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話は「適度に整理すべし」。雑談力を高めるために知っておきたいこと

話は「適度に整理すべし」。雑談力を高めるために知っておきたいこと

自身が「まったく売れない営業マンでした」と打ち明けるのは、『会話の達人の話し方を真似したら人見知りの僕でも楽しく雑談できました』(松橋良紀著、SBクリエイティブ)の著者。全国の営業マン430人中、常に下から数えたほうが早かったといいますが、あるとき心理学を学んだことから雑談力がアップ。一気にトップセールスになったのだそうです。

つまり本書には、そんな経験に基づいたエッセンスが詰め込まれているというわけ。第3章「もう沈黙は怖くない! どんな人とも盛り上がる『質問』のコツ」に焦点を当ててみましょう。

沈黙が訪れたらどうすればよいか

「無口でしゃべらない相手は困る」という意見を、著者は「単なる言い訳」だと斬り捨てています。なぜなら相手に非があるのではなく、それは質問が下手なだけだから。そして雑談を上達させる基本は、「相手の話を聞くこと」だともいいます。いわば雑談は「なにを話すか」ではなく、「なにを聞くか」が決め手だということです。(106ページより)

人が沈黙する3つの理由

「雑談が苦手です」という人は、黙ってしまう人や口が重い人に困ってしまうもの。会話が途切れると気まずい空気が流れるため、沈黙に弱い人はそれだけでパニック状態になり、ひとりでべらべらしゃべってしまうわけです。でも「沈黙の3つの理由」を知っておくと、落ち着いて対応ができるようになるとか。

1.自分の考えをまとめるために、少し待ってほしいと望んでいる

口数が少なくて沈黙する人には、慎重な人が多いそうです。しっかり考えをまとめたいので、黙り込んで考えるということ。だとしたら、そんなときに沈黙を破るのは、考えている相手の邪魔をするようなものです。

2.決定的な話、大事な話をしようとしている

大事な話は、軽く話せなくて当然。重い決断を下し、それを伝えようとしているときに、人は沈黙するというわけです。

3.巻き込まれるのを恐れている

商談などで相手のペースに乗りたくないときには、「とにかくしゃべらないのが得策」だと思っている人がいるそうです。こういうタイプは、うなずきもせず、返事もしてくれないなど、リアクションしない人が大半。「勧められると断れないから」と強固なブロックを用意し、自分を守っているわけです。

これら3タイプへの対応方法は、まず沈黙の状態をよく観察し、相手に波長を合わせること。そして効果的な質問をし、相手の口を開かせること。質問技術さえ磨けば、相手にしゃべらせることができるということです。では、どんな質問をすればいいのでしょうか?(108ページより)

ついやってしまう「会話を止める質問」

ひんぱんに相手を沈黙させたり、会話が盛り上がらないときには、相手に余計なことをしゃべらせず、「YES」か「NO」のどちらかをいわせている可能性が大。あるいはこちらのペースで誘導し、相手がひとことだけしか答えられないような、限定的な質問(クローズド・クエスチョン)をしているケースも。

「お住まいはどちらですか?」

「渋谷区です」

「お仕事はなにをされていますか?」

「コミュニケーション講師をしています」

「趣味はなんですか?」

「ギターです」

「音楽が好きなんですね」

「はい、そうです......(沈黙)」

(113ページより)

このように、こちらの思い込みを確認するだけだったり、こちらが期待することばをいわせるだけの質問になっているわけです。ただし、極度に口が重く、ゆっくり考える人には、最初から深く考えなければならない質問をすると逆効果。そんなときは、逆にクローズド・クエスチョンから始めるといいそうです。

「最近お天気がいいですけど、休みはどこかへ出かけたりしないですか?」

「いえ、家にいることが多いです」

「そうなんですね。休みの日は映画とか見たりするんですか?」

「いえ、映画よりゲームをやってます」

「ゲームですか。何時間やるんですか?」

「そうですねえ、10時間やることもありますよ」

「10時間も? 疲れませんか?」

「いや、楽しくて時間を忘れちゃいますよ」

(115ページより)

口が重い人への最初のことばがけはクローズド・クエスチョンからはじめ、深く考えなければならない質問に移行するということ。(112ページより)

口が重い人をしゃべりやすくさせる質問の順番

クローズド・クエスチョンをしたあとは、早めにオープン・クエスチョン(問われた人が思ったことを自由に答えられる質問)に切り替えることが大切。

1.クローズド・クエスチョンの使用例

「学生のころ、部活はやっていましたか?」

「はい、やってましたよ」

「その映画、おもしろかったですか?」

「はい、おもしろかったです」

クローズド・クエスチョンだと、「YES」か「NO」かの返答になるわけです。

2.オープン・クエスチョンの使用例

「学生のころ、部活はなにをしていましたか?」

「卓球部でした。青森は卓球王国ですから、いつも負けてましたね...」

「その映画は、どうでしたか?」

「ストーリーがおもしろくて、感動したよ。他にもね...」

答えが限定されていないので、自由に答えることが可能。どう答えてもOKなので、話が広がるというです。つまり盛り上げるためにはオープン・クエスチョンを使いこなす必要があるわけですが、深く考えなければならないため沈黙が生まれやすくなるというデメリットも。また、親しくない相手にいきなりオープン・クエスチョンで質問すると、「探られている」という印象を持たれる危険もあります。その場に応じ、使い分けるのがベストだということでしょう。(116ページより)

適度に整理すべし

最後に、雑談のプロがよく使うという「適度に整理すべし」をご紹介しておきましょう。話題に困ったときに効果的な、それぞれの頭文字をつなげたフレーズ。

テ......テレビ

キ......気候

ド......道楽(趣味)

ニ......ニュース

セ......生活全般(衣食住など)

イ......胃(食べ物)

リ......旅行

ス......スター、スキャンダル

ベ......勉強(知識)

シ......出身地

(124ページより)

これらの雑談ネタを、話題のきっかけに使うと便利。ただし、すべて質問形式にすることが大切だといいます。(124ページより)

✳︎

全体的に見ても、雑談の仕方を無理なく把握できる、わかりやすい内容になっています。ここに書かれていることを身につければ、沈黙の恐怖から解放されるかもしれません。

(印南敦史)

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