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WORKSIGHT編集長・山下正太郎さんの仕事術 【ライフハッカーが選ぶ、2017年の活躍に注目したい人々】

WORKSIGHT編集長・山下正太郎さんの仕事術 【ライフハッカーが選ぶ、2017年の活躍に注目したい人々】

今年のライフハッカー[日本版]の新年特集は「HOW I WORK」特別編です。2017年の活躍が楽しみなクリエイターやビジネスパーソンの方々に、独自の仕事術やお気に入りのビジネスツール、今年の活動テーマ等をお聞きしました。この記事で紹介するのは、『WORKSIGHT』編集長で、コクヨ株式会社でオフィスや働き方について研究している山下正太郎さんです。

山下 正太郎(やました・しょうたろう)

コクヨ入社後、戦略的ワークスタイル実現のためのコンサルティング業務に従事し、手がけた複数の企業が「日経ニューオフィス賞」を受賞。2011年にグローバル企業の働き方とオフィス環境をテーマとしたメディア『WORKSIGHT』を創刊、また研究機関「WORKSIGHT LAB.」を立ち上げ、ワークプレイスのあり方を模索。2016年よりロイヤル・カレッジ・オブ・アート(RCA:英国王立芸術学院) ヘレン・ハムリン・センター・フォー・デザインにて客員研究員を兼任している。

居住地:ロンドン 現在の職業:コクヨ株式会社 主幹研究員/WORKSIGHT編集長/ロイヤル・カレッジ・オブ・アート ヘレン・ハムリン・センター・フォー・デザイン 客員研究員 仕事の仕方を一言で言うと:Less is More. 現在の携帯端末:Xperia XA(イギリス内での仕事用:会社支給) / iPhone 5S(イギリス外での仕事用:会社支給) / iPhone6(プライベート) 現在のPC:13.3inch Windows7ラップトップ(会社支給)/ Macbook Air(プライベート)

1. 「これがないと生きられない」アプリ/ソフト/道具は何ですか?

笑われるかもしれませんが、Windowsの「メモ帳」でほとんどの仕事はこと足りています。気になった言葉や考えの断片を書き留めるという、思考の材料をつくるツールは、なるべく起動が早くてファイルサイズも軽く、トラブルも起こらないメモ帳が一番のお気に入りです。

2. 仕事場はどのような環境ですか?

ワークプレイスの研究者ではありますが、1つのところにとどまるような働き方はしていません。ラップトップとスマートフォンのあるところが仕事場という感じです。一部、編集作業やコンセプトをまとめるなど、多くの情報を統合する作業の際には、広いミーティングテーブルや大きなホワイトボードに資料を広げて一覧性のある状況をつくっています。

3. お気に入りの時間節約術は何ですか?

私にとって2つ大きな方向性があります。1つ目は「決断する量を少なくする」こと。自分の仕事に集中したいので、衣服や道具類は、取材で訪れる世界中の大都市ならどこでも買える同じもの、悩まないものを中心にそろえています。さすがにジョブスやザッカーバーグほどは思い切れないのですが。

MUJIのノート(ダブルリングノート・ドット方眼 A5サイズ)はもう50冊以上使い続けていますし、シャツ/靴下/下着などはユニクロで同じ種類のものをそろえています。行動経済学の観点からも人は得るよりも、何か失った感情の方が強く引きずりやすいそうですので、必要なものを切らさないよう気をつけています。

2つ目は、「自分に予約を入れる」ことです。生産性の高い同僚の方法を真似てみたらしっくりきました。時間があるとすぐにダラける性格なので、積極的に予定を入れることはもちろん、作業時間も含めてスケジュールに書き込んでしまいます。作業時間の目安を知るトレーニングにもなります。いまだ後の予定に追いたてられること以上に時短できたことはありません。

4. 愛用している、仕事をうまく進行させるためのツール(ToDoリスト、アプリ、道具など)はありますか?

何かと制約のある大企業勤めですので、会社で支給されたツール類でも横断して利用できるかが大きなポイントです。ですので、基本的にはシンプルかつメジャーなツールしか使いません。また、スイッチングコストも無視できないので流行りのツールもあまり使いません(流行っている理由を把握するために実験的に使うことはあります)。

5. 携帯電話とPC以外で「これは必須」のガジェットはありますか?

「Bose QuietComfort 20i Acoustic Noise Cancelling headphones」です。どこでも仕事場にする際の難点は、音環境のコントロールです。一介のサラリーマンにとっては値段が張りますが、これをつけた際に得られる静寂は素晴らしいと思います。また音量を上げずに済むので、耳の健康にいいのも嬉しいですね。フライトでは音楽をかけずに利用して快眠することができます。

6. 仕事中、どんな音楽を聞いていますか?

基本的には歌詞の少ないミニマルテクノやドラムンベースを聴いています。時間に応じて少しテンポを調整しています。午前中はアッパー気味に、夜が深くなってくると睡眠のことも考えて少しダウンテンポにしています。オールタイム・フェイバリットは砂原良徳の『LOVEBEAT』です。

7. 仕事において役に立った本、効果的だった本は何ですか?

リチャード・フロリダの『クリエイティブ都市論』。世界はフラットではなく、局所的に面白い人が集まっている「スパイキー」だと言ってのけた本。働きはじめて間もない私にとっては、改めて身を置く環境の重要性を教えてくれた書籍でしょうか。

振り返ってみても、自分の意志よりも周りからの刺激でがんばってこられたように思います。

もう1つ上げるとすれば『シリアルイノベーター』(アビー・グリフィン、レイモンド・L・プライス、ブルース・A・ボジャック著)でしょうか。大企業勤めの人間としては成熟した企業の中で、イノベーションを連続的に起こし続ける人物の特性を知れたことでワークプレイスの提案の幅が広がりましたし、自分自身の行動に自信をもつことにもつながっています。

8. 現在、どんな本を読んでいますか?

最近は1つの本を通して読むことがめっきり少なくなってしまいました。気になるテーマに関する本を数冊購入し、横串に乱読することが増えています。やはり最近はテクノロジーと人間の関係について気になっています。中でもケヴィン・ケリーの『テクニウム』、『〈インターネット〉の次に来るもの 未来を決める12の法則』の2冊は今後も読み返すと思います。

直近だと、友人に薦められてユヴァル・ノア・ハラリの『Homo Deus: A Brief History of Tomorrow(未邦訳)』に取り掛かっていますが、これも面白い。前著『サピエンス全史』も邦訳が出たばかりでしかかり中なのですが...。

9. 睡眠習慣はどのようなものですか?

自分では気に入らないのですがロングスリーパーだと思います。経験的に7時間程度の睡眠がベストのようです。休みと平日で差が出ないよう、12時~7時を基本として睡眠をとるようにしています。

10. 仕事をよりよく進めるために「習慣」にしていることはありますか?

仮説を常にいくつも用意することでしょうか。頭の中に答えの出ていない「思考の空白」ができることで、それを埋めようと能動的にものが見られるような気がしています。もう1つの習慣は、思考の抽象度を高めることです。例えばファッションやエンターテイメント業界はいちはやくビジネスモデルが変化する業界ですが、その変化のパターンを抽象的に把握しておけば、他の業種の変化も予測することができます。

11. いまお答えいただいている質問を、あなたがしてみたい相手はいますか?(なぜ、その人ですか?)

リンダ・グラットンですね。年に数回お会いする機会があるのですが、定期的に世の中の本質的な課題を掘り起こし、分かりやすい言葉で提示する能力は見習いたいですし、忙しい中どうやって時間のやりくりをしているのかも気になります。何よりいつも楽しそうです。

12. これまでにもらったアドバイスの中でベストなものを教えてください。

「常に片足だけ突っ込んでおけ」。尊敬する大学時代の指導教官からもらった言葉です。いつも軸足を他に置きながら、3~5年かけて意識的に研究分野を変えていきます。同じことを学び続けて成長曲線を鈍らせないようにする意味もありますし、リンダ・グラットンが『ワークシフト』の中で主張した、これからのワーカーは「連続スペシャリスト」になるべきという言葉にもつながると思っています。

13. 2017年の抱負や力を入れて取り組んでいきたいことについて教えてください。

いまは日本国外にいて、引いた目で日本を見ることができる貴重な機会だと思っています。日本の方が気づいていないような本質的な問いを届けたいと思っています。抽象的な言い方になりますが、さまざまな企業活動の「エコシステム」について考える年になりそうです。個別のトピックでは『WORKSIGHT』のテーマや冊子をリニューアルしますので、期待していただければ幸いです。

14. 最近購入したものの中から、特に気に入っているものがあれば教えてください。

映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』の影響からか、カメラ(FUJIFILM X70)を持ち歩いています。スマートフォンの写真も素晴らしいですが、少し面倒なことを生活に取り入れて自分の感覚に意識的になりたいと最近特に思います。絶対的な価値観の無い「底が抜けている時代」だけに、萎縮せずに自分が面白いと感じることに淡々と向き合うことが重要なのではないでしょうか。

(ライフハッカー編集部)

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