なぜ家事の分担はうまくいかないのか?
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cafeglobeの注目記事:男女が共同生活を送るうえで、立ちはだかる「家事の分担」という問題。うまくやっているカップルもいれば、「自分の負担が多い」と、男女どちらかが不満に思っていることもあるでしょう。
なぜ、家事分担でカップル間で不満が生まれやすいのかに着目した、興味深い調査結果があります。
男性は自分が思っているほど、家事をやっていない?
家庭内では、女性のほうが負担を大きく感じることが多いのでは?
実際に、ある意識調査で、「夫は妻と同じくらい家事や子育てをしていると思っているにもかかわらず、そう感じていない妻の方が多く、実際の家事時間を計算したところ、男性は自分が思うほどには家事をやっていない」と明らかになっています。
(前略)ピュー研究所がダブルインカムの家族に行った調査で、父親たちは家事や子育ての責任を母親と同じくらい果たしていると答えた一方、母親たちは、自分たちの責任の方が多いと答えました。
女性たちの意見は、1日の過ごし方を記載した日記など詳細なデータに裏打ちされたものです。
「The New York Times」より翻訳引用
「家事を十分やっている」という男性と、「私のほうがやっている」という女性。なぜ、この食い違いは生まれるのでしょうか。
人は、自分の仕事量を実際より多く感じる
家庭内でも、また職場でも、多くの人が「自分が仕事のほとんどをやっている」と思い込んでいるのが一因です。
これは、人間の自己中心性によるもので、心理学者は「過剰主張」と呼んでいます。
「NYMag.com」より翻訳引用
つまり、実際の仕事量にかかわらず、人は「自分はたくさんの仕事をこなしている」と思いがちであるということ。
家事をやっていると主張する男性たちは、決してうそぶいているわけではなく、本当にそう信じているのです。
自分だけでなくパートナーに目を向けてみる
そのため、パートナーに「ぜんぜんやってくれない」と不満やこちらの見方をぶつけるのは逆効果になりそう。家事の負担でケンカをしそうになったらまずは「家事をやっている」という相手の気持ちを理解してみるといいかも。
「どうしようもないと苦痛を抱え込むのではなく、他の人(パートナー)にすこしだけ注意を払うと、乗り越えることができます」と行動科学者のニコラス・エプレイ博士はいいます。
「NYMag.com」より翻訳引用
自分の家事負担にばかり気をとられると、「こんなにやっているのに」という不満がつのることに。そんなときは、家事をするパートナーに目を向けて、がんばっている姿を認めてあげるのが円満のカギになります。
家事負担に理想型や答えがないからこそ、相互理解を深めたうえで、それぞれに合った家事負担の方法を探るのがよさそうです。
[The New York Times, NYMag.com]
(谷崎文香)