フリーランスの閑散期から身を守る5つの方法
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Crew Blog:私はフリーランスでいることが大好きです。なぜなら、柔軟性や自主性はもちろんのこと、メリットがたくさんあり、パジャマで働けるのも魅力のひとつです。その反面、閑散期が訪れると、どうしようもないストレスに襲われます。
たとえば、定期的に仕事をくれていたクライアントが予算削減を余儀なくされているとします。ちょうどそのタイミングであなたの契約が切れるなら、残念な結果は目に見えています。
私は、フリーランスになって初めての閑散期を覚えています。ニューヨークの、寒い寒い冬のことでした。とにかくひもじくて、インスタントラーメンの味付けがやたら上手になったものでした。
スタジオに閉じこもり、収入を増やすアイデアが思いつかないかと考えながら、時間を過ごしたものです。思いついたことといえば、閉所性発熱に苦しむフリーランサーのウェブ連載ぐらいでした。
でも、仕事がなかったおかげで、十分な内省の時間がとれたのが不幸中の幸いでした。
そこで気がついたのです。フリーランスライフにおいて、閑散期は避けることができるはずだ。十分な準備をすれば、この失業期間は過去のものにすることができるのだと。
実際にその閑散期を脱した今、私は次のようなステップを踏むことで、インスタントラーメン生活に逆戻りしないように気をつけています。
1. 仕事がいっぱいなときこそネットワークを
人脈づくりのイベントに来る人の中には、何カ月も仕事がないような人がいます。
そのような人たちは、握手や名刺の受け渡しに熱がこもりすぎていて、必死感がにじみ出ています。
それは決して、彼らのせいではありません。クライアントを見つけることは簡単ではないのです。でも、彼らの熱心さがいっそうクライアントを遠ざけてしまうのは皮肉なものです。
私は、人脈づくりのためのイベントが大好きです。同じ分野の人たちと集まり、多くの場合、無料でお酒が飲めます。
それに、新しいクライアントが得られることもしばしば。先日、ある人脈づくりのイベントで出会ったクライアントの女性と世間話をしていたら、彼女が私に仕事を依頼しようと思ったきっかけを教えてくれました。「あなたがクールに見えたから。だから、自信を持って。あなたは、自分のやっていることをわかっているように見えた」
心の中はナーバスでも、表面上は自信を取り繕って見せることをずっと心掛けていました。でも、その夜は、何も気にしていなかったのがよかったのでしょう。その日は思い付きでイベントに参加しただけで、新しいクライアントを求めていたわけではなかったのです。
どんなに隠そうとしても、あなたの必死感は相手に伝わってしまいます。そのため、すでにスランプに陥っている人が人脈づくりのイベントに参加したところで、成功のチャンスは限りなくゼロに近くなってしまいます。
逆に、忙しいときに人脈づくりのイベントに行くと、クライアントリストが増えるでしょう。もはや、クライアントを失うことを心配する必要がないくらいに。
2. 連絡を途絶えさせない
私が人生で初めて知った起業家は、父でした。通りを父と一緒に歩くと、有名人と一緒にいるかのような感覚に陥ったものです。3mも歩けば誰かに呼び止められ、立ち話を求められたものですから。
父は決してセレブではありませんでしたが、人間関係を保つことには長けていました。
父のネットワークに含まれるのは、「重要な人」だけではありませんでした。警備員やタクシー運転手、管理人など、あらゆる人の名前と性格を知っていたのです。そんな父を見て、人と言葉を交わすことの大切さを知りました。
フリーランスをしていると(特に初期のころは)、回りを見失いがちです。生活費のためにクライアントを得ることばかりに集中してしまうのです。
しかし、フリーランスで成功を収めるには、強固な人間関係を築かなければなりません。
プロジェクトに取り組んでいるときは、クライアントに定期的に連絡を取り、状況を尋ねましょう。自分の生活を詳細に見せ、関係が一方通行ではないことを示しましょう。
プロジェクトが終わっても、関係を終わらせる必要はありません。過去のクライアントと、連絡を取り続けましょう。誕生日を祝ってあげたり、ふらりと立ち寄って世間話をしたり。
こうしておけば、カレンダーに空きがあるときだけに仕事をせがみにやってくる人間とは思われません。常にコミュニケーションを取っているため、彼らが誰かの助けを必要と感じたら、あなたのことを真っ先に思い出してくれるでしょう。
3. 黙っていてもお金が入る仕組みを考える
1日に働ける時間は決まっています。そこで、働いていないときでも収入を生むための仕組みを積極的に考えましょう。
デザイナーでありブロガーでもあるSean McCabe氏は、ハンドレタリングを学ぶ人を手助けするためのコースを運営することで、24時間で8万ドルを稼ぎ出したことで有名です。
彼がコースを組み立てて立ち上げるまで、7カ月の期間がかかっています。しかし、明らかにその価値があったと言える結果になりました。
実際、このコースづくりには時間がかかりすぎたため、彼はクライアントとの仕事をやめています。とはいえそこまでの賭けは難しいでしょうから、「Skillshare」や「Udemy」のようなサービスを使いながら、少しずつ始めることも可能です。
業界の方向性を示すリーダーとしての地位を確立するだけでなく、コースから得られる収入は、何カ月、いや何年も続きます。そのために必要なことは、教材を一度つくることだけなのです!
本、ガイド、コースなどを作るには、かなりの努力が必要です。でも、その期間中にいくつかのクライアントを失ったとしても、毎月の生活費ぎりぎりだけ稼いでいれば、後で回収することができるのです。
4. ブログを書く
収入を生むための仕組みを考えることが難しければ、まずは小規模なブログを始めてみましょう。
フリーライターの私は、これまでの作品を見た人から仕事をいただくこともあれば、私の性格やアイデアが好きという理由で仕事をいただくこともあります。あるいは、たいていの場合、その両方です。
私は、過去の作品を履歴書やポートフォリオで紹介しています。一方で、私の性格やクリエイティブに関する哲学は、ブログや寄稿などで示しています。これまでに、ブログからお仕事をいただいたことが数えきれないほどあります。
ブログは、自分のユニークな意見や性格を表現する場所として有益です。
5. どんなときでも貯金が大事
数カ月ラクに暮らせる生活費を貯めることができてきたら、閑散期はありがたいものになるでしょう。
自由な時間ができたら、ずっと先延ばしにしていた旅行に行くのもいいでしょう。あるいは、夢を抱いていたプロジェクトに取り組むのも素敵です。
そこまでしなくても、ちょっとの空き時間を使って新しいスキルを身につけたり、キャリアアップにつなげましょう。
しかし、どの選択肢を取るにしても、先立つものが必要です。
フリーランサーになると、お金の使い方が難しくなります。どんなに優秀であっても、毎月の収入が必ず増減するからです。
Babauta氏の記事では、定期収入(長期契約の仕事など)を定義し、それを以下の割合で振り分けることを勧めています。
- 60%は毎月の出費に。家賃、光熱費、保険、インターネット、交通費、食費など
- 10%は退職後の貯金に(長期貯蓄)
- 10%は債務返済に(負債がなければ長期貯蓄を増やす)
- 10%は短期貯蓄に。自動車や家の修理・メンテナンスなどの出費用
- 10%は何にでも使える娯楽費に
どんな割合で月の稼ぎを振り分けるにせよ、大事なことは何らかの貯金をしておくことです。
雨の日を避けることはできませんが、傘を用意しておくことはできるはずです。
フリーランスの予測不能性はエキサイティングですが、ローンなどを抱えている場合は恐怖でもあります。
フリーランサーになったからには、理由があるはず。誰にでも訪れる閑散期に、あなたの夢を邪魔させないでください。
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Danielle Small(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.