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ついやってしまう「指ポキ」「首ポキ」はやめたほうが良い?

ついやってしまう「指ポキ」「首ポキ」はやめたほうが良い?

ライフハッカー編集部様

私は時々、指の関節をポキポキと鳴らしています。また、他の関節もきしむような音やポキッという音を立てることがあります。体にガタがくるような年ではないんですけどね。これって何か問題でしょうか? 関節が音を立てるのはマズいですか?

Creaky(ポキポキ)より

Creaky様

関節がボキッと音を立てると、たとえ痛みがなくても、何だか気になりますよね。これはおそらく誰にでも起こる現象です。「クラッキング」といって、故意に指の関節を鳴らす人もいますが、伸びをした拍子にボキッと音がする場合もあるでしょう。この音はどういうわけで起こるのか、体のどこかが悪いというサインなのかどうか、複数の医療専門家に話を聞いてきましたので、ご紹介しましょう。

ほとんどの場合は、気にしなくて良い

「関節を鳴らすと関節炎になる」とはよく耳にする話ですが、それは誤解です。整形外科医であり、『Art of Fitness』という著作もあるLevi Harrison医師も、よく同じような質問を受けると言い、次のように説明しています。

一般的に、関節を伸ばしたり動かしたりした時にボキッという音が出るのは、関節の中の骨液と呼ばれる液体の中に溶け込んでいるガスが原因です。このガスの大部分は、O2(酸素)とN(窒素)です。この、ガスをたっぷり含んだ液体は、関節を包むカプセル状の関節包の中にあります。わざと音を立てようとして指を曲げ伸ばしすると、その液体内の気泡がはじけ、あの音がするわけです。大きな音の場合もあれば、こもった音の場合もあります。たいていは、もう一度音が出るようになるまで、しばらく間を置かなければなりません。関節内に気泡が生じるまで時間がかかるからです。

カイロプラクティック治療院Agape Chiropracticを経営するMichael Haley医師はさらに突っ込んで、聞き慣れない医療用語を交えながら、この現象を説明しています。

ポキッという音は、筋腹から生じる場合もあれば、関節構造の奥のほうにある靭帯椎間板から生じる場合もあります。時には、「ポキッ」という表現とはまったく異なる音が出ることもあります。関節の炎症だと、動きに伴って「グシャッ」という音がする場合もあります。首を横向きに回した時には必ずこの音がするという人もいるかもしれません。でも、本当は首を回した時には何の音もしないほうが良いのです。音が出るのなら、関節ねずみ(関節遊離体)が原因かもしれません。こうした音は総称して捻髪音(ねんぱつおん)と言われています。

臨床経験から判断すると、緊張が蓄積した場合に、関節をほぐすために、ポキッという音がするようです。特に、体を動かさずにいると、緊張を解き放つ必要性が増すようです。一方、体をこまめに動かしたりストレッチを行なったりすると、緊張を解き放つ必要性が減るだけでなく、関節が音を立てる回数も減るようです。

興味深いことに、人間は体を動かす必要性に逆らうすべを、成長とともにわざわざ身につけているようです。というのも、ネコやイヌは、ある程度の時間、体を動かさずにいた後は、しっかり伸びをしています。背骨は特に念入りに。子どももまた、じっとしていた後は体を伸ばしています。しかし大人は、寝て起きたらすぐに、デスクワーク中心の1日を始めてしまうのです。道理で、関節がポキポキと音を立てたり、わざと鳴らしたくなったりするわけです。

要するに、日常的に体を動かしていない人は、普段の生活の中でもっと体を動かすと良いようです。

医者に診てもらったほうが良い場合

以上のように、通常は心配しなくて良いとのことですが、時には、関節のボキボキが不吉な兆候である場合もあります。ボキッと鳴った瞬間に痛みを感じたなら、何か医学的な問題が潜んでいる可能性があります。Harrison医師は次のように話します。

関節にケガや外傷を負ってから、関節がきしんだり鳴ったりするようになって痛いという人は、関節炎の可能性があります。これは良くない状態です。関節炎は、関節の軟骨組織を保護している軟骨膜が、損傷を受けたり磨耗したりすると起こります。原因はケガや加齢だけでなく、リウマチ性関節炎といった炎症性疾患も考えられるでしょう。

例えば、股関節や膝にケガをした後、ひどい腰痛や膝の痛みに悩まされ、その上に関節が音を立てるようになったら、その部分が関節炎を起こしている可能性があるので、医療機関の受診をお勧めします。問診と理学的検査の後に、関節の状態を確認するためX線検査を受けるよう言われるかもしれません。関節炎はよくあることですし、もし関節がきしんだり音を立てたりするのなら、医師による適切な診察が必要です。

痛みがなければ、おそらく心配する必要はなさそうです(けれども、もしも気になるなら医師に相談してください)。Harrison医師は、指の関節であれ首であれ、故意に鳴らすのはお勧めしないと言っていますが、それでもたぶん、実害があるわけではなさそうです。

Amy Baxter氏の紹介している、ある実験にも触れておきましょう。なお、同氏がCEOを務めるMMJ Labsは、薬を用いず、振動とアイスパックを使って痛みを抑える「Buzzy」という装置を製造しています。

とても面白い研究があります。専門家の間で、単一被験者試験(N-of-1 trial)と呼ばれる手法が使われています。Donald L. Unger氏という医師が、一生を通じて片手の指の関節だけをボキボキ鳴らし続けたら何が起きるのか、身をもって実験し、50年続けた結果を発表したのです。結論を言いましょう。ボキボキ鳴らした指の関節のほうが太くなったそうですが、それ以外は何の問題もなかったそうです(ちなみに、この研究は2009年にイグノーベル賞(医学賞)を受賞しています)。

筆者にはアリゾナで家庭医として働く身内がいるので、この件に関して話を聞いてみました。やはり、よく同じ質問を受けると言っていました。特に10代前半の子どもたちから聞かれることが、なぜだか多いそうです。それに対するアドバイスとしては、「たぶん問題はないけれども、気になるなら、関節や首をポキポキ鳴らすのはやめたほうが良い」と答えているとのこと。やっぱり同じでしたね。

ライフハッカー編集部より

Melanie Pinola(原文/訳:遠藤康子/ガリレオ)

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