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2016年にわかった、幸せにまつわる5つの研究

2016年にわかった、幸せにまつわる5つの研究

Inc.:有名人が次々とこの世を去り、ぞっとする見出しがニュースを賑わし、政治の面でも失望を味わった2016年は、どう考えても、「幸福の当たり年」とはいえないでしょう。とはいえ2016年も、人類の幸福の追求という点からすると、まったく無駄な1年というわけではありませんでした。

私たちのほとんどが、ニュースで伝えられるおそろしいできごとと折り合いをつけるのに苦労していた一方で、ポジティブ心理学者たちは研究に精を出し、喜びの気持ちを高め苦痛を和らげる方法を見つけ出そうとしてきました。彼らは手ぶらで2016年を終えたりはしなかったのです。

この研究分野では、いくつかの興味深い、そして役に立ちそうな知見が得られました。カリフォルニア州立大学バークレー校の科学研究センター「Greater Good Science Center」は最近、この分野の研究について、2016年で特に興味深かったものをまとめました。なかには、教師やティーンエイジャーの子を持つ親や、心臓疾患の患者など、特定のグループの人しか興味を持たない類のものもありますが、この記事では、2017年を昨年よりもずっと幸せな1年にしたい人なら誰もが関心を持つと思われる知見をまとめてみました。

1. 自分に厳しくするのは逆効果

たいていの人は、自己改善にとりかかろうとする時に、まず自分に「厳しく」し、弱さを認めないようにしようと誓いを立てます。けれども、それは大きな間違いだということが、最新の研究で示されています。人生で良い変化を起こしたいのなら、自分にやさしくするほうがずっと効果的なのです。

「自分にやさしくすることで(中略)成長と自己改善が促進される可能性があります。1月に発表された別の研究では、被験者にこれまでの人生で後悔したできごとについて書いてもらいました。その際、一方のグループには、自分の長所を強調する『自分にやさしい』観点から書くように指示を出し、他方のグループには何も指示しませんでした。その後の質疑応答では、自分にやさしい観点をとったグループのほうが、他方のグループと比べて、今後のおこないを改善しようという意欲が高くなりました」とGreater Goodは説明しています。

2. 謙虚さにもダークサイドがある

謙虚さのメリット(特にリーダーにとってのメリット)を示す研究結果は、それこそ大きな部屋をいっぱいにできそうなほどありますが、どうやらこの誉れ高い性質にも、ダークサイドがあるようです。

他者を広い心で称賛するのはほぼいつでも良いことですが、自分の限界や、自分に価値がないことばかりに目を向けていると(一般に「謙虚さ」と呼ばれる性格の一面です)、大きな悪影響が出るおそれがあるのです。

1500人を対象にしたカナダのある調査では、「自己卑下を伴う謙虚さ」には、「精神的な幸福感の低さや、健康状態の悪さと強い関連性がある」ことがわかりました。「自己卑下を伴う謙虚さ」は、たいていは個人的な失敗から生まれ、恥や低い自己評価、無力感といった感情のほか、従順な行動を伴うのが特徴です。

自分を責め、それを「謙虚さ」と呼ぶことは望ましくありません。ふたつの謙虚さの違いを肝に銘じておきましょう。

3. 最適な瞑想の形は、人によってさまざま

瞑想は、身体的な病気から人間関係のいざこざ、集中力の向上まで、あらゆることに効く魔法の特効薬として勧められています。とはいえ、この万能の処方箋の効果をあげるには、もう少しやり方を考えたほうが良いことがわかっています。瞑想の種類によって、効果はさまざまです。ですから、目的に応じて実践方法を変えれば、瞑想からより多くの力を引き出せるはずです。

4. お金より時間を優先させると幸福感が高まる

時は金なり、ということわざがあります。ですが、科学的に見ると、時間とお金を同価値とする考え方には、異を唱えるほうが良さそうです。最大限の幸福を実現するうえで、時間とお金が同等とはとても言えないのです。

「日々の暮らしでは、お金か時間のどちらかを選ばなければいけない場面にしばしば遭遇します。たとえば、料理をするかテイクアウトを注文するか、歩くかバスに乗るか、といった選択です」とGreater Goodは述べています。そうしたおなじみのジレンマを解消する決定的な指針が、2016年の研究で得られました。

「1月に発表された研究では、お金よりも時間に価値を置く人のほうが、幸福感が高い傾向にあることがわかりました。たとえば、お金を払ってでも時間を節約すると答えた人や、収入が少なくても労働時間が短いほうが良いと考える人などでは、人生の満足度が高くなり、ポジティブな感情が大きく、ネガティブな感情が小さくなる傾向がありました」

ですから今度、銀行口座の残高を増やすべきか、それとも息抜きの時間をつくって人生を楽しむべきかを考える時には、この研究結果を思い出してみると良いでしょう。

5. 「男らしさ」に縛られていると不幸になる

親や教育者は、女の子たちが固定観念に影響され、「完璧な女性」(そして完璧なボディ)の理想像に沿わなければいけないというプレッシャーにさらされていることを、大いに心配しています。ですが、いくつかの大規模な最新の研究によれば、男性もそれと同様の不安にかなり悩まされているようです。「男らしく」見えなければいけないというストレスは、心の健康に悪影響を及ぼすことがあるのです。

「毅然としろ。度胸を見せろ。弱虫になるな。こういう使い古された決まり文句は、男の子やおとなの男性にとって鬱病や不安神経症などの精神疾患の引き金になるのでしょうか? 2016年に次々と発表された研究結果は、その答えが多くの場合『イエス』であることを示唆しています。ただし、どのような理想の男性像を描いているかによって、答えは変わってきます」とGreater Goodはまとめています。

もっとも弊害が大きいのはどんな固定観念なのでしょうか? ワーカホリックや、向こう見ずの起業家、といったものなら心配はありません。最新の科学的知見によれば、仕事での成功や思い切った行動を促すそうした理想像は、それほど悪いものではなさそうです。複数の研究によると、本当に心配しなければいけないのは、「男なら独力でどうにかしろ」、「よそ者や、自分と違う者に対して攻撃的になれ」といった考え方だそうです。

5 Things Science Learned About Happiness Last Year|Inc.

Jessica Stillman(原文/訳:梅田智世/ガリレオ)

Photo by Shutterstock
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