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些細なイライラがいつまでも尾を引く理由

些細なイライラがいつまでも尾を引く理由

ごく些細な事柄や出来事へのイライラが、どういうわけか、何日も続いてしまう時がありませんか? 研究によれば、私たちの脳は、大きなショックからの立ち直りに比べると、中程度以下のショックに対処するのにはあまり向いていない可能性があるのだそうです。というのも、中程度以下のショックでは、脳の回復のメカニズムが発動しないので、大したことでもないのにイヤな気分が尾を引いてしまうのだとか。

英『Guardian』紙のコラムで、Oliver Burkeman氏がこれを次のように説明しています。

(ショックから立ち直るまでの時間に関する)こうした逆転現象を、専門用語で「ベータ領域のパラドクス」(region-beta paradox)と言います。

この現象を最初に指摘したのは、心理学者のDan Gilbert氏らのチームです。彼らは10年前に、「それほど悪くない事柄に特有に生じる持続性」(The Peculiar Longevity of Things Not So Bad)と題した論文を発表しています。

本当に悪いことが起きた場合は、しきい値を超えたことになり、立ち直りを助けてくれるメカニズムが発動します。Gilbert氏が論文で挙げている例を引くなら、女性が夫の浮気に気づいた場合、あらゆる力を駆使して事態の理由づけを行い、「夫は何かストレスを発散せざるをえない状況だった」とか、「この危機を乗り越えれば私たち夫婦はもっと強くなれる」などと自分に言い聞かせることがあります。これに対して、夫の問題行動が単に「使った皿を自分で洗わない」程度のことだと、脳の防衛反応が機能しません。その結果、このような些細な落ち度に対する怒りの方が、いつまでもくすぶる場合があるのです。

中程度以下のショックでは、立ち直りを助けてくれる脳のメカニズムは発動しないというわけです。これが原因で、私たちはごく些細なことにカッとなる一方で、大規模な変化に対してはずっと柔軟に対応できる場合があるのです。

Getting upset over trivial matters? There's a rational explanation|The Guardian

Herbert Lui(原文/訳:江藤千夏/ガリレオ)

Photo by Ryan Hyde.
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