忙しい人と暇な人、どちらが偉い? アメリカとイタリアの国民性の違い

ビジネス・インサイダー・ジャパンより転載:「いつも忙しい」ということに関しての最終的な結論が出た。
あなたが最近どれくらい忙しくしているか誰かに伝えると、彼らはあなたがとても重要な人物であると考えるだろう。
しかしながら、コロンビアビジネススクール、ジョージタウン大学、ハーバードビジネススクールの最近の調査によると、「忙しさ」と「重要な人物」であることとの間には、特に関係はないようだ。アメリカ人が忙しさを社会的地位の象徴として捉えるのに対して、他の文化では余暇の時間を社会的地位の象徴として見ているようである。The Harvard Business Reviewの研究ではアメリカ人被験者に、おそらく忙しいと思われる人の偽のソーシャルメディアの投稿(「あ〜、今週はずーっと働きっぱなしだ!」)を見てもらい、自由な時間が十分にある人の偽の投稿(「お昼休憩をのんびり楽しんでま〜す」)も見てもらった。
被験者は自由な時間が多い人よりも、忙しさをアピールしている人を社会的に地位が高い人とみなした。
もっとも面白かった実験は、アメリカ人とイタリア人の忙しさに対する認識を比べたものであった。被験者は長時間働いているスケジュールびっしりの35歳男性と、働いていなくてのんびりした生活スタイルの35歳男性だった。
もちろんアメリカ人は長時間働いている男性を地位が高いとみなしたが、イタリア人はのんびり暮らしている男性をより地位が高いとみなしたのである。
調査員は、この文化的違いを2つの国の社会的流動性における異なる認識から来る、とまとめた。
激務を成功への道と捉えた被験者たち(一般的にアメリカで当てはまる例)は、忙しさは社会的地位の象徴とみる傾向にあった。社会的な階級をより自由の効かないものだと捉える人たち(多くはヨーロッパ諸国で当てはまる例)は、余暇の時間があることを社会的地位の象徴とみる傾向があった。
以前の調査では、人はどのくらい働いているかを----たとえ実質的にずっと働いているわけではなくても----自慢げに話す傾向にあると示唆している。これはつまり、他の人に自分が重要で影響力のある人物であるというふうに見せたいからである。
もちろん、自分がどれだけ忙しいのかを伝えると、自分自身でもそうなのかと信じ込むようになる。しかしながら、少なくともあるタイムマネジメントの専門家は、わたしたちは自分たちで思っている以上に時間があるものであると言っている。
言い換えると、実はあなたはそこまで忙しくはないのである。そして、そのことに気づくと、あなたが本当に楽しいと思える「仕事以外のこと」の時間を確保できるはずである。
[原文: The reason Americans value 'busyness' has less do with work ethic than culture]
(翻訳: Yasuko.K)
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