起業の相談ができるコンシェルジュを配置。福岡市とTSUTAYAが手がける、福岡市スタートアップカフェの魅力。ワークデザイン!福岡
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福岡での仕事や働き方、起業にフォーカスして、優秀な人材獲得の機会を提供するビズリーチとのコラボ連載「ワークデザイン!福岡」。日本の地方創生を牽引する存在として注目を集めている髙島宗一郎・福岡市長へのインタビューに続き、今回は、福岡での起業支援の拠点として開設された「福岡市スタートアップカフェ」を運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ 九州カンパニー代表の鎌浦慎一郎さんにお話を伺いました。
ワークスタイルを選ぶ、その延長線上に起業がある。

1976年生まれ、熊本県出身。カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社九州カンパニー社長。2013年、佐賀県武雄市にある武雄図書館のリニューアルに携わる。2014年10月、福岡市と共に、福岡市スタートアップカフェを開設。
高島市長が掲げる「スタートアップ都市づくり」の拠点として、2014年10月に生まれたのが「福岡市スタートアップカフェ」。誰もが気軽に起業の相談ができるようにと、TSUTAYA BOOKSTORE TENJINの3階、ビジネス書が並ぶフロアに併設された空間です。この場所の運営を担うのが、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下、CCC)の九州カンパニー。本の購入やCD・DVDの有料レンタルができる図書館として話題を集めた武雄図書館(佐賀県武雄市)に続き、行政と連携するのは、今回のプロジェクトで2例目になります。

「本屋という業界をイノベーションしたい」という想いを持って福岡市の公募に応募し、スタートアップカフェのプロジェクトを提案した鎌浦さん。

"攻撃"と"守備"の両面から起業をサポートする仕組みづくり

加えて、地元のITベンチャー企業役員や福岡での人脈が広いアンバサダー・コンシェルジュも必要に応じてカフェにやってきます。彼らが担うのは、起業のアイデアを具現化するまでのサポート。相談者からヒアリングしながら、開発したサービスをもとにどう会社を起こしていくのか、どうパートナーを見つけていくのかという起業の手法を伝えます。さらに、ほぼ毎日、専門家や経営者による無料セミナーを開催。学びを得られると同時に、セミナー後の交流会を通じて、同じ志を持つ仲間の出会いの場としても機能しています。

特筆すべきは、国が運営主体となって、弁護士・社会保険労務士などの専門家が雇用や労務管理等について無料で相談に応じてくれる「雇用労働相談センター」が併設されていることです。
そして、"攻撃"と"守備"の両面から起業をサポートするスタートアップカフェが、今後、協力会社とともにより充実させたいというのが"攻撃"の「資金調達」と「収益化」というフェーズ。起業家と投資家とのマッチングや、人材紹介事業も始動しました。そして、「パートナー」とよばれる協力会社を増やしていくことで、起業の初期投資を抑え、「収益化」をサポートする仕組みもさらに広げていく予定です。

福岡市が目指すのは、サステナブルな起業支援

スタートアップカフェが開設されて9カ月を過ぎました。セミナー参加者は6000人を越え、900件以上の相談があり、20社以上が実際に起業しました。最近では女性向け商材の広告・マーケティング会社が立ち上がったばかり。起業した女性はスタートアップカフェをセカンドオフィスとして使用し、サービスを受けながら、セミナーにも積極的に参加。現在は交流会で出会ったエンジニアたちと情報交換しながら、化粧品のキュレーションアプリの開発に励んでいるのだそうです。
今回は参加者それぞれが自費で同行しましたが、福岡市が素晴らしいのは場や機会を提供することでサステナブルな起業支援をしようとしていること。助成金を出せばその場はうまくまわるかもしれませんが、持続には繋がらない。スタートアップカフェもその1つなんです。
ヒューマンスケールで物事が動く、福岡の魅力。

スタートアップカフェという新規事業の立ち上げを担当した鎌浦さんは、その経験を通して自分自身も起業したような感覚を持ったと言います。そのなかで、福岡の魅力の一部を体感したそう。
また、力強いリーダーシップで街を牽引し、それについて来る人には任せてくれるのも、福岡市の魅力です。今回のプロジェクトも、スタートアップを増やすという構想を高島市長自らが積極的に後押しし、実現したモデルです。そして、若い世代が夢をもたなくなった、と言われる時代を変えるために、市長がこの場所に何度も足を運んで情報発信してくれるのも、素晴らしいリーダーシップだと思います。人と人との距離、そして行政と民間の距離が近いのが、福岡の強みではないでしょうか。

2012年9月の「スタートアップ都市づくり」宣言当時の開業率6.2%から、2014年度には7.0%と、福岡での開業率は着実に上がっています。その一端を担うのが、市民が気軽に訪れることができ、起業のフェーズに合わせたサポート体制を持つスタートアップカフェという存在です。スピーディーに事例を生み出しながら、協力会社の体勢を整えているこの場所から、新たな起業家が生まれて世界に羽ばたいていく、そんな未来に期待が高まります。
ビズリーチは、平均年収910万円、約49万人のビジネスパーソンが登録する、日本最大級の管理職・スペシャリスト向け転職サイトです。ビズリーチ会員の転職意向に関するアンケートでは、7割が「やりがいがあれば転居して別の地域に勤務することに前向き」と回答しています。うち6割が「やりがいがあれば年収が下がっても構わない」と回答しています。 ビズリーチでは年収や企業規模を問わない転職を「やりがい重視型転職」と呼び、さまざまな自治体や地方企業とのコラボレーションを通じて、地方に貢献する求人・キャリア情報を提供しています。
また、福岡市は、IT・デジタルコンテンツの開発経験者の転職・移住を応援するプロジェクト「福岡クリエイティブキャンプ」を中心に、移住も視野にいれた転職を支援しています。
ビズリーチ・福岡ベンチャー企業特集|PCサイト|スマートフォンサイト
(聞き手・構成/松尾仁、文/宗円明子、写真/有高唯之)
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