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ランニングは脳を賢くするという研究結果

ランニングは脳を賢くするという研究結果

Inc.:あらゆるタイプの運動に頭を良くする効果があることは科学的に証明された事実です。一卵性の双子を連れてきて、片方には運動を、片方には何もせずゴロゴロしているように指示したとすれば、運動していた方が、ソファで寝ていた方に比べて認知機能が向上していることがわかります。

こうした科学的事実を知り、何か運動をしようと思い立ったとします。では、どんなタイプの運動が望ましいのでしょうか? 最新の研究がこの疑問に答えています。脳機能を高めたいのなら、ランニングを第一候補としてください。

ランニングは見かけよりもずっと頭を使う運動である

ランニングをしない人から見れば、足を一歩ずつ前に繰り出し続けるだけの運動が、脳に負担をかけるものだとは思えないかもしれませんが、New York TimesとScience of Us blogで特集されたアリゾナ大学による脳スキャンを使った最新の研究で、ランニングには、意外なほど多くの知力・思考力が要求されることがわかりました。

この研究では、ランニングに真剣に取り組んでいる被験者11人と、過去1年間まったく運動をしていないと答えた被験者11人の脳をMRIで調べました。結果、ランナーの脳と運動をしない人の脳の間に著しい違いがあることがわかりました。

「ランナーの脳には、運動をしない人の脳には無い接続が多く見られ、また、そうした接続は、高度な思考に必要な脳領域に関係していることがわかった」と、New York TimesのGretchen Reynolds氏が報告しています。

科学者たちはまた、「ランナーの脳のほうが、運動をしない人の脳よりも、記憶、マルチタスク、注意、意思決定を助ける領域や、視覚など感覚情報の処理に関連する領域の接続が多くなっている」と指摘しています。一方、注意散漫や集中力の欠如に関連する領域においては、逆の結果となっていました。

こうした事実は何を意味するのでしょうか? たとえそうは見えなくとも、ランニングは足や心臓にかけるのと同じくらい、脳に負担をかけるということです。

「ランニングが単純な活動だとはとても思えない」と、この研究の共同リーダーであるGene E. Alexander氏はコメントしています。「ランニングは、複雑なナビゲーションのスキル、計画する能力、環境をモニターし対応する能力、過去に走ったときの状況と現在の状況を比較する能力。さらに、走るという運動活動を一定のペースで続ける能力が求められる。非常に複雑な活動だ」

ここまでの話を総合すると、ランニングは脳の訓練でもあり、その効果はランニング以外の場面でも発揮されることがわかります。

注意点

この研究は小規模なものであり、知力や思考力とランニングの関連性を決定的に証明するものではありません。ランニング以外で持久力が求められる運動、たとえばサイクリングなどでも、脳に同じような効果があるかなど、さらなる研究が必要です。あるいは、ほかのタイプの運動はもっと効果があるかもしれません。たとえば、重量挙げが高齢者の認知力低下を遅らせるという研究もあります。

とはいえ、少なくともこの研究結果から、あなたが運動をする目的の1つに脳のパフォーマンスをあげることがあるのだとしたら、ランニングが第一候補となることはわかるでしょう。また、過去に行われた研究でも、ランニングが頭をスッキリさせ、画期的なアイデアが生まれるスペースをつくり出すという、ランナーたちの自己報告が確認されています。

Running Makes You Smarter, New Study Suggests|Inc.

Jessica Stillman (訳:伊藤貴之)

Photo by Shutterstock.
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