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今さら「インフルエンザの予防接種を受ける」のは遅すぎ?

今さら「インフルエンザの予防接種を受ける」のは遅すぎ?

Popular Science:今年はまだインフルエンザの予防接種を受けていないという人はいますか? 忙しかったし、年末年始の休日があったし、鼻水がしつこく続いていたりすると、予防注射なんかして意味はあるのかと思ってしまいますよね。そうこうしているうちに、気づけはもう2月。オフィスでは1人、また1人とインフルエンザに倒れていきます。「今からインフルエンザの予防接種を受けても遅すぎるんじゃないの?」と思っているんですね。

米国では、今年のインフルエンザ流行期用に1億5700万個から1億6800個のワクチンの生産が見込まれています。そのほとんどが3種混合ですが、罹患リスクの高い人向けに4種混合もあります。ワクチンでは対処しきれないインフルエンザの種類はたくさんありますが、毎年、米疾病対策センター(CDC)が季節性ワクチンをその年一番流行りそうなウィルスの型に合わせる試みをしています。

インフルエンザの流行期は毎年10月から3月で、疾病対策センターは10月末までにワクチンを接種するよう奨励しています。ワクチンに含まれるウィルス型への耐性が体内にできるのに2週間かかるので、予防接種は早ければ早いほど良いわけです。

だからと言って、遅すぎるということはありません。日付が3月1日に変わったとたんに、インフルエンザがいっせいに活動停止するわけではないのですから。現在は、インフルエンザとおぼしきものが15の州で大流行中で、11以上の州とプエルトリコでは中程度に流行しています。

カリフォルニアではインフルエンザの流行は中程度ですが、公衆衛生官は今季のインフルエンザは、流行期が始まってから1月20日までに14人が死亡するという深刻な結果をもたらしていると指摘しています。

2017年1月下旬の発表では、カリフォルニア州公衆衛生官のKaren Smith博士が「今季まだ予防接種を受けていない人は、自分自身と家族のために今からでも予防接種を受ければ、この冬の間、身を守る助けになる」と語っています。

疾病対策センターは、生後6カ月以上の人は全員予防注射を受けることを推奨しています。乳児はまだ免疫システムが完成していないので対象外ですが、それ以外の人は、予防接種を避ける理由は無く、たとえ卵アレルギーがあっても例外ではありません。

ワクチンは卵の中で培養されるため、卵アレルギーがある人は予防接種を受けた後、30分間は様子をみる必要があると一般に言われてきました。しかし、今季、疾病対策センターは、じんましん以外の症状が出ない軽い卵アレルギーの人ならワクチン接種後は帰っても大丈夫なことを明確にしました。それより重い卵アレルギーの場合は、病院やクリニックのような医療施設で接種した方が良いですが、命に関わるほど重いアレルギーでない限り、やはり予防接種は受けたほうが良いでしょう。

(編注:厚生労働省の予防接種ガイドラインによると、卵を食べるとひどい蕁麻疹や発疹等が出る場合は注意が必要とのこと。卵アレルギーや鶏卵・鶏肉にアナフィラキシーがある方は、必ず医師と相談の上、予防接種を実施するか決定してください)

それに、これはインフルエンザがピークになる季節の最後の2、3週間だけわが身を守るという話ではすみません。予防接種を受けると他人の命も救うことになるかもしれないのです。予防接種を受ける人が増えるほど、インフルエンザが大流行する可能性は低くなり、乳児や免疫不全の人のようにワクチン接種ができない人たちが罹患する可能性も低くなるからです。65歳以上の人たちのようにワクチンを打ってもあまり利かない人たちを守ることにもなります。

米国では2010年以来、インフルエンザで入院した人の数は数十万人に及び、数千人が死亡しています。ことは深刻なのです。だから自分には予防接種は必要ないというだけでは、予防接種を免れる言い訳にはなりません。

近年は、鼻腔内スプレーを使ったワクチン接種が選択できるようになりましたが、昨夏、疾病予防センターの予防接種実施委員会が2017年のインフルエンザ流行期にはその方法でのワクチン接種はやめるように採決しました。理由は、インフルエンザの予防には効果が無いことが科学的に実証されたからです。そのため、残念ながら今年のワクチン接種はやはり注射で受けることになりそうです。

Is it too late for me to get a flu vaccine? | Popular Science

Mary Beth Griggs(訳:春野ユリ)

Photo by Shutterstock.
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