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新しいチョコレート:原材料は同じなのに味わいがことなる、nendoによるデザイン

新しいチョコレート:原材料は同じなのに味わいがことなる、nendoによるデザイン

今年(2015年)1月に、フランス・パリで開催される世界最高峰のインテリアとデザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ」に、佐藤オオキさん率いる日本のデザインオフィス「nendo」が出品したチョコレートが、海外のブログで取り上げられるなど注目を集めています。

その作品とは「chocolatexture(チョコレーテクスチャー)」。

「チョコレートの質感」という意味をあらわすであろう造語の通り、すべて26×26×26mm内の大きさにサイズがそろっていながらも、形状によって「9種類の質感」が表現されています。そして、それぞれの質感がそのままチョコレートひとつずつの名前となっています。作品すべては公式ウェブサイトに掲載されていますが、以下に一例を。

「tubu-tubu」

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たくさんの粒子が集合した形

「toge-toge」

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先端が尖った鋭利な形

「goro-goro」

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14個のキューブがカドで繋がっている形

「poki-poki」

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四周が線状の、骨組みのような形

このアイデアの着想について公式ウェブサイトでは、「カカオの原産地や種類、含有率、ショコラティエの技術、中に入っているフレーバーなど、チョコレートの味を左右する要素はいくつもある。新たなチョコレートを考えるにあたり、これらの要素に頼るのではなく、あえてチョコレートの「形」のみに注目することにした。(中略)先端が尖っていたり、内部が空洞だったり、表面が滑らかであったり、ザラついていたりと、ひとつひとつの食感が異なることで同じ原材料でありながら味の変化を生み出すことを考えた」と明かされています。

以前、佐藤オオキさんは、「マイナビニュース」のインタビューで、次のように話しています。今回のchocolatextureにも通ずる、彼のデザイン哲学をあらわしているように感じます。

日常を豊かにするのは、何も非日常的な物事だけではないんです。日常生活にひそむ、ふっと癒やされるような感覚をデザインにこめたいなと思っています。そのためには、題材となる物について、すべてをひっくり返すような大きな刺激を与えることはしません。今まである物の中から次の時代に引き継ぐ物を見極め、それを生かして磨くことを意識しつつも、欠点となる部分を落としていきます。結構、地味な作業です。その中で、何か肩の力が抜けるような、くすっと笑えるような感覚だったり、感情に訴えるような感覚をアクセントとして加えることも大切だと思っています。

150122chocolatexture_6.jpg

佐藤オオキさんは以前、雑誌『Pen』とのコラボレーションでも、チョコレートをデザインしたことがありました。そのとき作られたのが「chocolate-paint(チョコレートペイント)」。絵の具型チョコレートの中に、味がことなるフレーバーソースが入っているという遊び心のある逸品でした。

というわけで今回は、もともと「甘いものがお好き」というnendoの佐藤オオキさんによる、バレンタイン直前のこの季節にぴったりなデザインのアイデアをご紹介しました。

chocolatexture | nendo via Spoon & Tamago

岡徳之

(chocolatextureの画像は「nendo」公式ウェブサイトより/Photos by Akihiro Yoshida)(chocolate-paintの画像は「Pen」公式ウェブサイトより/Photos by Hiroshi Iwasaki(STASH))

岡徳之

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