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場所にとらわれない働き方、リモートワークの理想と現実とは? 「未来の働き方」について、リクルートと一緒に考えた

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場所にとらわれない働き方、リモートワークの理想と現実とは? 「未来の働き方」について、リクルートと一緒に考えた

ライフハッカー[日本版]が主催する、これからの仕事や働き方について考える読者参加型イベント「Night School(ナイトスクール)」。

今回の「Night School」は、今年1月より個人の新しい価値創造や経験機会の獲得を目指して、全従業員を対象にリモートワークをスタートさせたリクルートホールディングスとの共催で、11月21日に開催されました。

テーマは、「リモートワーク=場所に縛られない働き方」について。

この記事では、ライフハッカー[日本版]編集長の米田をモデレーターに、リクルートホールディングス・働き方変革推進室室長の林宏昌(はやし・ひろまさ)さん、全社的にリモートワークを実践するソニックガーデン社代表の倉貫義人(くらぬき・よしと)さん、世界各国に点在するリモートワーカーの1人として働くAutomattic社の高野直子(たかの・なおこ)さん、それぞれ異なる立場のゲストが語った、リモートワークの理想と現実、そして未来の働き方について紹介します。

週3日以上の出社禁止。個人の裁量で、効率化と生産性、多様な経験を高める

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米田:まずはリクルートホールディングスが実施している「働き方変革」と「リモートワークの取り組み」について教えてください。

林氏:私たちが働き方変革をはじめた理由は、従業員一人ひとりの多様な働き方を尊重するためです。きっかけとなったのは、リクルートで働く若い人たちの共働きの比率が高かったこと。男女問わず活躍していくためには、女性だけでなく、男性もしっかり家事や育児を行うのが当たり前にならないといけません。

私もリモートワークを取り入れたことで、2人の子どもの毎朝のお見送りと、週2回の夜のお迎えをする時間ができました。育児や家事はもちろんのこと、副業やNPOへの参加など、多様な経験が個人の成長を促します。そして、最適な自分の働き方を選び、増えた時間から得られた従業員の経験を掛け合わせることが、会社の成長にもつながると考えています。

そこで、まず働く人のマインドの醸成や環境を整えるために、2015年6月からリモートワークの実証実験を行いました。こだわったポイントは、出社を週1~2回に制限したことです。それでも挙手制で300名に参加してもらいました。

会議参加者の半数以上がオフィスにいない状況を作らないと、オフィス側主導で会議が進められてしまうなど、"オフィスにいること自体が価値になる"働き方が、変わらないと考えたからです。また、週に1~2回と制限することで、会議など、これまでの仕事の進め方そのものを見つめ直すきっかけにしたいと思いました。もちろん、成果や課題を出すにも、週1日程度のリモートワークでは、その効果を測りにくいと考えたこともあります。

実証実験の結果、約9割の人が集中して効率的な働き方ができ、リモートワークの効果を実感しました。ワークライフバランスについても、育児や家事だけでなく、趣味や学習などが実現できるとの回答を得ました。

もちろん、リモートワークについて反対の人もいます。しかし、反対する人たちにも積極的に参加を呼び掛け、問題点を実証してもらっています。問題点もしっかりと出した上で、対策を講じながら前に進めていこうと考えました。実際、ほとんどの問題は、クリアできるということが、これまでの経験でわかってきました。

今後は、働き方変革で生産性や顧客価値をどのように高めていくか、いかにイノベーションが起こりやすい環境にしていくかがテーマだと思っています。

物理的なオフィスは不要。画面越しのコミュニケーションが合理的な働き方を生む

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米田:倉貫さんのソニックガーデン社は、先進的なリモートワークを実践していることで注目されていますが、具体的にどのようなスタイルで行っているのですか?

倉貫氏:私が代表を務めるソニックガーデンは、社員30名程度のシステム開発会社です。8割がエンジニアで、オフィスを持たずに社員全員がリモートワークで働いています。

オフィスがないので、電話や会議室はなく、社内メールを使うこともありません。IT会社ですけど、サーバーもなく、すべてクラウドで解決しています。

night_school_recruit1.jpgソニックガーデン社が提供する、リモートワークを最適化させるためのコミュニケーションツール「Remotty」。

倉貫氏:たとえば、社内外とのコミュニケーションは、「Remotty」という自社のツールを活用しています。全国でリモートワークしている社員たちは、働いている間は常にチャット画面に顔が映ります。違和感を感じるかもしれませんが、オフィスに出社すればみんなに顔を見られているわけだし、物理的に会うか画面越しに会うか、その違いだけです。不在の人が一目でわかるのは便利ですね。ちなみに、飲み会もツールを使ってリモートでやっています(笑)。

リモートワークのメリットで言うと、たとえば、以前スノーボードが好きだからと長野に移住した社員がいました。東京での暮らしに比べ、家賃は3分の2くらいに下がって家の広さは2倍。社員全員が東京の給与水準と同一なので、生活コストが下がって、よりよい生活ができるわけです。会社側から見ても、社員は好きな場所に住めるので仕事と生活のどちらかを選択する必要がなく、離職率が減るというメリットがあります。

また、リモートワークをしていると時間の使い方は自己裁量になるので、合理的な働き方をするようになります。もちろん通勤もないので、使える時間が増えて自己投資にも向けられるわけです。人生の選択肢を増やすという意味で、とても有効なことだと思っています。

何かを解決するために、リモートワークを採り入れるのも選択肢の1つ

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米田:高野さんは、世界50カ国以上に散らばってリモートワークをしている社員たちと、オンラインで連携しながら仕事をされているそうですね。

高野氏:私が務めるAutomattic社はアメリカに本社があり、WordPress.comというブログサービスを提供しています。現在、社員は500人以上いますが、2005年の創業時からずっと、各国にいる社員全員がリモートワークで働いています

実際にリモートワークをしてみると、住んでいる場所でやりたい仕事を諦める必要もなく、子育てや家事なども柔軟に対応でき、いろいろなメリットがあると感じました。

しかし、リモートワークには難しさもあります。各国のスタッフと仕事をする際に、時差や文化の違いに加え、非対面で仕事をしているので、連携がうまく図れないこともあります。

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全社合宿では500人のスタッフが一堂に集まる。

そこでAutomattic社では年に1回、各国のスタッフ全員が集まる全社合宿と、プロジェクトごとにメンバーが集まるチーム合宿を行っています。いずれも1週間、同じ場所で一緒に過ごし、あまり顔を合わせる機会がないもの同士が対面で凝縮した時間を共有することで、メンバーの人となりを知る機会となっています。

また、リモートワークでよく言われる自己管理の難しさは、当然あります。Automatticでは費やした時間よりも出した成果を見られるので、焦りながら、悩みながらも成果を出さなくてはいけません。しかし、難しさがあるからこそやりがいを感じられるのかなとも思っています。

その意味では、何かを解決するためにリモートワークを採用してみるのも、1つの選択肢だと思っています。

リモートワーク=合理的に働く×離れて働く

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── 後半のトークセッションでは、リモートワークの導入を考える人たちにとってヒントになる話が数多くありました。一問一答形式で紹介します。

米田:リモートワークを社内でスムーズに行うためのポイントはありますか?

林氏:現在も試行錯誤していますが、チャットなど、円滑なコミュニケーションができるITツールをしっかり準備しておくことが大事だと思います。また、個人の意識も大事ですね。「いまさら働き方は変えられない」と語っていたベテラン社員がリモートワークをしてみると、「もう、以前の働き方には戻れない」と意識が変化しました。とにかく、体感してみることが重要だと感じています。

倉貫氏:リモートワークは、合理的に働くことと、離れて働くことの掛け算。この2つをいきなりやると無理があるので、まず、時間あたりの生産性を意識して、合理的に働くことからはじめてみてはいかがでしょうか。林さんのお話の通り、ITツールを使ったり、仕事のやり方を変えるなどして、合理的な働き方を会社に導入する。そして、慣れてきたらリモートワークに問題なく移行できると思います。

高野氏:先ほど合宿の話をしましたが、最終日を迎えると寂しくてみんな泣いて別れたりします。冷静に考えると、毎日会うのは嫌かもしれませんが、ときにはリアルに会って話すことも重要だと思います。

米田:では、リモートワークで感じるデメリットはありますか?

林氏:情報共有や個別にコミュニケーションをとるのはテレビ会議で可能ですが、ホワイトボードを使ってディスカッションするような場合は、リアルな会議室でやった方がいいのかなと思ったりします。ただ、これは過渡期なのかもしれないので、今は状況を整理しているところです。

倉貫氏:改善したいと思っているのが、リモートワーカーの体重が増えることですね。完全に運動不足になります。無理強いはできないので、運動や健康に関することを行う場合に、会社から手当を出そうと考えています。健康でいないと、長く一緒に仕事ができませんからね。

米田:リモートワーク時代の勤怠管理や人材育成は、どのように行うべきだと考えていますか?

林氏:私たちは「開店メール・閉店メール」と呼んでいますが、「仕事をはじめます」「離席します」「仕事を終えます」という連絡を自己申告で行っています。

人材育成については、自律的に自分をマネジメントできるかがリモートワークの前提となるので、入社半年程度は出社してもらい、育成担当者がレクチャーしながら習慣づけを行っています。ただ、そうなると育成担当者は毎日出社しなくてはいけないので、この点を今まさに議論しているところです。

高野氏:成果主義の会社なので、勤怠に関してチェックするシステムがありません。人材の採用や育成に関しては試用期間があり、近いタイムゾーンの人がサポートして、実際にオンラインで仕事をしてもらった上で本契約する流れになります。

倉貫氏:働くスタイルは2種類あります。裁量労働で働く人は、年俸制で勤怠管理を自分で行ってもらいます。一方、そうでない人たちは会社が勤怠管理を行っています。今から働くというときはボタンをON、休憩するときや仕事を終えるときはボタンをOFFといったような具合の、タイムカードに代わるツールを使っています。

新人教育に関しては、リモートワーカーが多い地域に設置しているワークスペースなどで仕事をしてもらい、師匠役の人が仕事のやり方やリモートワークについて、オンライン、オフラインの両方で教えています。

"物理的"なオフィスから、サイバーオフィスへ

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米田:リモートワークを採用している企業は、まだ少ないのが現状です。打ち合わせや営業など、対外的なやりとりはどうしていますか?

林氏:現状では、対面で行うべき打ち合わせなのかをまず取捨選択しています。最近では上長がSkypeで同行することもはじめています。テーブルにスマホを置いて、ディスプレイにskypeのビデオチャットの画面を映すんです。働き方を変えようというトレンドがあるので、お客様側も楽しんでくれていますよ。

高野氏:顧客の多くが個人なので、メールなどで対応しています。「TIME.com」などのパートナー企業の場合でも、年に数回会うぐらいですね。

倉貫氏:仕事は物理的に会わないと進まないと考えがちですが、会ってるんですよね、「モニター越し」に。私たちが利用しているツールでも、モニター越しに相手と会って、問題なくコミュニケーションできています。会社に営業担当はいませんが、新規の問い合わせがウェブ経由であった場合でも、「ぜひお話を聞かせてください。テレビ会議で」と伝えています。ほとんどの会社が対応してくれますよ。

米田:では最後に、リモートワークや未来の働き方について、一言お願いします。

倉貫氏:物理的なことに囚われすぎているのが、2016年の現状かなと感じています。そのボーダーを超えるとどうなるか。私たちのビジョンは、通勤がなくなる世界です。江戸時代、ご奉公のために江戸へ通った参勤交代と同じように、何十年後には「会社に通勤していた時代があったらしい」と語れるようになると思っています

高野氏:リモートワークが浸透して当たり前になると、リモートワーカーにフィットしたサービスや商品が生まれてくるかもしれません。すごく期待しています。

林氏:私たちはリモートワークを開始してまだ1年数カ月です。まず行うべきは、いろいろな業務をオンラインで行うことができるようにする、「サイバーオフィス」を構築すること。業務の効率化や意思決定のスピードが上がるからです。

その結果、どこにいても最適なコミュニケーションができ、遠慮なく仕事を進められるようになっていきます。今後は、物理的なオフィスの役割を変えていく必要があるとも感じています。


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言葉だけが先行している感のあったリモートワークですが、実際に取り組んでいる方々の話を聞いたことで、リアルなメリット・デメリット、そして今後の課題や未来像が見えてきた気がします。さて、あなたはこれからどんな働き方をしていくべきだと思いますか?

働き方変革プロジェクト | リクルートホールディングス

(文/香川博人、写真/木原基行)

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