英会話力を引き上げる「スモールトークの技術」を磨く方法

「スモールトーク」という言葉をご存知でしょうか? スモールトークは「ちょっとした世間話」のことで、会話を始めるきっかけとしてビジネスなどさまざまなシーンで使われています。そこで、語学留学のKaplan Internationalより、スモールトークが上手になるためのテクニックをお届けします。日本のビジネス習慣と同じく、英語圏でのビジネス・ミーティングでもいきなり本題から入ることはなく、必ずスモールトークから始めます。スモールトークが上手にできることで、お互いのことをより深く知ることができ、本題に入った後も話がスムーズに進みます。
スモールトークが上手な人は多くないですが、コツさえ覚えれば誰でも簡単にできるようになります。今回は上手にスモールトークをこなすための基本と、すぐに使えるフレーズを教えます。
スモールトークからビッグトークに広げる
スモールトークは世間話ですが、天気の話だけで終わらせてはいけません。"It's really hot today, isn't it?" (今日は本当に暑いですね。)とだけ言っても面白みがないですし、お互いのことをよく知ることはできません。スモールトークのポイントは、世間話から話を膨らませてビッグトーク(より大きな話)へと発展させることです。世間話を膨らませてよりパーソナルな話に発展させることで、お互いの関係性、信頼関係を深めることが狙いです。この点を意識して実践編を読んでみてください。
スモールトーク実践編
スモールトークを上手にこなすためのテクニックとして、「A.R.E.(アール)メソッド」をご紹介します。A.R.E.メソッドは、コミュニケーションの専門家であるキャロル・フレミング博士によって開発され、Anchor(共通の話題作り)、Reveal(自分の体験の打ち明け)、Encourage(相手への質問)の3つのプロセスに分かれています。まずはそれぞれのプロセスについて説明します。
Anchor(アンカー)アンカーとは、お互いにとって共通の話題を見つけて話のきっかけにすることを言います。お互いの共通点から会話を始めることで、そこから相手と自分の繋がりを広げることが可能になります。ここに具体例をあげます。
(今夜のイベントは素晴らしかったと思いませんか?)
お互いが同じイベントに参加したような場合には、イベントの感想を共有することで会話のきっかけを作ることができます。他にも、共通の知り合い、趣味、出来事などをアンカーとして使うのも良いでしょう。
REVEAL(リヴィール)次のステップであるリヴィールでは、アンカーで作った共通の話題に関連して、自分の個人的な情報/体験を相手に打ち明けます。ここに具体例をあげます。
This is my 3rd time attending this event and it's been always great. (このイベントは3回目ですが、いつもとても良いですよ。)
I especially enjoyed Mr. Yoshida's opening speech. I'm a big fan of him.(特に吉田さんのオープニングスピーチが良かったです。彼のファンなんです。)
アンカーで話題にしたイベントに関連した自分の過去の体験や、情報を相手に共有しています。そうすることで、信頼関係を深めるきっかけを作っています。他にも、イベントに参加したきっかけなどを話すのも良いでしょう。
ENCOURAGE(エンカレッジ)エンカレッジでは、今度は相手に質問を投げかけて、相手に話すきっかけを与えます。ここに具体例をあげます。
So what about you? Did you know about Mr. Yoshida?(あなたは吉田さんのことを知っていましたか?)
例では、相手にイベントに参加したことがあるかを質問しています。アンカーで話題を作り、リヴィールで自分の話を共有し、最後に相手に質問をすることで、会話にリズムが生まれます。
話を発展させるのに役立つオープン質問
A.R.E.メソッドを使うことで、スモールトークを中身のある会話へと膨らませていくことができます。ただし、ここで終わってしまっては不十分です。ここから、更にフォローアップのコメントや質問をしてさらに会話を発展させていきます。
ここで重要なのが、バランス良くコメントと質問をすることです。質問ばかりを延々と繰り返していると、尋問しているようで相手に悪印象を与えますし、自分ばかりが話しているのもよくありません。質問を投げかけながら、適度にコメントをするのが良いでしょう。また、質問は「はい」、「いいえ」で答えられるクローズ質問より、相手に話す機会を与えるオープン質問のほうが話が発展します。ここでは、代表的なオープン質問を紹介します。
知っておくと便利なオープン質問のフレーズ
例文:Please tell me about your trip. ? (あなたが行った旅行について教えてください。)
What was the best part of...例文:What was the best part of your trip to Japan? (今回の日本旅行で一番の思い出を教えてください。)
How did you feel about...例文:How did you feel about this book? (この本についてどう思いますか?)
What brought you to...例文:What brought you to Japan? (なぜ日本に来たのですか?)
What do you think about...例文:What do you think about the new organization structure? (新しい組織体系についてどう思いますか?)
Why...例文:Why did you major in physics? (なぜ物理学を専攻されたのですか?)
話すことがなくて困った!そんなときの対処法
ここまでいろいろなテクニックやフレーズを説明してきましたが、どうしても話題がなくて困る場面が出てくるかもれせん。そんなときに覚えておくと便利なことがあります。
Observe:観察する話題がなくて困ったときは、相手やその周りを観察してみましょう。そうすることで良い質問が浮かぶことがあります。
I saw you were talking to Paul. How do you know each other? (先ほどあなたがポールと話しているのを見ました。どうやって知り合ったのですか?)
人が話していることを注意深く聞いていると、その中に次の会話のきっかけが見つかることがあります。また、直接自分が話しかけられていない場合でも、周りの話に耳を傾けていると後々の話題に使えたりします。例えば、誰かがプレゼンテーションをしている場合は、その内容を覚えておくと、後にその人と話すことになったときに話題に使えます。
I really enjoyed your presentation. Could you please tell me more about the new project?
(とても興味深いプレゼンテーションでした。新規プロジェクトの部分について詳しく教えて頂けませんか?)
誉められることが嫌いな人間はいません。相手を良いところを誉めて、それに質問を加えるだけで話のきっかけができます。
他に覚えておくと便利なのが、FORM(フォーム)です。FORMは、Family(家族)、Occupation(職業)、Recreation(趣味)、Motivation(モチベーション)の頭文字をとっており、どれも話題にしやすいテーマをまとめた言葉です。
Tell me about your family. (家族について教えてください。)
How often do you meet your parents? (どれぐらい頻繁に両親に会っていますか?)
Do you have any children? (子供はいますか?)
OCCUPATION:職業How do you like about your new job? (新しい仕事はどうですか?)
What were you doing before working at XXX? (XXX社で働く前はどんなお仕事をしていたのですか?)
How has the economy affected your company? (今の経済状況は会社にどう影響を与えましたか?)
RECREATION:趣味What is your favorite movie? (一番好きな英語は何ですか?)
What do you do during the weekends? (週末は何しているんですか?)
Do you play any sports? (スポーツは何かやりますか?)
MOTIVATION:モチベーションDo you find your job satisfying? (仕事には満足していますか?)
Where would you like to live if you had a choice? (選べるとしたらどこに住みたいですか?)
What do you want to do after you retire? (定年後には何をしたいですか?)
このようなトピックの話はいつでも使えるで便利です。逆に、収入などのお金の話、性的な話、政治の意見に関する話など避けたほうが良いでしょう。一般的にはマナー違反とされており、意見の対立を生む可能性があるからです。
まとめ
スモールトークで使えるテクニックをお伝えしましたが、いかがでしたでしょうか? ここまで読んだら、後は実践あるのみです。英語学習全般に言えることですが、教科書を読むだけでなく、実際の現場で使ってみることが重要です。スモールトークはビジネス・ミーティングや接待、出張など様々なシーンで使えるので、覚えておくととても便利です。是非スモールトークを覚えて英語力をワンランクアップさせてください。
参考記事How to Make Small Talk | The Art of Manliness
How to get better at small talk - Quora
英語で自己紹介をしよう! | Kaplan Blog
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