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吉木りさに怒られて、「ポンコツ」ビジネスパーソンにならないように気持ちを引き締めてみる

吉木りさに怒られて、「ポンコツ」ビジネスパーソンにならないように気持ちを引き締めてみる

テレビ東京で隔月に放送されている『吉木りさに怒られたい』(ちなみに、この3月から新シリーズがスタートするそうです)は、テレビを見ている視聴者が、"ただ吉木りさに怒られるだけ"の番組。その突き抜けた発想が話題を呼んだので、すでにご存知の方も多いのではないかと思います。

きょうご紹介する『ビジネスパーソンのための 吉木りさに怒られたい』(高橋弘樹著、KADOKAWA)の著者は、同番組のプロデューサー。通勤電車、会社、飲み会など56種のシチュエーションにおいての男性の行動に対し、番組と同様に吉木りささんが怒りまくるという異色の内容になっています。

この本は、30代を過ぎたビジネスパーソンがポンコツにならないための本です。

具体的には、以下のような人にお勧めです。

・職場が敵だらけである

・女子に無視される、モテない

・深夜にラーメンを食べ、汁まで飲み干してしまう

・人には言えないことだらけだ

・気がつくと孤独だ

・恥の多い人生を送ってきました

(「はじめに」より)

なんとなく、あてはまりそうでもあったり、そうでもなさそうでもあったり......。これだけでは、ちょっとわかりづらいかもしれません。「はじめに」から、もう少し要点を引き出してみることにしましょう。

「怒られたい」という思い

新人・若手だった20代のころは誰しも、いやというほど人に怒られる機会があったはず。と、著者はここで、若いビジネスパーソンなら誰でも経験することを引き合いに出しています。ところが多くの場合、30代の中堅になると、自分のために怒ってくれる人はどんどん減っていくものです(上司の気分による八つ当たりや、理不尽な嫌がらせは別)。

しかも「過剰コンプライアンス社会」となっている近年は構造的に、本気で怒る人はいっそう少なくなりつつあります。いうまでもなく、「万が一、怒った事が原因で部下に会社を辞められたら困る」というような現実があるから。だとすれば、リスクをとってまで、親身になって怒る人が少なくなっても当然だというわけです。

ドイツの社会心理学者エーリッヒ・フロムは、人は自由になればなるほど、誰かに従属したい、道を示してほしいという欲求が芽生えると述べました。家や会社という制度からの束縛がどんどんゆるくなっている平成時代を生きる我々は、いまこそ、怒られることの重要さに気づかなければいけないのです。(「はじめに」より)

とはいっても、むさいオジサンには怒られたくない。どうせなら、美しい人に怒られたい。つまり、そんな発想から生まれたのが本書だということ。

コスプレした吉木りさに、全10章にわたって怒られる

「通勤電車で怒られたい」(第1章)にはじまり、「白衣の天使に怒られたい」(第3章)、「女子高生に怒られたい」(第4章)などの全10章で構成されており、右ページが「怒り」のフレーズ、左ページがそれぞれのカテゴリーに合わせてコスプレした吉木りささんの写真という構成になっています。ですからファンにとっては、その役になりきった彼女の写真もまた魅力的に映ることでしょう。

とはいえ気になるのは、「怒られたい」願望を満たしてくれるという怒りがどんなものであるのかということ。そこで、ビジネスパーソンにとっていちばん身近な第2章「オフィスで怒られたい」に目を向けてみたいと思います。「なにか言わなきゃ気が済まない一言居士(いちげんこじ)男や部下に責任を押しつける言い訳保身男...どこの会社にもいる"小物"への怒りだそうですが...。

オフィスで怒られたい

おい、お前。Facebookで気安く友だち申請してくんじゃねーよ!

ウゼーんだよ! セクハラだぞ。

オメーみてーな中年ポンコツ上司に見せるプライベートなんざ1ミリもねーんだよ!

お前は気づいてないかもしれないけど、オメーの申請渋々承認してる女子も

みんなプライバシー設定でオメーには、私生活見れねーよーにしてんだよ!(後略)(22ページより)

これは「『Facebook粘着申請男』に怒る美女」という項目からの引用。たしかに、Facebookで執拗に友だち申請してくる上司は、どこの会社にもいそうです。

おい、お前、またこんな真っ昼間から妄想まみれの新規事業計画書書いて何やってんだよ? オメーの仕事は外回りの営業だろーが! さっさと、外行ってこい、このカス!

てか、オメーどうせ「そんなのオレの仕事じゃねー。オレは、新規事業立ち上げて一発逆転してやる」とか心の中で思ってんだろ?(中略)勘違いしてんじゃねー、ボケ!

特急ばりに駅飛ばしてラクすることばっか考えやがって。

そのままシベリアにでも行って頭冷やしてこい、このポンコツ!(後略)

(32ページより)

こちらは、「『苦労せずに一段飛ばしでのし上がろうとするシベリア超特急男』に怒る美女」から。なるほど、こういうタイプもよくいそうです。

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こんなふうに、怒られます。

ことばづかいが汚すぎるのは、もちろん意図的なもの。口汚いフレーズを美女に吐き出させるというところが、本書のおもしろさなのでしょう。いずれにしても、真に受けすぎず、肩の力を抜いて楽しみたい一冊ではあります。

(印南敦史)

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