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マーケティング上達の鍵は、社内恋愛にあり?

マーケティング上達の鍵は、社内恋愛にあり?

ビジネス用語の解説本は少なくありませんが、『モテるビジネス用語』(小石ヤマ著、イースト・プレス)はちょっと異質かもしれません。なぜなら、ビジネス用語をすべて"男女関係"に結びつけて解説しているから。

自分の業種とは関係ないケーススタディばかりの退屈な説明より、下ネタやエロトークにしたほうが、みんなが"自分のこと"に置き換えてイメージできますよね。

(「はじめに」より)

というわけで、「マーケティング理論」を"社内恋愛"が成功する秘訣から学んだり、「競争戦略論」を"合コン"がうまくいくコツにたとえたりしているというわけです。そして、ここで解説されているビジネスの知識や理論、概念は、実際にプライベートで使ってみることで血となり肉となり、仕事にも応用できるようになるのだとか。そして仕事に活かせるようになると、そのフィードバックでさらに男女関係がうまくこなせるようになるといいます。

少しばかり無理があるようにも思えますが、果たして内容はどうなっているのでしょうか? Chapter 1「社内恋愛でマーケティングをマスターする」から、いくつかをチェックしてみたいと思います。

マーケティングリサーチ

[一般的な解説]

企業などの組織が、商品開発の各段階に行う調査活動のこと。市場における顧客のニーズを把握し、顧客にあった商品・サービスを生産・提供するために行われる。(後略)

[本書の解説(以下「モテビジ解説」)]

もしも社内恋愛を狙っているからといって、気になる子のことをなにも知らないまま飲みに誘ったりするのは邪道。社内恋愛においても、まずは顧客=女性社員のニーズを把握することが必要だと著者は記しています。重要なのは、自分の会社の女性社員には、どんなタイプがいちばんモテるのか、全体の傾向をつかむことだとか。

といっても、ターゲットの子にいきなり「どんな男がタイプなの?」と聞くのは愚の骨頂。理由は、女の子は口コミと同調圧力が好きな生き物だから。つきあう男性にしても同性からの評価を気にするので、まずは社内の女の子全員からふんわりと「いい感じ」の男性だと思われることの方が重要であり、先決なのだそうです。「これがマーケティングというものです」と著者は結んでいます。(14ページより)

ポジショニング

[一般的な解説]

ターゲティングした市場において、自社製品と競合商品との位置づけを明確にし、差別化をはかること。(中略)効果的なポジショニングのためには、他社が簡単にまねできない独特のポジションをしめることが必要である。(20ページより)

[モテビジ解説]

社内の競合相手である他の男性社員のなかに、いかにもモテそうなイケメンなどがいたとしても心配無用。なぜならキャリア志向セグメントの女性に対しては、かっこつけた口説き文句や女性の扱いに慣れた言動よりも、仕事熱心な自分を演出するポジショニングの方が有効だから。

もし、非イケメンの地味な男性だったとしても、仕事に打ち込む姿を見せたり、相手の女性社員の仕事に対する理解を深めたりするだけで、充分にチャンスはあるということ。むしろ強豪相手として気をつけなければならないのは、「頼りがいのある妻子持ちの上司」なのだと著者。前途や将来性といったフレッシュさで、彼と差別化をはかるべきだそうです。(20ページより)

AIDMA

[一般的な解説]

消費者がある商品を知ってから、購入に至るまでの消費行動のプロセスを、心理的な段階により分類する方法のこと(中略)。早い方から順に、Attention(注意)、Interest(関心)、Desire(欲求)、Memory(記憶)、Action(行動)の5つの段階がある。

[モテビジ解説]

AIDMAは、消費行動のプロセスであると同時に、コミュニケーションに対する反応のプロセスでもあるもの。自分がいま、5段階のうちのどのフェーズにいるのか、どのプロセスにフォーカスしてアプローチするかを意識するのが大切だといいます。

まずは、仕事の話で相手のAttention(注意)を引き、人間としてInterest(関心)を持ってもらうことに全力を尽くす。「一緒に仕事してみたいなあ」というDesire(欲求)を引き出せたらしめたもの。「今度、仕事をお願いしてみようかな」と相手のMemory(記憶)に残ったところで、「こんな企画があるんだけど、一緒に仕事してみようよ」と誘うAction(行動)を起こせば、相手は必ず誘いに乗ってくるそうです。(22ページより)

4P

[一般的な解説]

望ましい反応を市場から引き出すために、どのように市場にアプローチするかを決定する重要な4つの要素のこと。

Product(製品):製品、サービス、品質、デザイン、ブランド名など。

Price(価格):価格、割引、支払条件、信用取引など。

Place(流通):チャネル、輸送、流通範囲、立地、品揃え、在庫など。

Promotion(プロモーション):広告宣伝、ダイレクトマーケティングなど。

[モテビジ解説]

相手の女性に対して、自分という商品が魅力的に映るためには、「製品」「価格」「流通」「プロモーション」の4つの観点を抑えたアプローチを心がけることが大切だといいます。

1. Product(製品):女性向けの企画を考えているんだけど相談にのってくれない?

2. Price(価格):相談にのってもらう立場だから、ご馳走するよ。

3. Place(流通):会社の近くに新しいお店ができたから、そこに行ってみようか。

Promotion(プロモーション):ご飯食べるときまで、仕事の話ばっかりでごめんね。

という流れだそうです。(24ページより)

最初にご説明したとおり、基本的にはビジネス用語の解説書。しかし、一貫してこのようなアプローチなので、読み進めるうちに「なんの本だったっけ?」と戸惑ったりもします。とはいえ解説自体はわかりやすく、そういう意味ではビジネスにもプライベートにも有効な一冊であるかもしれません。

(印南敦史)

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