7つのランニング・ドリルでトレーニングを強化しよう

初めてランニング・ドリルをやり始めた頃は、それをバカバカしく感じていました。しかし、ランニング・ドリルは、カジュアルにランニングを楽しむ人にも、経験豊かな本気モードのランナーにも大いに役に立つものでした。
ランニング・ドリルには以下のメリットがあります。
- 脳と脚の間の情報伝達を向上させるので、全身の能力を高める。
- 筋肉だけでなく、力強く速いランニングに必要な(足首などの)具体的な関節も強化する。
- 筋肉の動きの協調性、敏捷性、バランス、深部感覚を向上させるので、優れたアスリートになれる。
- ワークアウトやレースに挑戦する前の、すばらしいウォーミングアップの役割を果たす。
こうしたメリットは、走行速度を上げることにつながります。強い筋力で効率良く走ると、どんなレースも走り抜けることができるでしょう。
ドリルはすぐに私のランニングのキャリアに必要不可欠のものとなりました。それは、大学時代の苦しい試合の前に、いつもチームで行っていたことでした。しかし、チームで走った経験が一度もない人は、ランニングフォーム・ドリルのやり方や、どんなときにそれを行うべきなのかがわかりにくいかもしれません。たくさん聞きたいことがあると思います。
どんなドリルが初心者には最適なのでしょうか? フォームのドリルはいつ行うべきでしょうか? どのぐらいの頻度でドリルを実践するべきでしょうか?今回は、「走行速度」「フォーム」「トレーニング」の強化が、効率良くできるランニング・ドリルを7つ共有したいと思います。
では、ひとまず、ドリルの背景から見ていきましょう。
どんな人がランニング・ドリルをすべきか
誰もが行うべきです。初心者にとっては、スポーツ熱を高め、フォームを適切にするためにすばらしい方法です。同じ理由で、もう少し上級のランナーにも有益です。
ランニングと筋力エクササイズが、誰にとってもお勧めのエクササイズの形であるように、フォーム・ドリルは、ほとんどのランナーにお勧めです。
フォーム・ドリルを行うときに、注意しなければならない唯一のランナーは、重いけがから回復したばかりのランナーです。ドリルによって、トレーニングの力が強化されるため(アスファルトやコンクリートの上で行う場合は特に)、再びけがをしてしまう恐れがあります。
適正なフォームを優先し、痛みを感じるようなエクササイズは、絶対に無理に行わないでください。しばらくすると、筋肉のバランスが良くなり、個人のベスト記録が出せるくらい力がついたと感じるでしょう。
ランニング・ドリルを行うのに最適のとき
ドリルは一種のスキルを磨くエクササイズであり、ランナーにとっては技術的訓練としても知られています。そのため、普通はウォーミングアップが終わり、トレーニング・セッションを始める前に行われます。このような理論的な順序付けが、ワークアウトから得られる成果を確かなものにするのです(けがのリスクも最小にとどめます)。
ほとんどのワークアウトには以下の順番をお勧めします。
- ダイナミック・ウォームアップ
- 軽いランニング
- (ドリルのような)スキル・ワーク
- ストライド
- ワークアウト(ヒル、テンポ、反復等)
- 軽いランニング
- (メディシンボールを使ったワークアウトのような)筋力強化運動
これはとても良いプログラムの一例です。すべてのセッションに、上記のようなトレーニングの要素は含まれていません。
頻度に関して言えば、ほとんどのランナーは、週に2回ドリルをすると良い結果が出るようです。結果を出したいワークアウトやレース、その他の挑戦課題の前に行うと特に成果が出ます。サーキット走の一部として行うことも可能です。
フォーム・ドリルはどこで行えるか
場所があれば、どこででもドリルは行えます。道路、歩道、野原など、障害物のない場所が50メートルぐらいほしいですが、お勧めの場所がいくつかあります。
- ハードなワークアウトやレースの前は道路:固い地面が筋肉の緊張を増加させるため、結局パフォーマンスも良くなります。
- 屋外の陸上用トラック:柔らかい地面で何かにつまずく危険性がありません。また、どんなエクササイズもそこでなら受け入れられます。
- 芝生や人工芝の上:けがをしがちなランナーや、足・ひざ下の脚力を強くするために、はだしでドリルをしたい人に向いています。
以前、地元のスターバックスの近くにある小道で、ランナーがフォーム・ドリルをしているのを見たことがあります。だから本当にどこででもできるのです。
私は最近、陸上用トラックで新しいコンテンツを撮りました。その一部には、走行速度とフォームを向上させるのにもっとも効率の良い、7つのドリルが含まれています。下記の動画が、始め方、指示の仕方、スローモーションの足運びや、さらに詳しいところまで理解する助けになるでしょう。
ドリルの内容は以下の通りです。
- 膝上げ
- Aスキップ
- Bスキップ
- お尻蹴り上げ
- お尻蹴り上げ(バリエーション)
- ストレートレッグバウンド
- カリオカステップ
各ドリルはStrength RunningのYouTubeチャンネルでも見ることができます。
いくつのランニング・ドリルをすべきか
ここでご紹介した7つのフォーム・ドリルを、いつもすべて行う必要はありません。貴重な時間を余計に取ることになります。
その代わり、3つか4つのドリルを選んで次のガイドラインに従ってください。
- ドリルは30~50分で終えること(カリオカステップはもう少し余裕が必要かもしれません)
- 次のドリルを始める前に、最初に始めた場所に戻ること
- 次のエクササイズを始める前に、各ドリルを2セットか3セット行うこと
全部のドリルをしなくてもいいと言われると、どれを選んだらいいのか悩むランナーがたくさんいるかもしれません。もちろん、7つのドリルを全部やっても構わないのですが、時間に限りがあるのが実生活の現実です。
特別なトレーニングセッションの目標が達成できて、さらに自身の具体的なニーズも満たすようなドリルを選ぶのが1番です。
たとえば、ランナー膝に苦しんでいるなら、Aスキップ、カリオカステップ、ストレートレッグバウンドをお勧めします。これらはリズム感を増強して臀部の柔軟性を高め、臀筋を活性化するからです。ランナー膝の手当と予防に役立ちます。
難易度が平均以上のドリル(1が一番簡単で、7が最高難度)とそれぞれのドリルの効果をリストアップしてみます。
- お尻蹴り上げ(ビデオ中2番目のバリエーション):大腿四頭筋と股関節屈伸筋の柔軟性を高め、歩調をしっかりさせる。
- 膝上げ:中足部の着地、高歩調、ハムストリング筋を強化する。
- Aスキップ:中足部の着地、高歩調を強化して、筋肉協調力を向上させる。
- Bスキップ:筋力協調力とハムストリング筋の柔軟性を向上させる。
- お尻蹴り上げ(最初のバリエーション):股関節屈伸筋の強化と中足部の着地の強化。
- 軽いランニング:筋肉協調力と向上させ臀部の柔軟性を高める。
- ストレートレッグバウンド:臀筋を活性化させ筋力協調性を高める。
ほかにもドリルはありますが、習得しやすくもっとも効果が出やすいものを選びました。
Jason Fitzgerald(原文/訳:春野ユリ)
Photo by PIXTA.ランキング
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