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効率最優先! プログラマーから学ぶ究極のメール作成術

効率最優先! プログラマーから学ぶ究極のメール作成術

最新の仕事術はプログラマーが知っている』(清水亮著、クロスメディア・パブリッシング)とは大胆なタイトルのようにも思えますが、そこには明確な根拠があるようです。

「最速」

それはプログラマーなら誰もが心がけているキーワードである。プログラマーにとって最も重要な事は、効率化だ。(中略)プログラマーは効率を最優先する。高速に仕事を終えることが、プログラマーにとって最大の報酬だ。そしてプログラマーは自らが考えた「手抜き」の方法を、喜んでほかのプログラマーと共有する。それを繰り返すことで、我々プログラマーは進化してきた。(「はじめに」より)

著者は、根っからのプログラマー。高校在学中から雑誌でプログラミングについての連載ページを持ち、電気通信大学在学中に米マイクロソフトで家庭用ゲーム機開発や技術動向の研究・教育に携わったというキャリアの持ち主です。その後、ドワンゴで携帯電話事業を立ち上げたのちに独立し、現在は株式会社ユビキタスエンターテインメント代表取締役社長兼CEO。「誰もがプログラミングできる環境の実現」を目指しているといいますが、つまりは本書もそのようなコンセプトに基づいて書かれているわけです。

プログラマーの思考法は普通の仕事をしていては身につかない。しかし、普通の仕事をしている人と、共通する点も少なくない。ぜひ、プログラマーではない人も、我々がどのように物事を考えているかを知り、日々の生活に活かしてもらいたい。(「はじめに」より)

とのことで、プログラマー以外のビジネスパーソンにも役立ちそう。きょうはCHAPTER 1「速くてムダのないシンプル仕事術」のなかから、究極ともいえるメール作成法に注目してみたいと思います。

辞書登録でメールを5秒で送信

プログラマーの世界には、「DRY原則」ということばがあるのだそうです。

Don't Repeat Yourself.

(16ページより)

「同じことを繰り返すな」という意味。しかし同じことを繰り返すのが嫌いなプログラマーは、コピペが好きなのだとか。コピペして少しだけ変更してプログラムを書いていくのは楽なので、ついプログラムのなかに似て非なる部分が増えてしまうことに。つまりDRY原則は、そういうこともやるなという意味。ひとつのプログラムで似たような処理は、一カ所にまとまっている方がミスは少なくなるという考え方です。

そして、この考えを仕事に応用すると、「ライブラリ=自分だけのテンプレート集」という発想になるのだといいます。自分の仕事を効率的に進めるために、仕事のうえで典型的なことをすべて再利用可能な状態にしておくわけです。たとえば、いい例がメール。「お世話になっております」「宜しくお願い申し上げます」などビジネスメール特有の作法をいちいち打ち込むのは面倒なことなので、多くの人が以下のように、署名に最初から挨拶文を書き込んでおくという手法をとっているというのです。

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株式会社

いつも大変お世話になっております。

大変ご無沙汰しております。

様のご紹介でメールを差し上げております。

株式会社ユビキタスエンターテインメントの清水です。

たしかに拝受いたしました。

不躾なメールで失礼いたしました。

ご査収いただければ幸甚に存じます。

よろしくお願い申し上げます。

お返事お待ちしております。

株式会社ユビキタスエンターテインメント

代表取締役社長兼CEO 清水亮

TEL.03-XXXX-XXXX/FAX03-XXXX-XXXX

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(19ページより)

この署名の利点は2つ。まずは、「いつもの相手」「ご無沙汰な相手」「紹介された相手」の3種類の相手への挨拶。そして文末の「不躾なメールの場合」「なにかを預かった場合」「なにかを送った場合」「返事がほしい場合」の4つの挨拶が行単位で書かれていることです。このテンプレートから、必要ない文章を行単位で消すだけで、ビジネスメールのひな形ができるわけです。(15ページより)

辞書登録を使えば数秒でメールがつくれる

たしかに上記の様なテンプレートを用意するだけで、無駄な時間をかなり減らすことができるかもしれません。テンプレート自体も、ものの数分でつくることができるでしょう。しかし、ここまでするなら、「そもそも削除すら億劫になってくる」というのがプログラマー的な考え方。そこで、漢字変換のIME(入力方式エディター)に辞書登録をするというテクニックもあるそうです。

い → いつもお世話になっております。

た → 大変ご無沙汰しております。

し → 様のご紹介でメールを差し上げております。

ち → たしかに拝受いたしました。

ぶ → 不躾なメールで失礼いたしました。

さ → ご査収いただければ幸甚に存じます。

へ → お返事お待ちしております。

(20ページより)

また、これらだけではなく本文も登録しておけるのだとか。すべてはご紹介できないので、一部をピックアップしてみましょう。

て → 詳しくは添付したファイルをご参照いただければと存じます。

ゆ → 本日はとても有意義なお話ができたかと思います。

か → 体調がすぐれないようでしたが、お身体に異常はありませんでしょうか。

お → 遅くなってしまい、大変申し訳ありません。

あ → ありがとうございます。

つ → つきましては、次回の会議について日程を調整させていただきたく思います。

ひ → のちほど秘書の◯◯から調整のご連絡を差し上げます。

い → いただいたご提案で私どもは異存ございません。

よ → 来週か再来週あたりでお時間の都合はいかがでしょうか。

(21ページより)

たとえばこうしておけば、「い」「ゆ」「いえす」「つ」「よ」「ひ」と、8回文字を打つだけで以下のようなメールが完成するわけです。

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株式会社

いつもお世話になっております。

株式会社ユビキタスエンターテインメントの清水です。

本日はとても有意義なお話ができたかと思います。

いただいたご提案で私どもは異存ございません。

つきましては、次回の会議について日程を調整させていただきたく思います。

来週か再来週あたりでお時間の都合はいかがでしょうか。

のちほど秘書の◯◯から調整のご連絡を差し上げます。

よろしくお願い申し上げます。

株式会社ユビキタスエンターテインメント

代表取締役社長兼CEO 清水亮

TEL.03-XXXX-XXXX/FAX03-XXXX-XXXX

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(22ページより)

現実問題として、一般のビジネスパーソンにここまで作業を簡略化させることができるかという問題はあるでしょう。できるにしても、慣れるまでにはそれなりの時間は必要となりそうです。が、その労力は決して無駄にはならないだろうとも感じます。

これ以降に紹介される数々のメソッドにも、合理性を極めたプログラマー的思考が反映されており、それは痛快ですらあります。だからこそ目を通してみれば、多くの気づきを得られることでしょう。

(印南敦史)

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