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人から好かれるために、心にとどめておきたい考え方

人から好かれるために、心にとどめておきたい考え方

やっていることは他の人とそんなに変わらないのに、いい仕事を次々と任される人。どこの世界にもそんな人はいるものですが、では、なぜそんなことが起こるのでしょうか? 『好かれるのはどっち!?』(野呂エイシロウ著、総合法令出版)の著者は、その理由について「それは『彼』が、まわりの人に好かれているから」だと断じています。能力や結果よりも、もっと大事なのは「好かれる」ことだという考え方。

社会人になって25年間、一度も仕事が途切れたことがないという著者の経験に基づいているだけに、その主張にも説得力があります(仕事が軌道に乗り、「天狗になったら収入が10分の1に減った」というエピソードも含め)。

しかし実際のところ、好かれる人になるためにはどうしたらいいのでしょうか? 好かれる人とそうでない人のタイプを比較しながら話が進められる本書のなかから、第3章「好かれる人の考え方」に焦点を当ててみましょう。

人への甘え方

A:甘え上手の人

B:なんでも一人でやろうとする人

好かれている人は、なにかをしようとするとき、必ず誰かに相談するもの。トラブルがあっても、ひとりでは考えつかないアイデアをいろいろな方面から集めてこられるため、解決も早く、仕事もスムーズに進む傾向にあるといいます。そして、そうやって後押しをしてもらえる人の共通点が、「甘え上手」だということ。

「すみませんが、力を貸してください」「◯◯をしようと思うのですが、どう思われますか?」というふうにアドバイスを求められると、助けてあげたくなるのが人間の心理。好かれる人はいろいろな人と接触し、10人いれば10人からアドバイスをもらうことができるとか。

また甘え上手な人はきちんと報告もするので、相手から「感じがいいな」という印象を持ってもらえることに。そして「力になってあげたい」と思われるため、次の機会につながっていくというわけです。つまり著者のことばを借りるなら、好かれるとは、強力なフリーパスを手に入れるようなもの。

それに対し優秀でプライドの高い人は「自分ひとりでできる」という雰囲気が出ているため、まわりの人は声をかけづらい存在。当然のことながら、孤立してしまう可能性も高くなるそうです。(100ページより)

自分の役割とは?

A:自らの役割に集中する人

B:役割以外のことにも首を突っ込む人

場合にもよるとはいえ、「Aのほうがかっこいい」と筆者。たとえば、それをよく表しているのが、大リーガーのイチロー選手だといいます。イチローは大リーガーがやるべきことを理解し、行動で表している人物。チームが大きく負けていて出番があるかないかわからないときにも、ストレッチをしていつでも出られるようにしている。他のメンバーがリラックスしているときでも自分の役割を見失わず、緊張の糸をゆるませないというわけです。

アメリカの大リーガーたちは、思わず拍手したくなるようなプレイを見せ、拍手喝采を浴びることが重要。つまり「きょうはいいものを見せてもらったな!」と思ってもらえるエンタテインメント性が求められるわけで、だからこそイチローは休みことなく技術を磨き続けている。その努力が結果的に、日米通算4000安打という偉業につながったということです。

いまの時代は、とかくマルチであることが求められがち。しかし本当にプロとして尊敬されたいのなら、あえて本業だけに集中するという選択肢もあると、著者はこの項をまとめています。(108ページより)

成功するための手段

A:どんな手を使っても成功しようと思う人

B:ズルをして成功しても恥ずかしいと思う人

好かれるのは、もちろんB。立場が上の人にゴマをするような媚びた態度で好かれようとする人は、たいてい周囲の人に嫌われるもの。なぜなら、無理に仕事をもらったり、実力ではないところで一生懸命になったとしても、それは「パフォーマンス」でしかないから。

「人の目なんか気にしない」という人にとっては手っ取り早い方法であるとはいえ、取り入っている相手がいなくなったらなにも残りません。下心のあるコネクションに依存していくと、最終的にはそれに振り回される結果になり、本来やりたかったことからどんどん離れていくケースが多いということ。

ちなみに著者は、とりあえずどんな意見でも肯定するというスタンス。しかしゴマをすっているということと決定的に違うのは、相手のことを考えて、「もっとこうすればよくなる」という代案を示すことだといいます。つまり、単に「イエス」だけでは終わらないわけです。

苦労したぶんだけ鍛えられ、信頼を集められるようになるのが人間。正々堂々と生き、将来的に尊敬を集められるような仕事の仕方をしていくことが、長期的に見れば得だということです。そして、ここで著者が引き合いに出しているのが、サイバーエージェントでよく使われているという「ダカイゼン」ということば。「打開と改善を繰り返せば、すべてのサービスがよくなっていく」という信念です。本当の意味で好かれたいのならダカイゼンを選択し、正々堂々と勝負すべき。そういう人こそ、最終的に信頼されるということ。(124ページより)

まわりの常識と、自分の常識

A:「まわりの常識」に合わせる人

B:「自分の常識」に合わせる人

このふたつについて、好かれるのは「条件つきでB」だと著者は記しています。足並みをそろえなければならない場面で「これが自分の常識なので従えません!」などといわれると、「出ていけ!」ということになっても当然。しかし自分のなかに選択権がある場面においては、自分の思う方向に進める人こそ好かれるというわけです。その好例としてここで名前を挙げられているのが、ジャーナリストの池上彰さん。ご存知のとおり、わかりやすい解説と鋭い視点を使い分ける人物ですが、そんな池上さんについて、著者はこう書いています。

僕は、池上さんは、みんなの代弁者なんだと思います。裸の王様に向かって「裸だ」と言った子どものように、何となく聞いちゃいけないと思っていることにもどんどん切り込んでいくからです。(130ページより)

自分にできないことをする人を、人は素直に尊敬してしまうもの。だからこそ、池上さんにも共感してしまうということ。

仕事の場面において、「ズバッといわなければいけないとわかっていながら、なかなかいえない」ことはよくあります。しかしそんなときは、ズバッということで得られるメリットはなんなのかをよく考えたうえで(なおかつ謙虚さを持って)行動に移すのがいいと著者。(129ページより)

放送作家という立場上、さまざまな業界の著名人のエピソードがたくさん盛り込まれているところも本書の魅力のひとつ。自分自身の生活に当てはめてみれば、いろいろなことを解決できそうです。

(印南敦史)

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