Airbnbが直面する人種差別問題

ギズモード・ジャパンより転載:何だかとても残念な気分...。
空いている部屋や外出中の家を貸し借りするサービス、Airbnb。借りる側は費用を抑えられ、貸す側は臨時収入が得られることで、世界中で爆発的な広がりを見せています。その企業価値は1兆円を超えるとされ、従来のホテル業界を揺るがす、シェアリングエコノミーの代表的存在です。しかし、そのAirbnbが深刻な問題に直面しています。それが、人種差別。実際にAirbnbでは、黒人であるという理由で宿泊の予約が取れないなどの事態が多発しているんだそう。
2015年10月、とある黒人男性がAirbnbを利用し部屋を借りたところ、銃を構えた警察官がなだれ込んできます。何事かと驚いていると、どうやら近隣の住民が「黒人が部屋を盗んで勝手に住んでいる」と通報したのだそう。
事情を説明し、晴れて無罪放免となった際の写真は、多くのメディアに取り上げられ、SNSで拡散されました。
Yo! The Air B&B we're staying at is so nice, the neighbors thought we were robbing the place & called the cops! pic.twitter.com/XUQjuyCXMO
— STEFisDOPE (@STEFisDOPE) 2015年10月9日
ちなみに、撮影者のStefan Grantさんはこれをきっかけに、黒人のためのAirbnbとも言える「Noirbnb(黒いbnb)」を立ち上げるに至りました。
とはいえ、運営側も黙って見ているわけではありません。AirbnbのCEOであるBrian Cheskyは、同サービスが「白人3人で開発したもので、人種差別への対応に目が届かなかった」と認めたうえで、自身のTwitterにて、すべての差別と戦うことを宣言しています。
The incident in NC was disturbing and unacceptable. Racism and discrimination have no place on Airbnb. We have permanently banned this host.
— Brian Chesky (@bchesky) 2016年6月1日
人種差別問題といえば、ミネソタ州で起きた黒人射殺事件や、ダラスでの警官狙撃事件などは、まだ記憶に新しいですよね。
Airbnbに限らず、サービスが拡大して一般化するにつれ、社会の暗部まで反映されるとは何とも皮肉です。対岸の火事と無関心になるのではなく、常に頭の隅で意識しておくべきことなのかもしれません。
source: Forbes
(渡邊徹則)
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