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「こいつデキる!」と思わせるための、「段取り」のやり方

「こいつデキる!」と思わせるための、「段取り」のやり方

ゴールを教えられずに走りはじめ、マラソンの42.195㎞のところで「はいここまで」と走り終えるのと、あらかじめゴールが42.195㎞とわかって走るのとでは、パフォーマンスが異なります。人は、ゴールがあるということでがんばれるのです。ですから、ゴールが非常に遠い人生でも、要所、要所でゴールを設定すると、メリハリが効くのです。(「プロローグーー私の体験から段取りを考えてみた」より)

だから、「とにかく長く仕事をする」のではなく、「何時」とゴールを決めて、そこで終わらせるために努力をする。間に合わなければ、翌朝早くからやる。そういう姿勢が大切だと主張するのは、『こいつできる! と思われる いまどきの「段取り」』(野田宜成著、日本実業出版社)の著者。日産車体のエンジニアを皮切りに、船井総合研究所でコンサルティングに携わり、まぐまぐ事業開発室長を務めたのちに独立し、「継続経営コンサルタント」として活躍中です。

本書では多彩な実績を軸に、段取りのよい人と悪い人との差をシチュエーション別に解説しているわけです。CHAPTER 1「できる人は、こんな『段取り』をしている!」から、その基本的な考え方を探ってみましょう。

段取りで「信頼ポイント」を貯めよう

毎日のことであるだけに、仕事を楽しくすることはとても重要。でも、そのためにはどうしたらよいのかといえば、当然のことながら「やりたい仕事をする」に尽きるはず。そして、そのためには「やりたい仕事をさせてもらえるくらい、認められる」ことが大前提だと著者は強調します。だとすれば、「認められる仕事」とはなんなのでしょうか? これが仕事の基礎であり、究極的には3つあるのだそうです。

1. 期日を守る

2. 期待に応える

3. 期待を超える

(23ページより)

当然のことながら多くの場合、期日を守らないと仕事は無意味になってしまうもの。いくらたくさんできて、質がよかったとしても、期日を過ぎていたら「0」と同じだということです。けれど逆に、頼まれた仕事の期日を守り、頼んだ人の期待にちゃんと答えられたとすると、そこで「信頼ポイント」が貯まるのだといいます。

そして信頼ポイントが貯まると、「やりたい仕事ができる」ようになる。さらに期待に答えるだけではなく、その仕事の出来がよいと期待を超えることになり、その状態が続けば続くほど信頼ポイントが貯まっていくということ。そうやって好循環が生まれていくわけです。

仕事の3つの基礎ができると信頼ポイントが貯まり、「やりたい」提案が通るようになるといいます。そして仕事の3つの基礎は、「段取り」で実現するもの。つまり「段取り」は、時間短縮につながるのだということです。期日が守れると、余裕が持てるようになるからこそ、ミスが少なくなって期待に応えることが可能に。そして段取りよく仕事ができると、「期待を超えるにはどうしたらいいか」と考え、準備する時間ができるという考え方です。(22ページより)

○ よい段取り:早めにやることで、相手の期待を超える発想ができる

△ 惜しい段取り:とにかく目先に一生懸命で、修正・ミスが多い

× 信頼ポイントが低く、期待をされていない

(27ページより)

段取り下手はお金がかかる?

段取りの達人は、想像力が豊か。段取りとは「最適なこと」を考えることであるため、想像力がないと実現できないというのです。また「好かれる段取り」をしている人は協調性があるので、将来的に職を失う危険性も少ないだろうと著者はいいます。ちなみに段取りができないと、お金がかかるのだとか。なぜなら、ムダが発生してしまうから。

・ものを探し回るムダ

・再手配するムダ

・時間をかけるムダ

・スペースのムダ

・動く動作のムダ

(29ページより)

こうしたムダには、人件費、光熱費など、なんらかのお金がかかるということです。そのため、ムダをなくすためには次の3つが必要。

・スケジュールの確認をする

・To Doリスト(やることリスト)をしっかりつくり確認をする

・早め早めにやる

(30ページより)

これらは段取りといえるそうなのですが、ひとつひとつを確認してみましょう。まずは「スケジュールの確認をする」について。毎朝、最初にスケジュールを確認することにより、「あっ、忘れた」ということがなくなり、早めに手配することが可能。つまりムダを省くことが可能になり、時間的にも早く済むといいます。

次に「To Doリスト(やることリスト)をしっかりつくり確認をする」。やることと、それをやる時間を確認したり、はめ込むのがスケジュール。そしてスケジュールになにを入れるか考えて書いたものがTo Doリスト。To Doリストのいいところは、やるべきことをメモ感覚で書いておけること。また、「すぐできないもの以外」を書き留めておくことが大切だそうです。

3つ目の「早め早めにやる」のメリットは、修正が効くということ。そして、早め早めにやるための手段は2つあるといいます。1つは、スケジュールを眺めること。スケジュールを見ているだけで心が動くため、アイデアややるべきことが見えてくるわけです。2つ目は、早め早めに行動する人、すぐ決断する人となるべく一緒にいること。そうすれば、自然と速くなっていくからです。(28ページより)

○ よい段取り:スケジュールを見る時間が多く、決断が早い

△ 惜しい段取り:なんでも書き込む。すぐにやればいいことも書き込む

× 決められない。時間が過ぎていくのをただ待つだけ

(32ページより)

「これくらい」だから調べない、「これくらい」だから調べる

仕事でも人生でも、段取りが上手な人はバタバタしないもの。だから、なんでもスルッと、スムーズに行くわけです。これは、安全性に関わる考え方と共通するものだといいます。つまり工場の作業にしても警備にしても、さまざまなケースを想定して対応しておくことができれば、なにか起きたときでもバタバタしなくてすむわけです。

なお、段取り上手かどうかは、旅行のときなどにわかるのだそうです。海外旅行に行ったとき、空港に到着しても街に出る方法がわからず、迷いに迷ってしまうことがあるもの。しかし、そのようなことにならないように事前に調べておけば、トータルで考えると時間短縮になるわけです。だから、たとえば初めて訪れる空港であれば、空港全体の構造、街まで行くための交通手段、費用と時間、安全性などを調べておくことが大切。

段取りは、「これくらい」というところで差が出るもの。段取りの悪い人は「これくらい」だから調べなくてもいいだろうと考えてしまい、段取りのよい人は、「これくらい」だけど、しっかり調べておこうと考えるというのです。

だから、段取り上手かどうかを見極めることはとても大切。そしてそのためには、ディズニーを活用するといいと著者はいいます。東京ディズニーランドは44、ディズニーシーは35のアトラクションがあるため、それらをどの順番で、どうすればもっとも効率よく回れるかを考えてみることで、段取り上手かどうかがすぐわかるというのです。(39ページより)

○ よい段取り:細かいところもしっかりと下調べして、トータルの時間を減らす

△ 惜しい段取り:「これなら大丈夫」と調べないで、行き当たりばったり

× 人任せにする。そして後で、他人のせいにする

(41ページより)


上記のように、各項目のまとめ部分で「よい段取り」「惜しい段取り」「悪い段取り」を比較しているため、その部分を確認するだけでも段取りのコツをつかめるかもしれません。「段取り上手」になりたいと考えている方は、手にとってみてはいかがでしょうか?

(印南敦史)

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