30代までに社長になる方法。僕らの時代の社長論──2016.5.27 Night School

「社長になってみたいですか?」 そう聞かれて、あなたならどう答えるでしょうか?
ライフハッカー[日本版]のリアルイベント「Night School(ナイトスクール)」は、業界のキーパーソンと一緒に仕事や働き方について考えるイベントです。過去にも、一般の読者を招いてグローバルデザインファーム「IDEO」からものづくりを学んだり、プロブロガーのイケダハヤトさんをお招きしてデジタルデトックスについて語り合ったりしました。
今回は、編集長の米田智彦が個人的にリスペクトする5人の経営者を登壇者として招き、「30代で社長になるためにはどうしたらいいのか」をテーマに率直に語っていただきました。
登壇者の顔ぶれは、以下の通りです(経歴などの詳細はこちらからご確認ください)。
1. 企業や自治体のクリエイティブ活動を支援する、株式会社クオーターバック代表取締役である山田裕一(やまだ・ゆういち)氏。勤続9年目にして同社2代目の代表取締役社長に就任。
2. システムインテグレーションからPepperのアプリ開発も手掛ける、株式会社ヘッドウォータース 取締役の疋田正人(ひきた・まさと)氏。大手システムインテグレーターで証券金融技術者として勤務したあと、同社に入社、半年後に取締役に就任。
3. 株式会社リクルート在職中に起業し、ベンチャー企業支援を中心に行う会社インクルージョン・ジャパン株式会社を設立した服部結花(はっとり・ゆか)氏。
4. シンガポールに移住後、マーケティング会社Vivid Creations Pte Ltdを起業した齋藤真帆(さいとう・まほ)氏。
5. 株式会社ポエガ 代表取締役の佐藤由明(さとう・よしあき)氏。経営者であるだけでなく、心理カウンセラーであり、詩人。
経歴も分野もまったく異なる5人が「社長」について語り合うことで、偏りのない社長像が見えてくるはずです。それでは、トークを始めましょう。

ライフハッカー[日本版]編集長の米田智彦が司会を務めた。
あとはたまたま社長になった人もたぶんいるとは思うんですけれども、社長になろうというふうに思っていたかとか、経営者にいずれはなると思っていたかとか、その辺をお伺いしたいんですけど、疋田さんはどうですか?
ブルーオーシャンを突き進んだ

ITの道に入っても、プログラミングはわからないし、でもやるしかない、という状況でした。配属部署の希望を出すときも、僕が入ったときにはもうバブルもはじけてたんで、証券金融を希望する同期って誰もいなかったんですよ。優秀な人間は別の部署への希望を出していました。僕はそこで、「誰も行かないところに行けば、使い物にならない自分でも何か役に立てるんじゃないか」と思って行ったところ、どんな仕事も全部やらないといけない環境がありました。でも逆に、なんでもやれる環境だったんです。
そして、なんでもかんでもやっていたら、大きなプロジェクトも任せてもらえるようになりました。でも、ある日、丸の内の信号待ちをしてたときに、「今の仕事って自分の子供ができたときに薦められる仕事かな」ってふと思ったんです。薦められないかもって思ったんですけど、ITってもっと世の中変えられる面白い仕事のはずだから、IT業界ごと変えてやろうって思ったのが、スタートなんです。
なので、「社長になろう」ってそもそも思っていたわけではなくて、やりたいことを突き詰めていったら結果論として社長になったということなんです。
米田:常にブルーオーシャンっていうか、人があんまり手を付けてないところに、自分から突っ込むみたいなところがありますか?疋田:そうですね、レッドオーシャンって優秀な人がとても多いじゃないですか。なので、レッドじゃない領域を優秀じゃない俺でも変えられる、というのはありますね。嫌いな人を好きになると決めた

先代と同じ空間にいると胃がキリキリしてきて、嫌だなと思ってたんですよ。でも、ビジネスって人生の大半を占めるじゃないですか。そんな状況で嫌いな人とずっと過ごすのは嫌だなと思って、そこで僕は、嫌いな人を好きになろうと決めたんです。
話を聞くときに、ボケーっと聞いてるんじゃなくて、共感をしながら聞けば、ちゃんと本気でしゃべってくれます。それが続けば、本気でしゃべる関係性になってくるんですよ。そのうちに、すごい信頼関係が生まれて、いつの間にか僕もなぜか嫌いだったことを忘れていたんです。今ではけっこう本気で尊敬してます。
僕も経営者になって思ったんですが、経営者ってすごく孤独なんです。だからそんな中で、僕みたいな存在ができたってことは、先代にとってはすごくうれしかったと思うし、歳は30ぐらい離れてたんですけど、友達だって言ってくれるぐらいになりました。だから結局、計画的に社長になるというよりは、信頼を得るということが大事なんだと僕は思います。
満員電車の中での気づき
(文・写真/大嶋拓人、協力/株式会社クオーターバック)
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