIFFERENCE』は事前に要望を伝えられるのも嬉しいポイントだと感じました。好みに合わせた生地やアイテムをあらかじめ数パターン見繕って、個別のボックスに収容して待機してくれているんです。来店後に接客が始まるのではなく、来店時にはもう、案内できる状態が整っている。これはお客さんの側にとって、非常に贅沢な体験になるはず」(丸山さん)
「スーツをオーダーする」というプランを、デートコースに組み込んでみるのも一興でしょう。実際、カップルで来店するお客さんも少なくないそうです(レディースももちろん取り扱っています)。あるいは、こうしたオーダーのプロセスも含めて、彼女にプレゼントするのもいいかもしれません。
そもそも、自分の身体の寸法を正確に把握している人というのは、案外多くないでしょう。その点、プロの知見に触れられることも、「DIFFERENCE」の魅力のひとつであると丸山さんは語ります。
「プロのテイラーさんというのは、既製服のサイズを数字で把握していますから、一度採寸してもらえば、今持っているスーツがその人に本当にフィットしているか、おおよそ理解できるはず。その意味では、手持ちの既製服を見直したり、今後のスーツ選んだりする際のアドバイスをもらうこともできるのは?」
つまり、1着仕立てること以上の価値をもたらしてくれる「DIFFERENCE」。これまで既製服しか着たことがないという人こそ、その確かな違いを実感してみてください。

早速アプリをダウンロードして店頭へ!...の前に
最後に、丸山さんが監修したオススメコーディネートをご紹介します。

「記念日のディナーやバースデーなど、少しだけ特別な日に着たいコーディネート。手の届く距離なら、1つ1つの洗練されたディテールに気が付くはず。後姿もサイドベントでスマートに。本切羽やフルステッチなど、周りと差がつく『本物』にこだわった一着」とのこと。
アプリの「オススメスタイル」のページから選んで注文することができるので、気に入った方はぜひ!
DIFFERENCE(ディファレンス)|誰もが自由に楽しくスーツをパーソナライズ
(文/友清哲、写真/松島徹)
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