
2015年9月24日、ついに「Amazonプライム・ビデオ」が日本でもスタートしました。日本では同月2日に「NetFlix」も開始しており、先行する「Hulu」も存在感を増すなど、日本の動画配信サービス市場も群雄割拠の時代に入ったようです。注目の「Amazonプライム・ビデオ」、現時点で見た特徴などをお伝えしたいと思います。
定額動画配信サービス比較表
Amazon プライム・ビデオ | Netflix | Hulu | |
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無料期間 | 30日間 | 1ヵ月間 | 2週間 |
月額(税込) | 3900円/年(月換算 325円) | 650円(ベーシック) 950円(スタンダード) 1450円(プレミアム) | 933円 |
配信数 | 未公表 | 未公表 | 約2万 |
オフライン再生 | Kindle Fire(第2世代以降)、iOSで対応 | - | - |
対応デバイス | スマートTV:SONY(2014年以降製造のネット接続機能を持つ機種に対応)、Panasonic(CX800/CX700シリーズ) Fireタブレット:Fireタブレット、Kindle Fire (第2世代) モバイル:Android、iOS PC:Windows、Mac ゲーム機:Playstation4 | スマートTV:LG、Panasonic、SHARP、TOSHIBA Blu-rayプレイヤー:Panasonic、SONY モバイル:Android、iOS PC:Windows、Mac ゲーム機:Playstation3/4、Wii U、XBOX 360/ONE その他:Chrome Cast、Nexus Player | スマートTV:SHARP、Panasonic、SONY、LG Blu-rayプレイヤー:TOSHIBA モバイル:Android、iOS、Windows Phone PC:Windows、Mac ゲーム機:Playstation3/4、Wii、Wii U、XBOX 360、ニンテンドー3DS/LL、PlayStation Vita/Vita TV その他:WD TV Live、Apple TV、Chrome Cast、Nexus Player、NTT西日本 光BOX (HB-1000は非対応) |
画質 | 非公開 | 最低(0.5Mbps) 標準(1.5Mpbs) 中(SD 3.0Mbps) 高(HD 5.0Mbps) 超高(4K 25Mbps) | 低/中/高/HD |
HD | ○ ※Android、Mac(映画)以外で対応 | -/○/○ | ○ |
4K | ○ ※対応デバイスのみ | ×/×/○ | |
同時視聴数 | 1 | 1/2/4 | 1 |
支払い | クレジットカード | クレジットカード/PayPal/キャリア決済(ソフトバンク) | クレジットカード/PayPal/キャリア決済(ドコモ、au)/iTunes Store |
主な特徴 | 対応デバイスで5.1オーディオ対応/AKB48関連作独占配信/日本の旧作が充実/レンタル等が豊富 | 海外ドラマに強い+「デアデビル」、「アンダーウェア」等、自社製作番組有 | 海外ドラマが強い/日本のドラマ等が豊富/「ラストコップ」など独自作も有 |
メモ | Amazonプライムの他のサービスも利用可能 | いつでもキャンセル可能 | 対応デバイスが多い/決済方法が多様 |
プライム会員のおまけとは思えない充実ぶり

「Amazonプライム・ビデオ」は、年額3900円(税込)で利用できるAmazonの会員サービス「Amazonプライム」の"プライム特典"のひとつとして利用できます。そのため、動画を楽しむだけではなく、「配送お急ぎ便」や「Kindleオーナーライブラリー」、「会員限定先行タイムセール」といったサービスも利用できるのが特徴です。年額3900円を12ヶ月で割ると325円。他の動画サービスと比べると、破格のコストパフォーマンスといってよいでしょう。
くわえて、タブレット/スマートフォン向けのダウンロード再生に対応しているのもメリットです。対応デバイスはKindle Fire(第2世代以降)、iOSに限られますが、Wi-Fi環境であらかじめ動画をダウンロードしておけば、電波状況が悪い場所や、携帯回線の通信容量を気にせず、ゆったりと動画を楽しめるのが頼もしいところです。
インターフェースは他サービスと比べて大きな違いはなく、いたって標準的なものです。操作に迷うことはないでしょう。動作速度は、短時間でのテストで環境に依存するとは思いますが、比較的快速な部類です。
また、ユーザー数に対してサーバーにかなり余裕があるようで、SD画質で見る限り、ユーザーが混雑する時間帯でも映像が途切れることはほぼありません。
配信作品は?

では、作品ラインナップはどうでしょうか? 動画配信サービスとして気になる第一点目はやはり、配信される「番組」です。スタート直後のため未知数といわざるを得ませんが、ぱっと見は先行する他サービスに十分対抗しうる内容であると感じられます。
目を引くのは、AKB48グループのライブ映像が独占配信になっていることです。プライムビデオの対象なので見放題です。2008年公演からラインナップされており、ファンにはたまらないものだといえそうです。
意外にも、日本の映画やテレビドラマも(旧作中心ですが)充実しています。古谷一行主演の「金田一耕助シリーズ」や、小林旭の「ギターを持った渡り鳥」など、昭和生まれの方々に刺さるコンテンツ群を形成しています。旧作めぐりが楽しめそうです。
まとめ
「Amazonプライム・ビデオ」は、Kindle FireユーザーやiOSデバイスを利用していて、動画をダウンロードして楽しみたいケースではかなり有力な選択枝のひとつです。その点から考えると、現時点ではKindle Fireユーザー、iPad、iPhoneユーザーには魅力的なサービスです。
動画をダウンロードして海外ドラマなどをゆったり視聴したい、他の豊富なAmazonサービスと組み合わせて格安で動画配信サービスを利用したい、AKB48グループの動画を楽しみたい...そういったユーザーにとって、Amazonプライムは加入する価値があるといってよいでしょう。

なお、「Amazonプライム・ビデオ」と同時に、「Amazon Fire TVシリーズ」も発表されています。これはHDMI端子でテレビに接続して、Amazonプライム・ビデオだけでなくNetflixやHulu、YouTubeを視聴できるデバイスです。現時点では、「Fire TV Stick」と4K・ドルビーデジタルプラスに対応した「Fire TV」の2機種があり、状況に応じてネット動画をテレビで楽しむことができます。テレビ派にはうれしいアイテムです。
(ビッグ太)
ビッグ太