2020年までにウェアラブル機器で変わる5つの仕事の進め方
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Inc.:この予測は、まだ2020年から数年先ですが、米国ピュー研究所のレポートによると、2025年には、ウェアラブル技術が一般社会に「広範で有益な影響をもたらしている」と、専門家の83%が考えているそうです。
2013年11月、ピュー研究所は、2558人の専門家、技術者に聞き取り調査を行い、2025年にテクノロジーがどこまで到達しているかについて予測を立ててもらいました。波及効果に関する予測はさまざまでしたが、ほとんどの人が、「スマートセンサ、カメラ、ソフトウェア、データベース、および大規模なデータセンターが急増することによって、世界的で、没入型の、目に見えない、空気のように私たちを取り囲むネットワークコンピューティング環境が構築される」と考えていることがわかりました。
人びとは、「携帯性があり、ウェアラブルで、埋め込み可能な技術を用いた拡張現実」を体験することになる。また、「身体的、社会的領域における、タグ付け、データベース化、知的分析マッピング」といった技術の犠牲者になっているか、あるいは受益者となっているだろう、とピュー研究所はレポートしています。おそらく、どちらも少しずつ当てはまるでしょう。
こうした技術は、2020年の仕事環境にもさまざまな影響をおよぼすはずです。
5年以内に、職場でのウェアラブルの利用は目新しいものではなくなる。2015年、私たちはすでにその始まりを目にしています。フォレスター・リサーチ社は、まもなくウェアラブル事業が、ビジネスのあらゆる側面を改善し始めると予測しています。ウェアラブル・デバイスや関連サービスが、人びとの生活のあり方、そして仕事のやり方を変えていくことでしょう。
「企業たちは、ウェアラブル技術をいかにビジネスに活かすかについて、数年以内にロードマップを作らねばならないだろう」とフォレスター社は報じています。「言い換えれば、この新しいウェアラブルの波に乗り遅れてはならない」ということです。
数年以内に、職場においても、ウェアラブルデバイスは珍しいものから、当たり前のものになるでしょう。以下、2020年の仕事環境にウェアラブル・テクノロジーが与える主な影響を予測してみました。
1. より正確に記憶できるようになる
個人の経験や覚書がクラウドメモリーにカタログ化され、生産性や正確性の向上に活かされるでしょう。社員たちはトレーニング中の経験を即座にクラウドに転写し、あとから参照できるようになります。誰もが、より良く、より速く仕事を遂行する方法を学ぶでしょう。
2. 遠く離れていても共同作業がしやすくなる
ウェアラブルは、人びとのコミュニケーションを拡張、強化しつづけるでしょう。同僚がストレスで疲弊していれば、それをセンサーが察知し、すぐに対策を打てます。『TACTILU』(遠く離れている者同士が、触覚的にコミュニケーションできるブレスレット)のようなデバイスの開発がすでに進んでいます。
3. 生産性や仕事の満足度が今までと違う指標で計測されるようになる
業績評価を行うとき、ウェアラブルセンサーで計測した「感情の状態」も指標のひとつに加えられるでしょう。また、社員たちの素行やライフスタイルもモニタリングされ、職場における最適性能の達成に利用されることになります。こうしたデータの活用により、マネジメントが改善すれば、社員の幸福度はアップし、病欠日数も減るでしょう。
「身体や感情の状態をモニタリングし、適切に対応することで、健康管理の負担が軽減される」と、JP ランガスワミ氏(Salesforce.comの主任研究員)がピュー研究所のレポートで語っています。
4. 面接時に見るポイントが変わる
もはや、面接官が候補者を分析する必要はなくなります。ウェアラブルが代わりにやってくれます。『Moodies』のようなアプリ(感情の分析ができる)の進化版を使って、面接中の音声を分析し、候補者がどんな気分でいるかを判断します。ほかにも、性格や気質の分析に使えるウェアラブルが登場するでしょう。
5. より仕事に集中できるようになる
私たちは、これまで以上に気が散りやすい環境で働くことになるでしょう。と同時に、一日を計画したり、予定通り進めるのを助けてくれるウェアラブルデバイスが登場するはずです。Facebookや仕事以外の雑事に時間を使いすぎていれば、ウェアラブルが警告してくれるようになります。場合によっては、こうしたデータが監督者にも送られることになるでしょう。
ライフスタイル面におけるニーズの高まりに合わせて、ウェアラブル技術への投資が活発化すれば、仕事環境にもその恩恵が広がっていくでしょう。私たちは、これまでより親密につながり、少しだけ超能力を使えて、より多くを正確に記憶できるようになるはずです。こうしたテクノロジーにより得られた洞察が、職場での共同作業や相互理解をより良いものにしてくれるのは望ましいことです。
This Is How We'll Work Together in The Year 2020|Inc.
Ilya Pozin(訳:伊藤貴之)