特集
カテゴリー
タグ
メディア

複数のイノベーションを連続的に起こす「シリアル・イノベーター」とは?

cafeglobe

複数のイノベーションを連続的に起こす「シリアル・イノベーター」とは?

cafeglobeより転載:社内で責任のある立場につくと、経営のことについても関心を持つようになりますよね。

企業のエグゼクティブと話をすると、経営課題として必ずというほど挙げられるのが「イノベーション」。コストの高い先進国において企業が持続的に成長していくためには、新しい事業に乗り出していくことが不可欠ですが、それは容易なことではありません。

知的資産が多く存在する組織は、イノベーションの源泉

では、イノベーションはどのようにして起こるのでしょうか。一般的なイメージとしては、スティーブ・ジョブズのような天才が起こすものと考えられがちですが、最近の研究では、組織人こそがイノベーターであるという提起がされています。

特に「シリアル・イノベーター」とは、1度だけでなく複数のイノベーションを連続的(シリアル)に生み出す人材のことですが、ひとりで成しとげるのは困難なこと。組織の知的資産を活用し、ほかの人材と協力することで、シリアル・イノベーターになることができるのです。

「シリアル・イノベーター」は、技術と市場の両方に対する視点を持ち、新技術がなかなか事業に結びつかない「死の谷」を超える方法を体得して、ビジネスブレイクスルーを可能にする。彼らの存在こそ、いま日本企業が必要とする「第三のイノベーション・プロセス」なのである。

シリアル・イノベーター 「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀

P.12より引用

イノベーターが主導してイノベーションを起こす

企業が新規事業開発をするときには、マーケットイン(市場主導)型とプロダクトアウト(技術主導)型とがあります。前者は市場の声が研究者や開発者に届きにくく、後者は市場ニーズとマッチしているかが分かりづらいというのが欠点です。

研究職からマーケティングや営業まで、各部門での情報共有と連携がしっかりしていれば問題ないのですが、こちらも日本企業が苦手とする分野。

そして、それを打開するのが「イノベーター主導型のイノベーション=第三のイノベーション・プロセス」であるというのが、最新のイノベーション研究です。そして、そのイノベーターというのは、けっして特異な人ではなく企業で組織人として働いている人材であるというのです。

では、シリアル・イノベーターの特徴とはどういったものなのでしょうか。同書では、

「パーソナリティ(Personality)」

「パースペクティブ(perspective)」

「モチベーション(Motivation)」

「構え(Preparation)」

「プロセス(Process)」

「社内における政治的駆け引き(Politics)」

シリアル・イノベーター 「非シリコンバレー型」イノベーションの流儀

P.76より引用

という6つの点に着目しています。

パーソナリティやパースペクティブ、モチベーションや構えは、これまでのイノベーター研究でも重視されていた要件です。好奇心の高さや忍耐強さ、将来を見通す力や仕事・学びに対する意欲的な態度はたしかに重要ですよね。

それに加えて、組織内でイノベーションを連続的に起こすには、プロセス社内政治も重要になるというのが、研究を通じて見えてきたことです。ビジネスの現場を見ていると、とがったアイデアが上からの意見によって、いつの間にか丸くなってしまうのをよく見かけますが、その丸さは、市場から見ると斬新ではありません。

こうしたことをくぐり抜けるために、事前の根回しやネゴシエーションが必要なのは、昔に限ったことではないのです。大きな仕事をしたいのであれば、上司との会食などの機会を逃さない、自分から作り出すということが大切なのです。

(鈴木くらら)

Photo by Shutterstock.
swiper-button-prev
swiper-button-next