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[ Lifehacker Special Feature ]

働き方改革とマインドフルネス

マインドフルネスを科学して日本人の働き方を変える。ウェアラブルデバイスで集中力を確認できる時代がやってきた。

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マインドフルネスを科学して日本人の働き方を変える。ウェアラブルデバイスで集中力を確認できる時代がやってきた。

長時間の残業が問題となるなど、今、日本人の働き方が改めて問われています。とはいえ課されたタスクは減らず、仕事が終わらなければ帰れない。それならば時間内にいかに集中して生産性を上げるか? ということが重要になってきます。

そのための有力な手段としてあらためて注目を浴びているのが、マインドフルネスです。働く人のパフォーマンス向上を目指したプログラムを企画する「cocokuri」が始動し、ビジネスパーソンの間で大きな話題となっています。ライフハッカーでは前記事でマインドフルネスの実践法と、インナーコーリング社が開発したプログラム「cocokuri」が日本人の働き方を変える可能性について触れました。

cocokuri」では、米・シリコンバレーで世界的なイノベーションを起こす優秀なエンジニアたちが取り入れているマインドフルネスに着目。さらに集中力を測定し、可視化できる最先端ガジェットのメガネ「JINS MEME」を取り入れて、プログラムを進化させています。

今回は、「cocokuri」を運営するインナーコーナリング執行役員の水野由貴さん、そして「JINS MEME」の開発担当者である井上一鷹さんにお話を伺いました。

労働問題にあらためて向き合うべき局面を迎えた今、ビジネスパーソンにとって、マインドフルネスの必然性とは?

水野由貴(みずの・ゆき)
株式会社インナーコーリング 執行役員。1988年生まれ。大学卒業後、エン・ジャパン株式会社入社。法人企業の採用活動支援を担当し、その後エージェントサービスにて個人のキャリア支援を担当。早期よりマネジメントを任され、社長新人賞、マネジメント賞を受賞。

井上一鷹(いのうえ・かずたか)
株式会社ジェイアイエヌ JINS MEME Gr事業開発担当。1983年生まれ。慶應義塾大学理工学部卒業後、戦略コンサルティングファームであるアーサー・D・リトルに入社し、大手製造業を中心とした事業戦略、技術経営戦略、人事組織戦略の立案に従事。2012年にジェイアイエヌに入社。社長室、商品企画グループマネジャー、R&D室マネジャーを経て、現在はJINS MEME Gr事業開発担当。

ビジネスパーソンに重要な「集中力」が見える化されるメリット

cocokuri0228_2.jpg株式会社ジェイアイエヌ JINS MEME Gr事業開発担当 井上一鷹さん

── 「cocokuri」と「JINS MEME」がコラボレーションするきっかけから教えてください。

井上:僕は前職ではずっと事業開発などのコンサルティングをしていたのですが、企業でイノベーションを起こすことの難しさを痛感していました。株式会社ジェイアイエヌに転職を決めたのは、ちょうど革新的な「JINS PC(PCやスマホから発せられるブルーライトから目を守るメガネ)」を世に出した頃で、イノベーションを起こす土壌があると感じて入社しました。以後5年間、ハードウェアやアプリ、サービスの開発に関わる過程で、集中力を測定できる「JINS MEME」が誕生しました。

同時に、お客様に製品を届けるためのソリューションを模索するなかで「cocokuri」との運命的な出会いがありました。半年前に出会った瞬間から、お互いやりたいこと、目指すことが合致してスピーディに物事が進んだ感じでしたよね。

水野:私自身、最新ガジェットはすぐに手にしたい方なのですが、現在、「cocokuri」のマスターコーチを務める僧侶の井上広法さんが「JINS MEME」を持っていて、「これで集中力が測れるんだよ」と仰っているのを聞いて、「嘘でしょ?」と思ったのが最初の印象でした。

cocokuri0228_3_1.jpg株式会社インナーコーリング 執行役員 水野由貴さん

── 井上さんは、もともとマインドフルネスに関して知見があったのですか?

井上:以前、瞑想アプリを開発したことがあって、そのきっかけが、Googleが開発したマインドフルネスを用いた研修プログラムSIY(Search Inside Yourself)にも参加している妙心寺・春光院の副住職、川上全龍さんとの出会いでした。

マインドフルネスが盛り上がるアメリカ西海岸でさえ、瞑想という抽象的なものをロジックとして語り、数字で指標化することにはまだ成功していません。だからこそ、日本の禅思想から派生したマインドフルネスを彼らに伝えるときに、日本発のデバイスできちんと計測して、彼らも世界も変えていくというビジョンをもって、開発を進めた経緯がありました。だからこそ、まずは日本にマインドフルネスを定着させたうえで、改めて彼らにちゃんとしたメソッドを伝えたいと考えています。

ただ、それを成し遂げるのは、かなりの大事業となります。ひとつのお寺や弊社だけでは絶対できません。だからこそ、"マインドフルネスで働き方を革新する"というモチベーションがあるインナーコーリングさんとタッグを組むことで、その後押しができればと考えました。

── そもそも「JINS MEME」が生まれた背景として、「脳トレ」の開発者として知られる東北大学の川島隆太教授との出会いが大きいとのことですが、開発の発端について教えてください。

井上:川島教授の専門分野は認知症なんです。認知症の患者は健常者と比べると、明らかに目の動きがゆっくりになるそうです。でもそれが、暗黙知であるがゆえに、誰も測ったことがなくて予兆が読めないというんです。認知症は罹患すると治療が難しいけど、なる前に対策を打てば先制医療になるんです。

そこで、下着の次に着けている時間が長い"メガネ"にその計測装置をつければ、認知症の予兆がわかりやすくなります。病気が根絶すれば、国を滅ぼすような莫大な医療費を削減することにもつながって、社会的にとても意味があることなのです。こうした技術やノウハウを今、きちんと構築できれば、海外にヘルスケア分野で輸出できる国になると、川島教授は考えているんですよ。基幹産業が自動車からヘルスケアに取って変わるかもしれない、ということですね。そんな対話から開発がスタートしました。

── では、「cocokuri」が実施するビジネスパーソン向けのマインドフルネス・プログラムに「JINS MEME」を取り入れた経緯について教えてください。

水野:「cocokuri」のプログラムは、ビジネスパーソンに向けて、まずは自身の心の健康が大事だということに気づかせる内容になっています。プログラムの一番の基盤は、集中力を養うこと。集中力を土台に、心的耐久性という心の強さ、共感力、それから創造的知力を鍛えるさまざまなプログラムを用意しています。

ビジネス向けの研修プログラムというのは、実施するだけで終わって、その後の成果が見えづらいものですよね。既存のビジネスモデルといかに差別化するかを考えたときに、以前から集中力を測れる「JINS MEME」に注目していました。一方で、心理学者でサイエンスライターであるダニエル・ゴールマンの『フォーカス』を読んだときに、集中を測ることのメリットが書かれていて、それが後押しにもなりました。

忙しい日常にマインドフルネスを習慣化させるためにもデータが有効

170214_cocokuri_4-1.jpgメガネ型ウェラブルデバイス「JINS MEME」は3点式眼電位センサーと6軸センサーを搭載し「自分を見るアイウェア」をコンセプトにした世界初のセンシング・アイウェア。Bluetoothでスマホのアプリと連携する。

170214_cocokuri_4-2.jpgアプリ「JINS MEME OFFICE」では1日の集中時間の総量がリアルタイムで可視化される。

170214_cocokuri_4-3.jpgアタマ、ココロ、カラダの状態を計測し、作業中の集中の継続時間と深さをリアルタイムに目視できる。

── 前回の記事で「cocokuri」のマスターコーチである井上広法さんが語ったマインドフルネスの3つのポイントである「調身」「調息」「調心」が「JINS MEME」で可視化できるのは新しい発見だと思います。とはいえ、マインドフルネスを習慣化することは、忙しいビジネスパーソンにとってはなかなか難しいことだと思います。その点についてはいかがでしょう?

水野:一般的にマインドフルネスと聞くと、座禅を組むところをイメージされると思いますが、「cocokuri」では、日常生活に手軽に取り入れられるマインドフルネスについても教えています。ですので、慣れてくると、たとえば歩いているときや髪をドライヤーで乾かしているときといった、日常生活の中で無理なく落とし込める手法をセミナーの受講者との対話のなかで探っていきます。

それからマインドフルネスを継続させるために、「cocokuri」では8週間のサポートもしています。法人様向けに随時コミュニケーションがとれるSNSを用いたり、今後はSkypeに似たテレビ会議を導入してお悩みを聞いたりすることも検討しています。

「JINS MEME」を導入してみて興味深いのが、その8週間で集中力がどう上がっているのかをみんなが張り合うようになるんですよ。実は数値化するおもしろさってここにあるのではないでしょうか。しかも、「集中力」を張り合うこと自体、あまり毒がないというのもポイントです(笑)。

井上:いい意味での競争心が見えてくるわけですね。

水野:そうなんです。ある大手企業で実施した事例としては、その会社の優秀な社員の方が意外と集中できていなかったり。

井上:ドライアイなのかな(笑)。作業が簡単すぎると集中しないものなのですが、もしかしたら頭がよすぎて、やっている仕事が簡単すぎるのかもしれませんね。

水野:弊社で実施したときも、ある女性社員が一番集中力の数値が高かったのですが、やはり人の点数って気になるんですよね。だからこそ数値化することで、話題を共有できる楽しさがあって、しかも抽象的な瞑想にきちんとエビデンスが加わるんです。

井上:数値化することで話題が共有できるし、習慣化にも役立ちますよね。たとえば、ランニングアプリだと、走った距離を測定するとき、義務感と達成感が生まれて、さらにシェアして共有することでお互いを比較して楽しめますよね。この要素が入ってくることで、習慣化できるんだと思います。

水野:今後はFacebookのシェアボタンもつけられればいいですね。

今ビジネスパーソンに必要なのは、マインドフルネスの正しいコミュニティ

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── アメリカ西海岸で広がったマインドフルネスについて、その背景をどうのように捉えていますか?

井上:アメリカ西海岸を中心とするエリートたちは、これまで大学やMBA、本などで知識やスキルを高めてきたけれど、だんだん能力の差がなくなってきたのが現状ではないかと思います。何の知識をつけるかで勝負していた「What」の時代から、どうやって知識やスキルを身につけるかという「How」の勝負になって、さらにそのフレームワークをどのように考えればアウトプットができるか? ということが問われる時代が来たわけです。

結局、自分が持っている資質をその瞬間にどれだけアウトプットできるかということが仕事におけるパフォーマンスだと思うんです。なぜ西海岸でマインドフルネスが流行っているかといえば、この点ですでに差別化できなくなってきているからだと僕は考えています。たとえば、大手企業が革新的なフレームワークを作っても、2年後には陳腐化してしまうほどITの進化するスピードは速い。だから、1000万円かけてMBAに通って知識をつけても、結局、2年後にはすでに使える知識ではなくなっていることも多々あるでしょう。

だから、IQを高めるよりも、今、「グリット(やり抜く力)」が重要視されているのは、社会情勢として正しいと思っています。Googleで検索すればわかる情報にお金をかけるのではなく、この瞬間、いかに最大限のパフォーマンスを出すか? が大事であり、それをするためにビジネスパーソンにマインドフルネスが必要なのです。本質的に自分の実になるための自己投資がまさにマインドフルネスですよね。そしてそのための場をちゃんとデータを用いて網羅的に用意しているのが「cocokuri」だと思うんです。

水野:まさにその通りだと思います。心のスキルや鍛え方は学校では教えてくれませんよね。

── 集中力は4時間しか持続しない有限なものであるという説もうかがっています。その有限の集中力をいかに伸ばして、効率よく使うかということもこれからのビジネスや働き方の鍵になるんですね。

井上:その通りだと思います。おもしろいことに、有限な集中力の使い方って国民性が出るんですよ。海外では、4時間の最適配分をどうするかを考えますが、その点、日本人は根性論になりがちです。日本人に「集中力の限界は4時間だ」と言うと、「どうすれば5時間になりますか?」と聞かれるんですよ。そこを上手にマネジメントすることが、現代人にとっての正しい答えなのではないでしょうか。

水野:やはり集中していると疲れるものなんですよね。

井上:そう、集中することって疲れを感じさせないためのモルヒネなんです。ドーパミンを出すことで、本来、その人の感覚としてもたなければならない疲労感を忘れさせるので、そのストッパーとして、マネジメントが必要なんです。

水野:だからこそ、一過性のブームで終わらせずに根づかせるには、習慣化の話にも通じますが、マインドフルネスのちゃんとしたコミュニティをいかに作っていくかということだと考えています。

ヨガを例にとると、幾度かのブームを経て、今はちゃんと教えてくれる団体やコミュニティといった場が日本中にそろっていると思います。一方で、マインドフルネスにいたっては、今はそんな場さえない状態だと思うんです。

先日ある会合で、「マインドフルネスをやってるんですよ」という人が若い人のなかにたくさんいたんです。でも、とりあえず毎朝10分間座ってみてはいるけど、実際に正しいやり方は分かっていないようでした。以前、何十年も瞑想を続けていた人が、実はやり方が間違っていたという記事もありましたよね(笑)。

働き方改革のカギは、働く人の生産性をいかに向上させるか?

cocokuri_6.jpg「JINS MEME」を使ったcocokuriの研修の模様

水野:Googleが開発したマインドフルネス・プログラム「SIY」 のようなイメージで、「cocokuri」のプログラムに参加すれば大丈夫という安心感の持てる組織やコミュニティを構築するのが私たちの使命だと思っています。それから、日本の働き方改革という文脈のなかで、法人の施策としてマインドフルネスを取り込んでもらえれば、それは流行とは違う次元でしっかり普及すると考えています。

井上:それから現実的に労働人口の問題もありますよね。日本に今8000万人いる労働力人口が、2030年までに16%ぐらい減るんです。一方で残業時間を削るとなると、23%ぐらい労働時間を減らさなければいけません。すると、GDPが3分の2になる計算なんですね。GDPを下げないようにするには、みんなが2日で3日分の仕事ができるようにならないと、国が沈んでいくわけです。

水野:生産性を上げることが、まさに働き方改革のポイントですよね。「cocokuri」でも、ビジネスパーソンが集中力を高めるための手段としてマインドフルネスを活用いただけるようなさまざまな場を提供していきたいと考えています。

一般的な人事って自分の会社の業績を上げようと思ったときに、人員を増やすか、優秀な人材を採用するかという2軸でしか考えない傾向があります。しかし、現状は人材の奪い合いになっている状態なので、今いる社員の生産性を上げることにテコ入れする方が重要だと思うんです。

── 他にもビジネスパーソンの働き方を改革するために取り組みたい課題はありますか?

水野:今後は、もう一歩踏み込んで、クリエイティビティをいかに向上させるか? というテーマも課題のひとつです。たとえば、クリエイティビティの高さと瞑想中のスイートスポットの関係性についてはブラックボックスなんです。でも、マインドフルネスが広がっているアメリカでも成功していないからこそ、私たちが挑むべきいい課題になると感えています。それができたら、川島教授や井上さんのビジョンにも通じますが、メイド・イン・ジャパンの「JINS MEME」とともに、海外に輸出できるエビデンスのとれたノウハウになると考えています。

井上:クリエイティブについて「JINS MEME」ができることでいえば、ルーティンを探すことだと思っています。たとえば、作家は原稿を書くときにどういうスタンスでその瞬間、原稿と向き合うかというのは、人によって違いますよね。その人にとって一番フローに入りやすいものを見つけているはずなので、それを計測できたらおもしろいですね。

水野: 「JINS MEME」のイノベーションを機に、集中力以外にもデータで解明したいことはたくさんありますが、まずはマインドフルネスを流行で終わらせず、なおかつアメリカにもそのノウハウを輸出できるように成長することが、日本の働き方の改革にもつながる鍵になると考えています。


労働時間や人口が減少することを背景に、今、ひとりひとりの生産性が問われています。だからこそビジネスパーソンに必要なのは、生産性を高めるための集中力を身につけること。これは、今後の働き方改革のカギとなることは間違いありません。

また、世界有数のIT企業が集中するアメリカ西海岸で、最後のひと押しとしてパフォーマンス向上のために取り入れられているマインドフルネス。アメリカで起きることは、将来かならず日本でも起きるでしょう。このブームを機に、企業やビジネスパーソンに根づくことで、将来、日本で開発された集中力のデータをともなう最新のマインドフルネスが、海外に輸出される日もそう遠くないかもしれません。

cocokuri

(聞き手・構成/米田智彦、文/庄司真美、写真/松島徹)

マインドフルネスで働き方改革を。マスターコーチに聞く初心者向け瞑想メソッド

体と同様、心を鍛えることは生きていくうえで不可欠なスキル。その心の問題にフォーカスし、世界中で脚光を浴びているのがマインドフルネスです。いま目の前にあることに集中し、自分自身を客観的に観察するトレーニング法であるマインドフルネスは、情報過多の中、マルチタスクが多く、注意力が散漫になりがちな現代のビジネスパーソンパーソンの集中力を高めるなど、働き方を変革する手法としても注目されています。

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