実車のない自動車メーカーイベント。MINIがまとう「インベンティブ(独創性)」とは
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年々、日本の市場において存在感を増している輸入車。スタイリッシュなデザインをはじめとするブランド力を背景に、販売台数・シェアともに着々と数値を伸ばしています。
そんな輸入車の中でも、BMWの『MINI』シリーズは特別な存在感を持っています。たとえば、セダンを探しているユーザーは、燃費やデザインなどさまざまな点をチェックして、複数のブランドを検討することが多いでしょう。しかし、MINIを持っているor検討しているユーザーは、あまりスペックの比較をすることなく、「MINIだから」という理由で選んでいるケースがたびたびあるようです。
なぜ、MINIは指名買いされるだけの引力を持っているのでしょうか? 先日、MINIがユニークな展示イベントを開催していましたので、担当者にお話をうかがってみました。
実車のない展示イベント

MINIのイベントは、関東・関西の蔦屋書店系の店舗で開催されたもの。会場を見て気付くのは、「自動車メーカーの展示イベントなのに実車がない」ということです。
かわりに並ぶのは、GoogleのCardboard規格に対応したヘッドセット。今回のイベントは、ヘッドセットを使ったバーチャルリアリティ(VR)上でMINIのドラマを体験するというものなのです。
VRドラマは、潜入捜査官を描く「Backwater」と記憶喪失の男を描く「Real Memories」の2本。360°すべての映像が収録されており、背後でも真下でも、好きな方向を見ることができる。会場ではMINIマークの入ったCardboardも配布されていました。キーワードは「インベンティブ(独創性)」

マーケティング担当者によると、MINIが重視しているキーワードのひとつは、「インベンティブ(Inventive/独創性)」だそうです。MINIがMINIだと認識されるためのアイデンティティはインベンティブにこそあり、それは車体のデザインや設計に限らず、ユーザーとのコミュニケーションにも必要とされるとのこと。
たとえば、かつてMINIは、イギリス国内のセレブリティに愛され、ブランドを築いた時代がありました。しかしSNSが大きな影響力を持つようになった現在、特定のセレブリティには頼らず、情報の感度が高く、発信力のあるユーザーたちこそがトレンドセッターになると考え、彼/彼女たちとのコミュニケーションを重視しているとのこと。
今回のイベントは、情報感度の高いユーザーに向けたメッセージのひとつとして企画されたものです。VRというキーワードは広まりつつありますが、実際に体験できる場はまだまだ限られているはず。今回のイベントは、VRをその目で確かめるチャンスとしても好評だったようです。
スマートフォンを組み込んで完成する「MINI Connected.」

VRドラマの中でさりげなく主張されているMINIの機能「MINI Connected.」。これは、スマートフォンを通じてMINIをウェブに接続するという機能で、これもまたMINIのインベンティブとなります。
RSSフィードやウェブサイトのニュース受信、車体コンディションのチェック、シチュエーションに応じた音楽の自動選曲、果てはMINIを使ったSNSへの投稿まで...クルマを通じて行うさまざまなアクションを、1つのインターフェースにまとめるという試みです。

MINI360°のサイトでは、VRムービーをチェックできます。また、「MINI Connected.」の動作を体験できるデモもあります。あわせてチェックすることで、MINIのインベンティブをより深く知ることができるでしょう。
MINI360° バーチャルリアリティームービー|MINI Japan
(金本太郎)
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