ハーフマラソン完走へ向けた基礎トレーニング~1年間で1分も運動していないあなたへ
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マラソンランナーの鈴木莉紗です。
先月2月26日は東京マラソンが開催され、私も出場してきました。記録は2時間39分57秒で、自己ベストを約3分更新することができました!
東京マラソンをテレビ中継などで観て、「自分もレースに出てみようかな?」と少しでも思ったあなた。ランニングのモチベーションを維持させるためにも、ぜひチャレンジしてもらいたいです。走り初めの頃はレースに出るつもりがなかった人でも、走っているうちに友人や知人に誘われて、出場する機会が訪れるかもしれません。
私も最初はレースに出ようという考えは毛頭なかったのですが、「現状の力試しをしたい」と思い立ち、練習を始めてから3カ月後に5キロの大会、7カ月後にハーフマラソン、9カ月後にフルマラソンへ出場しました。
目標があると練習にも熱が入ります。ですが、フルマラソンは心身へのダメージが激しく、燃え尽きてしまうランナーも多いです...。そこでオススメなのが、ハーフマラソンのレース。ハーフであれば、ある程度練習をすれば歩かずに完走できる上、フルに比べるとダメージが少ないです。
しかし、長い距離になればなるほどペース配分を決めて走ることが、気持ちよくゴールするためのカギとなります。レースペースは5キロと10キロのタイムから割り出します(計算式は後述します)。ですから、いきなり長い距離に挑戦するのではなく、短い距離から段階を踏んでチャレンジして自分の走力を把握した上で、ペース設定を考えましょう。
また、大会に出ることによって会場の雰囲気に慣れることもできるので、予行演習になります。そこで、完走のためのメニューを前半と後半に分けて、それぞれ12週間(約3カ月)、計24週間(約6カ月)分をご紹介します。今回は前半の「運動習慣を身につける&基礎体力・筋力作り&心肺機能強化」、次回は後半の「ハーフマラソン完走のための実践メニュー」について解説していきます。
前半3カ月のトレーニングメニュー
15キロ以上走るレースの場合、筋力と体力(持久力)が必要になります。
筋力がない状態で長い距離を走るとケガをする可能性が高いので、階段を使った筋トレもメニューに加えました。また、持久力を上げるためには心肺機能を鍛えることも非常に重要です。
最初の3カ月でしっかり基礎を作りましょう。基礎がしっかりしていれば、後半の実践メニューもラクにこなせるはずです。体重が多く、体脂肪率が高めで太っていることを自覚している方は、実践メニューにとりかかる前に減量しましょう。
1カ月目
1カ月目のポイントは...
・ウォーキング(ウォーク)→「大きく腕を振り、大股で。やや早歩き」すること
・ジョギング(ジョグ)→「息が切れない(おしゃべりしながら走れる)ペースでゆっくり走る」こと
・練習は週2回がのぞましい
2カ月目
・可能であれば走る時間を伸ばしてみましょう。
・ジョグのあとに流しを取り入れてダイナミックなフォームに変えていきます。
・ビルドアップジョグに挑戦してみましょう。
第4週:30~40分ビルドアップジョグ(平日)/階段のぼり20段+30~40分ビルドアップジョグ+流し2~3本(休日)。ゆっくり走るのではなくビルドアップジョグでトップランナーのような腰高フォームを意識してみましょう。2カ月目のポイントは...
・平日と休日(週末など)の練習メニューを変えて、メリハリをつけていく。
・マンションやビルなどの階段を利用した筋トレを取り入れましょう(お尻や太ももなどの大きい筋肉を意識)。
・階段が近くにない場合は、ジョグ中に歩道橋などを早歩きでのぼってみましょう。
・「ビルドアップ」とは、徐々に走る速度を上げていくことです。最初はゆっくり、ラストは少し息が上がるくらいの速さで走ってみましょう。ゆっくり走ってばかりいると、腰が落ちたフォームになります
・「流し」を取り入れて心肺機能と筋力強化。「流し」とは、100m前後の平らな道を全力疾走の7~8割で走ること。全身を使って大きな動きを意識し、いきなりスピードは上げず徐々に加速すること。
3カ月目
・レースに出る場合→前日にゆっくり20分ジョグ+流し2~3本を行う。
・ビルドアップジョグを行う場合→最初の10分はゆっくり。残りの20~30分は息が切れて話ができなくらいのスピードに上げて走ってみてください。
3カ月目のポイントは...
・トレーニングの効果測定のため、5キロのレースに出場してみましょう。
・個人差、気象条件(気温が高ければタイムは遅くなります)などによってかなり異なってきますが【ハーフマラソンの完走タイム=(5キロのタイム+1~4分)×4】が目安になります。
・レースに出場する場合は、疲労を溜めず気持よく完走できるように、前日の練習は普段と少し変えます。
心肺機能と筋持久力を上げるインターバル練習(次回のコラムで説明します)を行えばタイムがUPします。
「流し」や「インターバル」などの具体的やり方、季節別のオススメ練習ウェア、レースに向けての準備や持ち物などの詳細は著書『フルマラソンを最後まで歩かずに「完走」できる本 一番やさしい42.195kmの教科書』に掲載していますので、ぜひご一読ください。
次回はハーフマラソンに向けた実践メニューについて書きます。

(トップ写真/松島徹)
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