自分に「NO」と言うのは、あなたの仕事ではない
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自分にNOと言ったことはありますか? もちろん私はあります。たとえばこんな言葉。「出願してどうなる? 私があの学校に入れるわけないのに」「いま起業したって成功するわけない。だって私は歳をとりすぎている/まだ若すぎる/経験が足りない」。
あるいは、「彼がデートしてくれるわけがない。ほかの相手を探したほうがいい」「部長が私を昇進させるわけはない。聞いてみるまでもないことだ」かもしれません。
私が言えることは、誰にだって自分を疑うときがあるということです。問題は、当たり前ですが、自分にNOと言ってしまえば、何もはじまらないことです。行動しないと決断すれば、自分から機会を奪うことになります。
そのことに気づいてから、私はあるシンプルなルールに従うようになりました。このルールのおかげで、いつもならあきらめてしまっていたときに、あきらめずにがんばることができるようになりました。
最初の「NO」であきらめるな
多くの人は、失敗を避けるためなら何でもします。有名人や政治家、アスリートがスキャンダルを隠すために、あれほど馬鹿げた発言を繰り返す理由がわかりますか? できる限り失敗を避けたいと思うからです。
でも、理解はできます。誰も失敗などしたくありません。有名人に限らず、失敗を避けようとするのは、あなたも私も同じです。失敗したくないから、やりたいことをやらない理由を思いつくのです。失敗したくないから、否定的なフィードバックを受け取ると、すぐにそのアイデアを引っ込めてしまうのです。
しかし、ここに大事なポイントがあります。NOは不可能という意味ではありません。NOは金輪際ダメという意味ではありません。誰かからNOと言われたとしても、たいていは、「今はダメ」、あるいは「そのやり方ではダメ」という意味でしかないのです。
このことに気づいた私は、あるシンプルなルールに従うことに決めました。このルールのおかげで、否定的なフィードバックをやり過ごしたり、従来ならあきらめてしまう場面でも、もう少しだけ踏ん張れるようになりました。
そのルールとは、「最初のNOであきらめるな」です。
あなたにNOと言うのは、あなた自身かもしれません。ほかの誰かかもしれません。いずれにせよ、最初のNOを聞いたからといって、そこで立ち止まらないことです。否定的なフィードバックは、アイデアに修正が必要だというサインであり、そのアイデアを放棄しろというサインではありません。失敗することが決まったかのように思い込む必要はありません。そうではなく、NOという言葉を、自分のやり方を微調整するキッカケにしてください。
失敗の恐怖をいかに克服するか
私たちが自分にNOと言うよくある理由に、まだ準備ができていないから、というものがあります。「まだ経験不足だ」とか、「もっと勉強する必要がある」とか、「もっと計画を練り込まないと」と考えるわけです。
なぜそうなるかといえば、最初から成功したいと思うからです。
しかし、私自身、「びっくりするほど素晴らしく」なれないなら何も行動できないという思い込みを手放すときがきたのだと気づきはじめています。最初から「すごく」なる必要などありません。最初はただ、スタート地点につきさえすればいいのです。
ハードルを「びっくりするほど素晴らしい」に設定すると、はじめるのがとんでもなく難しくなる。
セス・ゴーディン
初めて事業を興したのなら、何千もの間違いをおかすことでしょう。初めて本を書いたのなら、おそらくそれはひどい出来です。初めてデートをするなら、きっと相手に愚かなことを言ってしまうでしょう。初めてスポーツジムに行けば、場違いな気持ちになることでしょう。自分より優秀な人たちに囲まれれば、自分には知性も才能もないと感じてしまうでしょう。
だから?
今後もずっと挑戦を続けていくなら、最初の1回が最後のチャンスなんてことはありません。「びっくりすほど素晴らしく」なるための時間は十分にあります。はじめてさえすれば、どんなことでも起こり得えるのです。ただし、始めさえすれば、です。
もちろん、そうしたければ、今がはじめるべきときではない理由、ここが正しい場所ではない理由、まだ準備が整っていないと思う理由を、いくらでも思いつくことができるでしょう。しかし、それはあなたの仕事ではありません。
あなたにNOというのは、あなたの仕事ではありません。あなたのチャンスを潰すのは、あなたの仕事ではありません。あなたの進路を妨害するのは、あなたの仕事ではありません。あなたがしなくても、あなたの代わりにそうしたことをしてくれる人は、世の中に十分過ぎるほどいるのですから。
あなたの仕事は、無視することではなく、受け入れることです。あなたの仕事は、妨害することではなく、追い求めることです。あなたの仕事は、自分に「NO」ではなく、「YES」と言うことなのです。
そう、それがあなたの仕事です。
It's Not Your Job to Tell Yourself "No"|James Clear
James Clear(原文/訳:伊藤貴之)
Image by Dmitry Guzhanin (Shutterstock).
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